Bonds（ボンド）はダイレクトカーズが製作するハイエースベースのバンコンキャンピングカー。ハイエースワイドロングバンのスーパーGLを使用しているので、ワゴンと異なり、ボディ右側にもスライドドアが付く。

特徴はハイルーフの架装。ボディのフロントからルーフへの曲線を延長したハイルーフで、自然なボディラインを形作っている。これにより、室内高は1800mmを確保しており、大人が立ち上がっても頭がつかえない。車内で過ごす時間が長いキャンピングカーでは、天井高が高いとストレス度が全く異なる。

また、ルーフベッドの設置も可能で、ポップアップルーフに比較して雨風が強い場合でも安心して就寝できる他、断熱性も優れているため寒い思いをすることはない。

レイアウトは2列目と3列目にマルチモードシートを使用し、対座ダイネットとしている他、走行時には全席前向きにして前向き乗車が可能となる。

　高い天井高を持つ室内

ベッドはシートを全てフラットにしてできるフロアベッドとルーフベッドで、計4名が就寝可能。即ち、ファミリーでの使用も可能だ。二人で使用する場合はルーフベッドだけセットすればよいので、ダイネットはそのままにして就寝できる。

ルーフベッドは前部にボードを収納するスペースがあり、そこから1枚1枚セットするが、毎日行うのは多少面倒かもしれない。常設が可能とのことなので、寝具も残してそのままにしておくこともできるが、そうすると室内の圧迫感が増してしまう。半分程度残しておくという使い方が良いかもしれない。

　2名が就寝できるルーフベッド

シートはバタフライシートで、ロングレールで前後に移動できるため、前に押しやってしまうと後部は広い荷室になる。また、3列目シートを後ろ向きに設置して最後部まで移動すると、釣りや花火を見るといったシチュエーションで便利かもしれない。

　最後部のシートを後ろ向きにセット

ギャレーはダイネットサイドに設置されているが、電子レンジや冷蔵庫がビルトインされるだけの奥行きはあり、実用性も高い。また、コンロは卓上式カセットコンロを置いて使用するが、ギャレーコンソール上面は十分に広く、コンロを置いても調理スペースは残されている。
ただし、ベンチレーターは設置されていないため、調理をする場合はもちろん、そうでない場合も設置が可能か確認すると良いだろう。

　十分な調理スペースが確保されているギャレー

収納はあまり多くない。シートが可動スタイルなので、シート下収納が作れないうえ、ルーフベッドを設置するため、オーバーヘッド収納も設置されていない。
後部左側に細長い収納があるが、これは下段のベッドボードが収納される。
従って、バッグやその他の荷物はシート下の床に置くとか、ルーフベッドを設置しておいてそこに置くことになる。

空調はFFヒーターがオプション設定されているが、家庭用エアコンの設定はない。ワイドロングボディなのでエアコンを積むスペースが厳しいのは確かだが、やはり夏は厳しい。ただ、FRPのハイルーフを架装して、更にハイルーフなので、鉄板のルーフよりは暑さが和らぐだろう。

電装系はサブバッテリー、走行充電、外部充電が標準装備される。また、1500Wインバーターが標準装備されているので、バッテリーで電子レンジを使うことができる。電子レンジ自体はそれほど高価ではないが、それを使うための装備が高価なので、これが標準装備されるのはユーザーに親切な設定だ。

ボンドは、ワイドロングボディーなのでコインパーキングにも駐車でき、更にハイルーフなので天井高も高く、最も効率の良い組み合わせと言える。ハイルーフ架装モデルはポップアップルーフモデルに比べると車種は多くない。しかし、先に紹介したコンパスグランドなど、ハイルーフモデルが徐々に増えつつある。高ささえクリアできるなら魅力的な1台だ。