バーデンカリモクバージョンはトイファクトリーが製作する、ハイエーススーパーロングをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
従来のバーデンとレイアウトは同じだが、カリモク家具を内装に架装した限定バージョンだ。
カリモク家具は愛知県にある家具の老舗で、トイファクトリーとのコラボレーションで今回のモデルを作成した。
こだわりは、木目を生かした家具とグリーンを基調にしたシートだが、良く見ると家具の木目がシームレスにつながっているのが分かる。もちろん家具の立て付けはしっかりしており、高級感とモダンなセンスが両立している。
カリモクバージョンのインテリア
エクステリアは従来のバーデンと同じで、右側はフロントまでつながるエクステンションウインドウを架装している。
また、左側後部とリアハッチウインドウもアクリル化するグランデ仕様を標準装備。断熱性を高めている。
更に同社独自のエアロソーラーシステムがオプション設定されており、ソーラーシステムを装備してもスマートな外観を保っている。
インテリアはこのモデルのキーになっており、カリモク仕様のセンスと品質が特筆される。ただし、色や素材の選択はなく、この組み合わせのみとなる。
木目の連続性にまでこだわった家具
レイアウトは、従来のバーデンと同じ。フロント対座ダイネットとリアに横置きハイマウントダブルベッドの組み合わせ。4名が前向き着座してドライブでき、対座して団らんし、就寝できる。ファミリーでも二人旅でも使える、ハイエーススーパーロングではもっともポピュラーなレイアウトだ。
ダイネットは2列目にREVOシートを配置、3列目のシートと対座ダイネットを形成する。この2列目シートは前向き設置もできるので、全員が前向き着座してドライブすることができる。
またシートを全てフラットにするとフロアベッドになり、大人2名が就寝できる。
ファミリーで団欒できるダイネット
ベッドは、後部のハイマウントダブルベッドが常設ベッドなので、二人で使用する場合はダイネットを片付けて展開することなく、そのまま就寝できる。エクステンションウインドウを架装しているので、2名が車幅方向に就寝できる。
ギャレーは比較的コンパクトだ。シンクと上蓋式40リッター冷蔵庫がビルトインされており、最近の傾向通りコンロはビルトインされていない。コンロが必要な場合は、ポータブルカセットコンロをセットして使用する。なお、跳ね上げ式調理台が用意されているので、コンロを使う場合でも冷蔵庫が開けられないということはない。
電子レンジはオプション。ただ設置場所はベッドボードの下で、あまり使いやすい場所ではない。
上蓋式冷蔵庫がビルトインされたギャレー
収納はオーバーヘッド収納がダイネットからベッドルーム上までつながっており、小物収納は十分に確保されている。また大きな荷物はベッド下の大きなスペースがあるので難なく収納できる。ベッドを支える左右の家具にも収納スペースがあるので、収納に困ることはないだろう。
空調はFFヒーターが標準装備されるほか、家庭用エアコンがオプション設定されている。室内機はギャレーの上部に、室外機は後部床下に設置される。
家庭用エアコンはやはりオプションの1500Wインバーターも装備する必要があるが、できればサブバッテリーもリチウムイオンバッテリーにした方が実用的だ。
電装系は100Ahのサブバッテリーが1個標準装備されるが、電子レンジを使ったり、家電品をよく使うなら、2個は欲しいところ。
価格は647万円(税別)。通常のバーデンが540万円(同)なので、カリモクバージョンは100万円以上高価ということになる。通常のバーデン自体が高級モデルに属し高価なので、カリモクバージョンはこのクラスのバンコンとしては最も高価なバンコンのひとつだ。このインテリアに100万円の価値を見出すかどうかがポイントだが、そのコストでスーパーハイルーフのアルタモーダにしたり、エアコンやリチウムイオンバッテリー付きにしたりという考え方もあるだろう。
バーデンカリモクバージョンは最高品質のインテリアを持つ1台だが、これだけの室内ならやはりエアコンまで装備して快適でないとあまり意味がない。そうすると100万円以上高くなってしまい、これならキャブコンが買える価格帯になる。
しかし特別なインテリアに価値を見出すユーザーなら、最高級のバンコンとして価値ある1台だろう。