Basic CamperIIは、キャンピングカー広島が製作する、日産NV350キャラバン標準幅スーパーロングベースのバン・コンバージョンキャンピングカー。

同社はNV200ベースのPOP.COM（ポップ・コン）をはじめ、バンコンをメインにラインアップしている。NV350キャラバンでは標準ボディとワイドスーパーロングをラインアップしているが、標準幅スーパーロングでは初となる。

エクステリアは架装がなく、オリジナルのままなので一見すると通常のNV350キャラバンに見える。従って、目立たないで日常使用にも利用できるが、標準ボディよりは車長が長いので、狭いコインパーキングなどでは取り回しが面倒な場合がある。また、高さ制限のある駐車場に入れる可能性は少ない。

インテリアはオレンジ色をアクセントにしたデザイン。シックで落ち着いた感じの家具色とのコンビネーションも良い。

　オレンジ色がアクセントのインテリア

レイアウトは2列目にマルチモードシートを配置。3列目には2脚の前向き固定単座シートを配置し、後ろ向きにした2列目シートと対座ダイネットを形成する。
また2列目シートを前向きにすると、6名が前向き乗車してドライブできる。
ただし就寝は2名なので、クルマ旅では二人使用か、小さな子供連れが想定される。
後部には両側に収納ラックが設けられており、左側のラック上面にはシンクが設けられたギャレーになっている。

　後部両側には収納ラックが設置される

ダイネットは2列目と3列目で対座するスタイル。3列目は単座シートで間隔があいているので、後部のギャレーへの動線が確保されている。2列目シートも2人掛けで、車幅いっぱいに広がっているわけではないので、運転席助手席からの後部への移動は不可能ではない。もちろん一度車外に出てからエントランスドアから入ると良いが、雨の日などは車内で移動できると濡れないで済む。

ベッドはダイネットを展開してフロアベッドとする。家庭用のセミダブルサイズで2名が就寝できるが、標準幅なので小さな子供が一緒に就寝するとかなり狭く感じるだろう。
ベッド展開はマルチモードシートがあるので、就寝前にそれなりに労力が必要だ。もちろんテーブルは撤去する必要があり、テーブルの上のものは片付ける必要がある。
多くのユーザーは、常にベッド状態にして折り畳みテーブルを置き、ちゃぶ台スタイルで過ごすだろう。

ギャレーは、後部の両側にラックが設けられ、その上は広い調理台になる。左側のラックにはシンクが埋め込まれており、その下には各16リッターの給排水タンクが収納されている。
また40リッターの冷蔵庫も標準装備されている。
電子レンジの記述は無いが、設置スペースもあるので、恐らくオプションで設置可能と思われる。
コンロはカセット式ポータブルコンロをいちいち設置する必要があるが、調理スペースは両側のラック上に十分とられているので、調理もやりやすい。

　シンクと冷蔵庫がビルトインされた後部左側のラック

収納は、両側にオーバーヘッド収納が設置されている他、後部の両側に設置されたラックに豊富に収納スペースが用意されている。引き出し収納も用意されており、食器などの収納に大変便利だ。また3列目シート下にも収納スペースが用意されている。
ただ、大きめのバッグなどの荷物を収納するスペースは無い。ドライブ時は後部に適当に置いておいて、就寝時はフロントシートに移動させるといった工夫が必要だろう。

　引き出し収納が豊富に用意された後部右側のラック

空調はFFヒーターがオプションで設定されているが、冷房関係はクルマのエアコン以外想定されていない。

電装系は、105Ahサブバッテリーが1個標準装備される。また走行充電と外部AC100 V入力は標準装備される。ただし、外部入力での充電はオプション。走行充電だけでは十分な充電ができないので、やはり外部入力での充電機能は標準にして欲しいところだ。
なおソーラーシステムの記述は無いが、おそらく設置可能だろう。

価格は455万円～（税別）。NV350キャラバン標準幅スーパーロングをベースにするモデルは400万円弱から400万円半ばまであるので、どちらかと言えば高価な方になる。

NV350キャラバン標準幅スーパーロングは、標準ボディほど取り回しが良くなく、ワイドスーパーロングほど広くないので中途半端な感じがする。更に車長は5,080mmと5mをわずかに超えてしまうので、フェリーなどで金額がワンランク上になる場合もある。従ってモデル数もあまり多くないが、ワイド幅の運転が不安だができるだけ広い室内を求める場合は選択肢になるだろう。
なお常に二人で使うなら、2列目のマルチモードシートは不要なばかりか、動線を妨げ、コストがかかるものなので、ロングソファのレイアウトを選択する方が良いだろう。