オフタイムトラベラーはスマイルファクトリーが製作する、スズキ エブリイをベース車にする軽バンコンキャンピングカー。同社は軽バンコンの専門ビルダーで、4モデルをラインアップし、「オフタイム」は同社の全モデルに共通するブランドになっている。

以前に「オフタイム・和（なごみ）」を紹介したが、オフタイムトラベラー2、と3は装備をシンプルにしたモデル。オフタイム・和がギャレーを持つのに対し、オフタイムトラベラーはベッドのみを装備する車中泊車だ。

コンセプト：オフタイムトラベラー2は2名が就寝できる二人旅仕様車。オフタイムトラベラー3は後部にベッドボードを装着して子供用ベッドにできるファミリーに対応した車中泊車となっている。

　オフタイムトラベラー3の室内

エクステリア：ボディ外装への架装は無く、外見は通常のエブリイと変わらない。通勤や買い物など日常使用でも違和感なく使用できる。

インテリア：動画の展示車は落ち着いた感じの配色になっているが、ベッドマット地のカラーの選択ができるかは不明。なお、カーテンはオプションで選択できる。

レイアウト：軽バンコンで採用される一般的な構成で、2列目シートを畳んだ上部にベッドマットを敷いてフラットなベッドスペースにしている。もちろん、2列目シートを立てると、4名が乗車できる。

　オフタイムトラベラー2の室内

ダイネット：ベッドマット上で、いわゆるちゃぶ台スタイルで寛ぐことができる。また、最後部のベッドボードをリクライニングすることができ、足を投げ出して寛げる。

オフタイムトラベラー2にはテーブルが付属しており、車内だけでなく車外でも使うことができる。オフタイムトラベラー3では上段ベッドボードを机にすることができる。

ベッド：ベッドサイズはオフタイムトラベラー2が2000x1200mm、オフタイムトラベラー3が1800x1200mmで、どちらも家庭用セミダブルベッドの幅に相当する。
オフタイムトラベラー3の上段ベッドは1200x900mmで子供用。

　オフタイムトラベラー2のリクライニングシート

ベッドモードでユニークな発想なのがオフタイムトラベラー3で、下段のベッドマットの左右片側を上段ベッドにすることで、上下に1名ずつ就寝することができる。幅は半分になるが、簡易2段ベッドとして使える。また、下段の両方のベッドボードを上段にすると、下段は就寝時の荷物置き場として使える。この場合もベッドサイズは1800x1200mmを確保できる。

ギャレー：オフタイムトラベラー2と3はギャレーを持たない。ギャレーが必要な場合はオフタイム・和が用意されている。

冷蔵庫/電子レンジ：冷蔵庫も電子レンジも設置することは想定されていない。ポータブル冷蔵庫は持ち込みできるが、電源はシガーソケットしかないので、エンジンが始動している時のみ冷やすことができる。

　オフタイムトラベラー2のオーバーヘッド収納

収納：オフタイムトラベラー2には扉付きのオーバーヘッド収納が後部両側に用意されている。奥行きがあり、実用的な収納力がある。一方オフタイムトラベラー3は棚しかなく、走行中に落ちてこないようにする収納が無い。上段ベッドがあるので、大きな収納は付けられないのかもしれないが、やはり扉付きの方が使いやすい。

　オフタイムトラベラー2の棚

後部ベッド下にも小物収納がある。大きめのバッグなど、比較的大きな荷物の収納スペースは無いので、走行中は後部に、就寝時は助手席や運転席に移動させる必要がある。

空調：FFヒーターがオプションで用意されているが、冷房のソリューションは用意されていない。また、ベンチレーターもオプションに無い。車内でコンロを使うことは想定されていないので、ポータブルコンロで湯を沸かしったりする場合は、窓を開ける必要がある。

　シートの下は収納スペース

電装系：70Ahのディープサイクルバッテリーが1個標準装備される。また、走行充電はもちろん、外部100V入力と、これによるサブバッテリーの充電も標準装備。更に1500Wのインバーターも標準装備される。

これにより車内で100Vの家電品を使うことができる。また12Vのコンセントも用意されている。1500Wまでの家電品が使えるが、バッテリーのことを考えると、ドライヤーなどあまり大電力の家電品は使わない方が良いだろう。

価格：オフタイムトラベラー2は229万円～（税別）、またオフタイムトラベラー3は238万円～（同）。ナビやテレビを除いて、装備しておきたい高額装備はFFヒーターくらいだろう。
このクラスの軽バンコンは200万円前後なので、オフタイムトラベラーはどちらかというと高価な部類に入る。

他車：エブリイベースでギャレーを持たない軽バンコンは20モデル以上あるが、オフタイムトラベラー3のように、上段ベッドがセットできるモデルはあまりない。
他モデルではユーズネットの「ちょいCam葵」はその一つで、上段は子供用となっている。
またカスタムセレクトのエブリイベースの「ロードセレクトコンパクト」と、ホンダN-VANをベースにした「ロードセレクトコンパクトN」はオプションだが大人4名が就寝できる。ただしこれらはギャレーがあるため、ベッドの広さは多少狭くなる。

まとめ：上記のように、同じようなレイアウトを持つ軽キャンピングカーは意外に少ない。特にオフタイムトラベラー3は小さな子供がいるファミリーには比較的安価に手に入る軽キャンピングカーと言える。
長期旅は厳しいが、週末の1～2泊の車中泊には便利に使えそうだ。

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