アンソニーLEはエートゥゼットが製作する、トヨタカムロードベースのスタンダードキャブコン。
アンソニーシリーズには「アンソニー」と「アンソニーLE」がラインアップされており、「アンソニー」は対座ダイネットと後部に2段ベッドの組み合わせ、「アンソニーLE」はリアエントランスで前部に広いダイネットを持つが、常設ベッドはフロアには持たず、バンクベッドのみの構成。
どちらも5m未満の車長で、コインパーキングにも駐車でき、取り回しが良い。
なお、リアダブルタイヤを標準装備しているのは安全面から大きなアドバンテージ。また、家庭用セパレートエアコンを標準装備しており、コストパフォーマンスが高いモデルと言える
レイアウト
アンソニーLEはリアエントランスとしては定石通りのレイアウトで、フロアに常設ベッドは持たず、バンクベッドが唯一の常設ベッドになる。
二人旅、ファミリーどちらのケースでも使えるが、ファミリーで使う場合はベッド展開が必要となるので、どちらかと言うと二人旅に向いているだろう。
ファミリーで使うなら、4名分の常設ベッドを持つ「アンソニー」がお勧めだ。
インテリアは同社が展開する、「橙香」、「朱夏」、「銀花」といったテーマでコーディネートされ、好みのインテリアイメージを選択できる。
ダイネット
対座シートと、サイドソファを持ち、6名程度のファミリーでもテーブルを囲むことができる。
また、このダイネットはフラットにすると1900×1230mmのフロアベッドになるので、大人2名がゆったり就寝できる。
2名で使う場合はゆったりしすぎる感もあるが、ベッド状態にしてちゃぶ台スタイルにしてしまう手もある。
ベッド
バンクベッドを常設ベッドとしたが、ベッド状態にするのに扉を開ける必要がある。
ただ、これは簡単にでき、寝具もそのままにしておけるので、ほぼ常設ベッドとして使え、こちらがメインベッドになる。
サイズは1950x1700mmなので、大人3名分のサイズ。2名ならゆったり就寝できる。
ギャレー
リアエントランスでは、最後部にギャレーを配置しているモデルが多いが、アンソニーLEではロングソファの後部に置いている。
最後部に置く場合は、奥行きが犠牲になるケースが多いが、アンソニーLEのギャレーは奥行きが十分に取られており、大きめのシンクがビルトインされている。
ただ、折角ギャレーにスペースを割きながら、コンロはビルトインではなく、卓上式カセットガスコンロをいちいち置かなければならないのは残念なところ。
なお、85リッターで大きめの冷蔵庫がビルトインされている他、電子レンジも標準装備される。
ユーティリティールーム
比較的大きめのユーティリティールームが用意されており、オプションのカセットトイレを設置してトイレルームにできる。
内側は防水処理がされており、また外部からもアクセスできるので、濡れたものを収納する場合にも便利だ。
ただ、温水シャワーは設定されていない。
温水シャワーの需要は多くないが、設定されている他モデルもあるので、オプションの自由度の面ではマイナスポイント。
収納
ダイネット上やギャレー上にオーバーヘッド収納が設置されており、奥行きも十分で、収納力は高い。
また、冷蔵庫の下やギャレーコンソールの下にも収納スペースがある。
ただ、小さな食器等用の収納は用意されていない。
なお、最後部にギャレーを置かなかったので、最後部のラックは全体が収納スペースになっている。
空調
アンソニーLEにのみ家庭用セパレートエアコンが標準装備されており、大きなアドバンテージポイント。)
発電機と発電機専用収納スペースもオプション設定されているので、エアコンの実用性は高い。
残念ながら「アンソニー」にはレイアウトの関係上エアコンの設定はない。
電装系
105Ahのディープサイクルバッテリーが1個標準装備される。また走行充電はもちろん、外部入力、充電も標準装備。
発電機もオプション設定されているので、自立型システムが構築できる。
まとめ
アンソニーLEはリアエントランスで、二人使用にも、ファミリーにも対応できるレイアウトを持ち、どちらの場合でも実用的に対応できる。
3種類用意されたインテリアもセンスが良く、重厚感ではなくカジュアルな高品質感がある。
価格的にも、578万円(税別)と、このカテゴリーでは安価な方で、非常にコストパフォーマンスの良いモデルと言える。