「このようなクルマはどこで買うのですか?」という質問もよくされます。キャンピングカーはハイエースやボンゴなどのベース車が使われていますので、クルマメーカーの販売店、あるいはその系列店で販売されていると思われるのかもしれません。
架装前のハイエース車内
キャンピングカービルダーとは?
多くのキャンピングカーは、キャンピングカービルダーが製作しています。ビルダーは、クルマメーカーや販売店から、キャンピングカー用のベース車を購入し、これに内装などを架装します。
キャンピングカー用のベース車というのは、ビルダーがクルマメーカーや販売店と特別に契約して購入するもので、多くの場合、不要な座席や荷台は取り外された、最小限の状態で納入されます。
ハイエースのキャブコンを製作する場合などは、ビルダーがボディカットしてシェル(居住部分)を架装します。
ビルダーやキャンピングカー販売店は、トヨタや日産のように、各地域にお店があるわけではなく、地方にある場合も多々あります。従って、実車を見たい場合は、現地に赴く必要があるわけです。
キャンピングカーショーは頻繁に開催されている
そこで有用なのが、キャンピングカーショーです。キャンピングカーショーは、大都市なら各地で開催されていますので、ネットなどで調べるとすぐに分かります。
キャンピングカーショーはキャンピングカー選びの絶好の場
また、各地では幾つかのビルダーや販売店が主催の小規模な展示会も行われていますので、ビルダーのホームページをチェックするのも良いでしょう。
もちろん、気になるモデルがある場合は、そのビルダーに直接問い合わせると、すぐに分かります。
ビルダーや販売店によっては、他のビルダーが製作するモデルを販売したり、複数のビルダーのモデルを扱ったりしている場合もありますので、自分の街の近くにそのようなビルダーや販売店が無いかチェックしてみるのも良いでしょう。
家を購入するのと同じ
しかし、乗用車を購入するのと大きく異なる点はここからです。
キャンピングカーは乗用車のような量産品ではありません。むしろ、大なり小なりカスタマイズがあるのが普通ですので、クルマを買うというよりは家を買うのに近いでしょう。
ビルダーによっては、このカスタマイズの範囲が異なります。即ち、より量産品に近いビルダーもあれば、一品料理的なビルダーもあります。
自分の使い方を十分シミュレートしてビルダーを決めたり、仕様打ち合わせをする必要があります。
運よくビルダーが近くにある場合はいいのですが、遠くにある場合は、契約後も何度も足を運ぶ必要があります。
なかなか大変ですが、やはり、実車の出来具合を頻繁に確認する方が間違いがありませんし、思っていたイメージと違ったということも避けられます。
もちろん家と同じで、仕様決定の後での大きな仕様変更は納期や金額にも影響します。自分の使い方のイメージをはっきりさせておくのが重要な理由がここにあります。
また、キャンピングカーは基本的に受注生産ですので、発注から納品までかなりの期間を要します。場合によっては1年程度かかることもあります。しかし、この時期が最も楽しい期間でもあります。待つ間も楽しみたいものです。
待てない場合は
待つ時間が無いとか、すぐに乗りたい、という場合は、展示車を狙うという手もあります。もちろん自分仕様ではない場合がほとんどですので、出来合いの仕様を受け入れる必要がありますが、納得できる場合はお得な買い物かもしれません。
また、中古車を探すという手もあります。キャンピングカーの中古車専門店に行けば、希望のモデルやレイアウトのクルマを探し出せるかもしれません。
ただ、人気車はすぐに売れてしまうという現実もあります。
キャンピングカーの中古車は、どちらかというと売り手市場で、ゆっくりと検討していると、すぐに買い手が決まってしまうこともあります。
また、高年式車はクルマ部だけでなく架装部も劣化している場合がありますので、機能はすべてチェックしましょう。
ビルダーとは良い付き合いを
もう一つ、重要な点があります。
それはメンテナンスを含めた、ビルダーとの付き合いです。乗用車のように、どの販売店でもメンテナンスしてもらえるわけではありません。また、日頃のこまごまとした質問や、旅行先でのトラブルに対処してもらうことも考えられます。
良いビルダーは良い工務店と同じです。今後長い付き合いになるビルダーや販売店とは、良い付き合いをしたいものです。
なお、キャンピングカーのクルマ部は、クルマメーカーがメンテナンスをしてくれます。近くのトヨタなどの販売店に、車両が納入された後来店して登録しておくとよいでしょう。