バーデンはトイファクトリーのバンコンキャンピングカーで、ハイエーススーパーロングをベース車にしており、同社のバンコンを代表するモデル。
同社はレイアウトにより多くのハイエーススーパーロングベースのバンコンをラインアップしているが、バーデンは、前部に対座ダイネット、後部にハイマウントダブルベッドのレイアウトを持ち、マルチユースルームは持たないレイアウト。
このレイアウトはいわばバンコンのスタンダード的なものだが、ハイエースあるいはNV350キャラバンのスーパーロングワイドボディにエクステンションウインドウを架装して初めて後部ベッドで車幅方向に1800mm確保でき、成立する。
バーデンのベッドは1800x1530mmの大きさで、これは家庭用ダブルベッドの幅(1400mm)以上の広さだ。
即ち、エクステンションウインドウによって、車幅方向に就寝できるようになり、そのため常設ベッドにしておいても、前のダイネットを侵食しないのだ。
バーデンはこの手法をいち早く取り入れたモデルで、今や多くのモデルが採用している。
更に、ダイネットを展開すると、1900x1200mmのベッドになり、ここでも2名就寝できる。
最大大人が5名就寝できるが、実際的な使用では、ふたり旅や小さな子供が1名の場合は、ダイネットを展開せず、後部ベッドのみでの就寝ができる。
即ち、ふたり旅からファミリーまで対応できるレイアウトと言える。
一方、同社のエクステンションウインドウは断熱効果を高めることにも貢献しており、ウインドウはアクリルに変更されている。
また、グランデ仕様のオプションでは、これに加え、左側のウインドウもアクリル化される。
ボディに施された他の断熱処理と合わせ、同社独自の高い断熱性能を実現している。
ダイネットは、2列目にマルチモードシートを採用、対座できる他、前向きにして、全員前向きに着座してドライブすることもできる。
ファミリーで比較的長距離ドライブする場合は、やはり前向きシートが楽だし、安全性の面からも望ましい。
ギャレーは、シンクと、上開き式の40リッター冷蔵庫が標準でビルトインされている。
シンクは標準的なもので、また調理スペースは冷蔵庫の上蓋を兼ねていることから、手の込んだ調理はあまり想定されていないように見える。
各13リッターの給排水タンクがシンク下に収納されており、これは引き出して、エントランス外からでも取り出せる。
なお、電子レンジはオプションで、設置はベッド下の収納スペースを利用する。
収納は、ハイマウントベッドの利点を活かし、ベッド下に大きな収納スペースを持つ他、ダイネット、ギャレー、ベッドの各上部にオーバーヘッド収納を装備している。
これだけあれば、家族で使用する場合も収納に困ることはないだろう。
空調はFFヒーターがオプション設定されるが、家庭用エアコンの想定はされていない。
以前、家庭用エアコン装備車が発表されたことがあったが、現在は記述がない。
これも、必要であれば相談すると良いだろう。
電装系は、100Ahのサブバッテリーが1個標準装備されるが、電気を多く使ったり、長期旅をする場合はもう1個追加すると良いだろう。
なお、220Wのソーラーシステムがオプションで用意されている。
これは同社オリジナルのスマートなベースに組み込まれ、車体と一体になった美しいデザインに仕上がっている。
バーデンは、同社だけでなく、ハイエーススーパーロングベースのキャンピングカーを代表するモデルで、洗練されたインテリアともあいまって、人気のモデルだ。
今や、ほぼ完成の域に達しているといえるだろう。
ただ、フラグシップモデルとしては、家庭用エアコンのソリューションが積極的に提案されていないのは残念なところではある。