まとめ
さて、300万円前半以下のハイエース/キャラバン標準ボディ標準ルーフモデルを4モデル見てきたが、それらの特徴をまとめてみよう。
モデル | バンレボリューションVR470 | FOCSエスパシオ エス | カーゴプラス | トイズボッ クス470 |
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ビルダー | バンテック新潟 | フジカーズジャパン | オーエムシー | トイファクトリー |
カテゴリー | バンコン | バンコン | バンコン | バンコン |
ナンバー区分 | 4 | 4 | 4 | 1 or 8 |
乗車人数 | 5 | 5 | 6 | 6 |
就寝人数 | 5 | 2(+2OP) | 5 | 2(+2) |
ベース車 | ハイエースDX (ハイルーフ有) NV350キャラバンDX |
ハイエースS-GL | ハイエースDX NV350キャラバンDX |
ハイエースDX (ハイルーフ有) |
前向き着座 | ○(6名) | ○(5名) | ○(6名) | ○(6名) |
ダイネット形態 | 対座 (マルチモードシート) |
対座(簡易) | 対座 (マルチモードシート) |
対座 (マルチモードシート) |
ベッド |
上段ベッド フロアベッド |
上段ベッド フロアベッド(OP) |
上段ベッド フロアベッド |
上段ベッド フロアベッド |
サブバッテリー | OP(105Ah x1) | ○(105Ah x1) | ○(105Ah x1) | OP |
バッテリー増設 | OP | - | - | - |
走行充電システム | OP | ○ | ○ | OP |
外部100V入力/充電 | OP | ○ | ○/OP | OP |
インバーター | OP | ○(400W) | OP | OP |
大容量インバーター | OP | OP(700W) | O | OP |
ルーフベンチレーター | OP | OP | OP | OP |
コンロ | - | OP(カセットコンロ) | - | - |
シンク | - | OP | - | ○ |
給水タンク | ○ | OP | ○(19L) | ○(13L) |
排水タンク | ○ | - | - | ○(13L) |
冷蔵庫 | - | OP(32L) | - | - |
電子レンジ | - | - | - | - |
FFヒーター | OP | OP | OP | OP |
シャワー設備 | ○ | OP(車外) | ○ | ○ |
アクリルウインドウ | - | - | - | - |
サイドオーニング | OP | OP | OP | OP |
カーテン | OP | ○ | ○ | OP |
ソーラーシステム | OP(100W) | OP(155W) | OP | OP |
全長(mm) | 4,695 | 4,690 | 4,695 | 4,690 |
全幅(mm) | 1,695 | 1,690 | 1,695 | 1,690 |
全高(mm) | 1,980 | 1,980 | 1,980 | 1,980 |
価格 | 295万円~(2WD/6AT) | 319万円(4WD/6AT) | 333万円~(2WD/6AT) | 284万円~ (2WD/6AT) |
まず、ベース車から見ると、VR470とカーゴプラスはNV350キャラバンも選択できる。
ハイエースでみれば、FOCSエスパシオesのみS-GLで他はDXとなっているので、ここはFOCSエスパシオesにアドバンテージがある。
他もS-GLにすると、20万円程度は高くなる。
また、VR470とトイズボックス470はハイルーフ車の選択もできる。
VR470 で15万円、トイズボックス470で7万円程度の差額なので、高さが問題ないユーザーにとっては、この選択ができるのは有利だ。
車内に目を移すと、FASPやREVOといったマルチモードシートを使用しているのがVR470、カーゴプラス、トイズボックス470で、FOCSエスパシオesのみ全く別の考え方をしている。
専用シートを持たないFOCSエスパシオesは、座り心地では及ばないかもしれないが、大きなテーブルは魅力だ。
FASPやREVOシートを持たない分、コスト的にも有利になっていると思われる。
FOCSエスパシオesの室内
ベッドに関していえば、VR470とカーゴプラスは就寝人数が5名となっており、ファミリーにも対応した設計になっている。
これに対し、FOCSエスパシオesとトイズボックス470は就寝人数が仕様上は2名となっており、積極的にファミリーに対応しているようには見えない。
しかし、FOCSはオプションでベッドボードを追加することにより、トイズボックス470は2列目シートを展開することにより、4名が就寝できる。
この2モデルでは、2列目シートもベッドの一部に使用できるトイズボックスの方が自由度が高い。
どのモデルも就寝時は後部両側の家具が邪魔になり、下段ベッドの方が幅が狭くなっている。
家具の奥行きを狭くするとベッド幅が広がるが、家具の収納力は落ちる。
FOCSが家具の奥行きを段々にして、下段ベッドの幅をできるだけ広く取るようにしているのは、努力の結果だろう。
ギャレーに関しては、必要性を感じるユーザーは少ないかもしれないが、あると便利だ。
トイズボックス470には、コンパクトながらシンク、給排水タンク、コンロ、フォーセットが標準装備されており、必要なユーザーにとっては嬉しい装備だ。
ただ、どのモデルにも冷蔵庫と電子レンジのオプション設定や設置場所の用意が無いのは残念なところ。
最近では軽キャンパーにも電子レンジのソリューションが用意されているので、ハイエースレベルならやはり提案が欲しいところだ。
電装系に関しては、VR470とトイズボックス470はサブバッテリーまでもがオプションになっている。
価格的には安価に見えるが、これらを装備すると、他とあまり変わらなくなる。
その点、サブバッテリー、走行充電、外部100V入力/充電、インバーターまで標準装備されているFOCSエスパシオesは評価されるべきだろう。
高級感で言えば、トイズボックス470とFOCSエスパシオesがリードしている。
トイズボックスはトイファクトリーのモデル全てに通じるインテリアセンスが採用されているし、FOCSエスパシオesもフジカーズジャパンの最新インテリアデザインを踏襲したものだ。
総合的に見ても、やはりこの2モデルが一歩リードしているだろう。
電装系がオプションとはいえ、284万円のトイズボックス470は、インテリアの高級感やギャレーも搭載しながら安価だ。
トイズボックス470(ハイルーフ)の室内
また、FOCSエスパシオesは高級感の中にも大きなテーブルなどカジュアル感があり、使い勝手が自分に合っていれば、お買い得感がある。
VR470は、オプションでバタフライシートが選べ、トランポ的に使うなど荷室を最大限に使用したいなら、最適のモデルだ。
カーゴプラスは、今回の中では最もオーソドックスなモデルだが、オーエムシーは柔軟なオーダーができるビルダーなので、自分好みの仕様にカスタマイズできるのが強み。
レイアウトを自分が使いやすいように変更することも可能だ。
以上、ノアやステップワゴンの予算で購入できるキャンピングカーを紹介した。
燃費や動力性能、あるいはダッシュボードの高級感などを考えると、ハイエースは分が悪いが、車中泊と言う全く新しい楽しみ方ができるキャンピングカーは、ミニバンではできない楽しみを与えてくれるのではないだろうか。