コンパス23TKは米国のコーチビルダー、ソアー(Thor)が製作するクラスC(キャブコン)キャンピングカー。
日本へは、同社のベガス(Vegas)を輸入販売しているボナンザが輸入/販売する。
ソアーは超大型のクラスA(フルコン)から比較的コンパクトなサイズのクラスCモーターホームまで製作しているが、コンパスは同社のカテゴリーではベガスと同じRUV(Recreational
Utility Vehicle)に属している。
RUVは気軽に出動できるサイズを目的としたものだが、コンパス23TKの全長はそれでも7mを超えるので、日本では大型の部類に入る。
また、米国車らしく左サイドにスライドアウトを持ち、ダイネット部が拡張される。
コンパスシリーズはレイアウトのバリエーションにより現地では4種類存在するが、日本に輸入されているのは23TKで、最もコンパクトなモデル。
23TKのレイアウトはこれら4種類の中では最も一般的なもので、ダイネット部が左側にスライドアウトする。
ベース車はフォードトランジットで、3.2Lディーゼルターボエンジンを積む。
レイアウトは、前部にスライドアウトする対座ダイネットの他、後部に縦置きダブルベッド、中央にギャレー、後部ベッド反対側にサニタリールームを配置する。
ダイネットは固定対座シートで4名程度が楽に座れるが、基本的には2名で使用する想定なので余裕の寛ぎスペース。
ベッドは1880x1240mmの大きさで、家庭用で言えばセミダブルサイズに匹敵し、米国車にしては小さい方だ。
ギャレーは、大きく深い丸型シンクと二口コンロがビルトインされ、その下にはオーブンレンジがビルトインされる。
冷蔵庫は隣のタワーに120Lの容量を持つ3Wayのものが標準装備される。
サニタリールームには、カセットトイレと温水シャワーが標準装備され、清水タンクは113リッター。
二人でシャワーを使っても、十分な容量だ。
収納はダイネット上、ギャレー上、ベッドルーム上に大型のオーバーヘッド収納が備え付けられており、収納力は十分すぎるほど。
また、クローゼットが用意されている他、その下には引き出し収納が用意されており、小物を分類して収納することができる。
ただ、ハイマウントベッドではないので、ベッド下の収納スペースは比較的小さく、自転車等を積むのは難しいだろう。
空調はFFヒーターの他、冷房用にルーフエアコンが標準装備される。
電装系はディープサイクルサブバッテリーの他、3,600KWのガス式発電機が標準装備されるので、外部電源が無くても発電機でルーフエアコンを駆動することができる。
発電機が装備されているのでシステムが自立でき、この点では日本では使いやすいと言える。
なお、同社お馴染みの車外LCDディスプレイも与えられており、車外で寛ぎながらテレビを観ることもできる。
コンパス23TKは、大きさからアメリカンモーターホームを躊躇しているユーザーには最適な1台だ。
7mを超えるが特別巨大と言うわけではないので、狭い街中では多少苦労しても郊外での運転に戸惑うことは無いだろう。
インテリアもシックながらモダンな要素も取り入れられており、アメリカンモーターホームを検討しているユーザーの期待を裏切らない。