コンポーザーはアネックスが製作する、日産NV350キャラバン標準ボディをベース車にしたバン・コンバージョンキャンピングカー。コンポーザーシリーズには「コンポーザーwith
Family」の他、「コンポーザー」と「コンポーザーwith Dog」の3種類がラインアップされている。更にそれぞれポップアップルーフ仕様とハイルーフ仕様が用意されているので、計6種類から選べることになる。
「コンポーザー」は主にふたり旅向け、「コンポーザーwith Dog」はふたり旅+愛犬向け、そしてこの「コンポーザーwith Family」はその名の通りファミリー向けとなっている。
なお、ハイルーフ仕様は同社オリジナルのFRPハイルーフを架装しており、常時ハイルーフで高い天井高を持つほか、断熱性能にも優れる。一方ポップアップルーフは、通常はルーフを畳んでいるため、地下駐車場などにも入っていける。
今回紹介する「コンポーザーER with ファミリー」はポップアップルーフ仕様のファミリー向けモデル。フロアベッドと上段ベッド、そしてルーフベッドで、大人4名+子供2名が就寝できる。なお、ERはElevetion
Roofの意味。
車長方向に寝る上段ベッド
ダイネットのシートは2列目と3列目にREVOシートを採用、2列めを前向きにすると、8名が前向きに着座してドライブできる。ファミリー向けモデルで重要なことは、就寝人数はもちろんだが、前向き(あるいは後ろ向き)に着座してドライブできるかどうか、ということ。横向きにしか着座できないと、長時間のドライブでは疲れる他、安全上も好ましくない。
REVOシートを使ったダイネット
「コンポーザーER with ファミリー」の2列目シートを後ろ向きにすると、3列目シートとで対座ダイネットが形成され、ダイネットテーブルを囲むことができる。ポップアップルーフなのでダイネットの天井高は高く、圧迫感が少ない。
ポップアップルーフを上げると高い天井高になる
ダイネットを展開するとフロアベッドになるが、このモデルに限らず、マルチモードシートを使用している場合、展開作業は多少面倒だ。そこで最初からベッドモードにしておき、折りたたみテーブルを置いてちゃぶ台スタイルにしているユーザーも少なくない。
後部の上段ベッドは、車長方向に延びる仕様で、車幅に制限されず、十分なベッド長を取ることができる。幅は家庭用のセミダブルベッドとほぼ同じなので、大人2名だと窮屈かもしれない。これは下のフロアベッドも同じだ。
大人2名+子供2名のファミリーなら、下2段を大人が1名ずつ使い、ルーフベッドで子供が就寝すると、それぞれゆったり就寝できるだろう。
ポップアップルーフの内部
ただし、時期によってはポップアップルーフは寒く、就寝に適さない場合がある。また、風や雨が強い場合もポップアップルーフは避けたほうが良い。このような場合はFRP製のハイルーフ仕様のほうが有利だ。
ギャレーはダイネットの横にスリムなギャレーコンソールがあり、ここに丸いシンクがビルトインされている。スペース的にコンロを置いて調理するのは難しく、手や小さな食器を洗う程度だろう。
なお、冷蔵庫と電子レンジは取り付け不可。スペース的に厳しいのだろうが、冷蔵庫は欲しいところだ。従って、冷蔵庫が必要な場合は、ポータブル冷蔵庫を持ち込むことになる。
収納は、ベッド下の大きな収納スペースを除いて他になく、全てここに収納することになる。広さは十分なので、家族分の荷物を問題なく収納できるだろう。
ベッド下の収納
空調は、FFヒーターがオプション設定されるが冷房系は用意されていない。
電装系は80Ahのサブバッテリーが1個標準装備され、増設も可能だが、大きな電力を使う家電品がないので1個で十分だろう。なお、走行充電は標準装備されているが、外部入力/充電はオプション。なお、185Wのソーラーシステムもオプション設定されている。
「コンポーザーER with ファミリー」は、多くの装備を搭載しているわけではないが、コンパクトなボディで大勢のファミリーが移動、就寝できるモデルだ。できるだけコンパクトなボディで取り回しがよく、食事は外食がメインで、車内ではゆったり就寝ができるば良いというユーザーにお勧めのモデルといえる。
長期旅というよりは、休日にファミリーで遠出のドライブといった使い方が向いているだろう。