アミティシリーズは、エートゥゼットが製作するマツダボンゴをベース車にしたライトキャブコン。
レイアウトにより、アミティ、アミティLX、アミティLE、そして今回紹介するアミティスペンドの4種類が用意されている。

アミティは対座ダイネットと後部に2段ベッド、LXは対座ダイネットと後部にユーティリティールーム、LEはリアエントランスで広いダイネットとユーティリティールームを持つが、アミティスペンドは前部にダイネットと後部にハイマウントダブルベッドの構成。

　ギャレーとリアハイマウントダブルベッド

リアのハイマウントダブルベッドの下に大きな収納スペースが取れるのが、このレイアウトの特徴だ。
ただし、リアにダブルベッドを採用した分、ダイネットにシワ寄せが来ており、対座ダイネットと言っても後ろ向きシートは簡易シートになってしまう。

　前部のダイネットとバンクベッド

ギャレーはシンクのみが埋め込まれたシンプルなもので、調理スペースはもちろん、コンロを置くスペースも省かれている。
即ち、調理はあまりしない前提で考えられているようだ。
ただし、電子レンジはオプションで設定されており、オーバーヘッド収納の一部を使ってスマートに設置される。
また、冷蔵庫は49リッターのものが標準装備される。

　シンプルなギャレー

後部の常設ハイマウントダブルベッドは1840×1000mmで、家庭用のセミダブル（1200mm幅）よりも狭い。
よってここで2名が就寝するのは、かなり窮屈と言わざるを得ない。
一方、バンクベッドは1800×1420mmあり、こちらは家庭用ダブルベッド以上の幅がある。

アミティスペンドは、二人での長旅がテーマとされているが、上記のベッド構成では、3名、あるいは小さな子供のいるファミリーがゆったり就寝できるというフレーズの方が当てはまるような気がする。
コンセプトを尊重して考えると、二人が別々に広いベッドで就寝できるので、長旅でも疲れが出ない、ということになるだろうか。

アミティスペンドの特徴の2つ目は、大きなクローゼットが用意されている点。
日本製のライトキャブコンで、本格的なクローゼットが用意されているモデルはあまり多くないが、スペンドではコートでも収納できるほど高さも与えられている。

収納は、これらの他にもダイネット、ギャレー、ベッドルームにオーバーヘッド収納が用意されており、十分な収納能力がある。
特にベッド下の収納スペースは広く、自転車などもうまくすれば積むことができるだろう。

空調に関してはFFヒーターはオプション設定されるが、エアコンの設定はされていないのが残念なところ。
他のレイアウトなら室外機の設置場所が難しい場合もあるかもしれないが、ベッド下に十分なスペースがあるスペンドなら、可能性があるのではないだろうか？

総じて、アミティスペンドはかなり独特のレイアウトと言える。
ふたり旅ならLXかLE、ファミリーならアミティが一般的な選択になるだろう。
スペンドを選ぶケースとしては、広い収納スペースが欲しい、ふたり旅だが就寝は別で広いベッドが欲しい、あるいはユーティリティールームはいらないといった場合に対象となるだろう。

なお、アミティシリーズでは、インテリアのイメージカラーを選択することができ、アミティスペンドでは、橙香（とうか）、朱夏（しゅか）、銀花（ぎんか）の3種が用意されている。
インテリアデザイナーによりトータルコーディネートされたインテリアを選択できるというのも、アミティシリーズの新しい提案だ。