ヨコハマモーターセールス 「レガード」
「レガード」の特徴は、徹底した低重心による走行性能の高さ。
カムロードベースだが、専用モノコックフロアを開発し、重量のある積載物をできるだけ低い位置に積載することにより、低重心化を計っている。
更に、ホイールベースを延長することにより直進性と安定性を確保している。
ダブルタイヤではないが、低重心化や軽量化の方向から安全性を高めているのだ。
確かに、ダブルタイヤであればすべて安全と言うわけではなく、「レガード」のように軽量化と走行安定性の面をブラシアップすることにより、ダブルタイヤでなくても十分な安全性を確保するという考え方にもうなずける。
外観も丸みを帯びたというよりは流麗なフォルムを強調しており、見た目にも空気抵抗の少なそうなデザインを持つ。
ホイールベースを延長していることもあり、全長は今回取り上げたモデル中でも最も長い5,350mm。
その分車内は広く、前部に広い対座ダイネットと後部に2段ベッド、中央にシャワールームとギャレーを配置する。
インテリアは特に重厚感や高級感を追い求めたものではなく、標準的でナチュラルなものに仕上がってる。
モノコックフロアのため、ある程度レイアウトは固定されるので、レイアウトの自由度は低いかもしれないが、インテリアの面では自由度があるだろう。
まとめ
激戦区だけあって「さくら」と競合するモデルもレベルが高い。
まずベース車は、「さくら」と「アラモ」がビーカムを採用している。
また、「ジル520クルーズ」はビーカムではないが、ビーカムの元になっているエルフを採用。
これら3モデルは後輪ダブルタイヤを装着する。
ダブルタイヤは安全面での信頼性が高いと言われるが、メンテナンス性などの面ではシングルタイヤが優る。
ならば「レガード」のように徹底した低重心で安定性を確保するという方法もある。
なお、「クレア」が採用しているカムロードでもダブルタイヤ仕様が表記されているので、選択することができるようだ。
やはり最も競合すると思われる、ビーカムベースの「アラモ」との比較では、ボディサイズやレイアウトの充実度で「アラモ」、そして「アルビオン」を含めて選択肢が多い。
下の比較表では「アラモSLW」を選択しているが、「アラモSL」なら「さくら」と近いボディサイズで、価格は679万円(税込)と「さくら」よりも安価である。
ただ、「アラモ」には温水シャワーの設定は無く、この装備が必要な場合は「さくら」が有利。
また、二重構造のシェルなど新規機能ではさくらの魅力は大きい。
どちらもレベルの高いところで競合しており、必要な装備や機能、レイアウトで選べばよいだろう。
装備面で比較すると、全てのモデルに比較して「ジル520クルーズ」が突出している。
ルームエアコン、FFヒーター、カセットトイレ、温水シャワー、サブバッテリー数、大容量インバーター、サイドオーニングなど大物装備がほぼ標準装備されており、フル装備を望むユーザーにはお買い得である。
インテリアも他を寄せ付けないセンスと豪華さで、唯一輸入車モーターホームにも対抗できる出来栄えである。
ただし価格も飛び抜けており、フル装備を望まないユーザーやコスト重視の場合は対象外かもしれない。
ある意味標準的な「クレア5.3X」はオプションが目立つが、ユーザーの希望に沿った機能選択ができる。
インテリアも万人向きで、どの年齢層にも対応している。
さくらと比較の面からレイアウトの近い「クレア5.3X」を選択したが、その他にもレイアウトラインアップが充実しているのがクレアシリーズの強みである。
レガードは低重心と走りをウリにしており、この中では異色の存在と言えるが、流れるようなスタイリングが特徴。
インテリアは特別高級感があるわけではないが、標準的なインテリアで価格もリーズナブルである。
ただ、寒冷地仕様にはサブバッテリーの増設が不可とか、ルームエアコンと発電機の共存は不可とか、影響の大きい制限が目立つのが気になる。
全長はこの中では最長で、その分共住スペースも広い。