アルコーバ トイファクトリー


トイ・ファクトリーは多くのハイエースベース、NV350キャラバンベースのバンコンを製作しているが、アルコーバはその中でもハイエンドに位置する、ハイエーススーパーロングを使用したバンコンキャンピングカー。


アルコーバの特徴は、縦置き2段ベッドを持つふたり旅用のレイアウトを持つこと。
縦置きにする理由は、上下段とも大人がゆったり寝られる長さを確保するためだ。
アルコーバに限らないが、右側後部ウインドウにエクステンションウインドウを採用するのは、車幅方向に寝かせるためのベッド長を確保するためで、こうすることでスペース効率を上げている。
しかし、横置き2段ベッドにすると、上段は確保できるが下段は長さが足りないので、大人が寝られる2段ベッドにはできない。
従って、ハイマウントダブルベッドにするのが一般的だ。

しかし、ダブルベッドは必ずしも寝やすい形態ではない。
二人で寝るわけだから、相手の寝方に影響されるし、相手が本を読むなどタイミングが違うと、もう一人は寝られないという状況になる。
キングサイズくらい大きければよいが、キャンピングカーの狭いダブルベッドでは、相手の影響も大きい。

2段ベッドならプライバシーが保たれ、就寝するタイミングが違っても気にせず就寝できるのだ。
長期のクルマ旅になると、この個室感は大きく影響してくるだろう。

しかし、縦置き2段ベッドの問題点は、車長方向のスペースを大きく取ってしまうため、ダイネットが十分大きく取れないこと。
アルコーバでは、これを解決するため、運転席、助手席のシートバックを使って後ろ向きのシートとし、対座ダイネットを成立させている。


ベッドは二人分だけで良いので、左側のスペースはギャレーとユーティリティールームに使えるというわけだ。
ふたり旅に割切ることで、理想的なレイアウトとなっている。

ギャレーは決して広いというわけではないが、跳ね上げ式のサブテーブルが用意されているので、ちょっとした調理は可能。
ただし、ガスコンロは卓上型のカセットガスコンロを、冷蔵庫の上蓋の上か蓋をしたシンクの上に置くことになるので、多少使いにくい。
冷蔵庫は40リッターが標準装備。
電子レンジはオプションだが、収納場所も用意されている。


ユーティリティールームはカセットトイレが標準装備される。
防水処理されているが、シャワーは不可。


空調はFFヒーターがオプション設定されるが、エアコンの設定が無いのが残念。
ちなみに同社のサイトには書かれていないが、バーデンなど一部モデルはエアコン搭載が可能。
アルコーバに搭載できるか、必要な場合は確認すると良いだろう。

電装系は、100Ahのサブバッテリーが1個標準装備される。
インバーターも標準で搭載されるので、家庭用電源で家電品が使えるが、電子レンジ選択時は、大容量のインバーターが必要となる。

アルコーバはふたり旅用のバンコンとしては理想に近い。
インテリアも高級感があるし、優雅なふたり旅が楽しめるだろう。

モデル アルコーバ
ビルダー トイファクトリー
ルーフ架装 -
ナンバー区分 8
乗車人数 4
就寝人数 2
ベース車 ハイエーススーパーロング
ダイネット形態 対座
ベッド形態 縦置き2段
サブバッテリー ○(105Ah x1)
バッテリー増設 OP
走行充電システム
外部100V入力/充電
インバーター OP(350W)
大容量インバーター OP(1500W)
ルーフベンチレーター OP
サンルーフ -
コンロ ○(卓上型カセットタイプ)
シンク
給水タンク ○(13L)
排水タンク ○(13L)
冷蔵庫 ○(40L)
電子レンジ OP
ユーティリティールーム
ポータブルトイレ -
カセットトイレ
FFヒーター OP
ルームエアコン -
シャワー設備 -
温水装置 -
発電機 -
ウインドウ架装 ○(右側エクステンションウインドウ)
アクリルウインドウ ○(両面アクリル化)
サイドオーニング OP
ソーラーシステム OP(220W)
全長(mm) 5,380
全幅(mm) 1,920
全高(mm) 2,410
価格 528万円~(2WD/6AT)

2016年8月現在  (○は標準装備/OPはオプション)
価格は千円台切り上げ(税別)

アルコーバの動画はこちら

2016.12.11