UNERI（ウネリ）は、カトーモーターが製作する、タウンエースバンをベース車にしたバン・コンバージョンキャンピングカー。

同社はハイエースを中心にしたバンコンのラインアップを展開する、バンコン専門ビルダー。（一部バスコンやキャブコンもラインアップしている。）豪雪地域でもある新潟県燕市に本拠地があるため、「雪国断熱」と銘打った断熱技術は同社の特徴。

また、同社のキャンピングカーに架装される家具は美しく、木の温かみを生かした本格的な作りであることでも知られている。

タウンエースベースのモデルでは、メリルがすでに同社の最もコンパクトなモデルとして存在するが、ウネリはタウンエースベースのバンコンの第2弾となる。


（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）


概要

タウンエースをベース車にしたバンコンキャンピングカー。海をイメージしたということで、ボディカラー（OP）やインテリアをブルーでコーディネートしている。レイアウトはメリルとほぼ同じで、メリルのカラーバリエーション的な存在ともいえる。

2列目に2名掛けのFASPシートを配置し、4名が前向き乗車可能。就寝定員は2名となっている。ギャレーキャビネットを持ち、シンクとフォーセットも標準装備。

シンプルな構成で、日常用途に使用しながら休日は気軽にキャンプや車中泊が楽しめる。趣味の場所としてあるいはテレワークのスペースとしても使用できる。


アピールポイント

・コンパクトなボディで取り回しが楽
・4名が前向き乗車でき、日常用途にも対応
・海をイメージしたお洒落なインテリア
・シンクとフォーセットを標準装備
・ポータブル冷蔵庫を標準装備


ベース車とエクステリア

　ウネリのエクステリア

ベース車はトヨタタウンエース バンGL。ミッションはATが標準だがMTも選択できる。また、2WDと4WDも選択可能。同社の「雪国断熱」も標準で採用されている。

コンパクトなボディで4名が前向き乗車できるので、日常用途にも活用できる。ボディ外側への架装は無く、日常用途で目立つことは無い。写真のツートーン塗装はオプション（462,000円）。


インテリア

　ブルーでコーディネートされたインテリア

コンセプトに沿ってシート色やテーブル、ギャレートップ、カーテンはブルーでコーディネートされている。インテリアのカラーの変更が可能かは不明だが、このモデルのコンセプトから考えると、他のカラーはあまり意味がないかもしれない。

照明はシンプルなLEDライトが2つ天井に設置されている。インテリアが美しいモデルとしては少しさみしい感じがするが、お洒落な読書灯が用意されている。この点はメリルと同じだ。


レイアウト

2列目に2人掛けのFASPシートを配置。前向きにすると、運転席、助手席と合わせて4名が前向き乗車できる。また後ろ向きにすると、4名が対座できる。

左サイドにキャビネットを設置し、シンクとフォーセットも標準装備。メリルにはシンクが無かったのでここが異なる点。（メリルにも搭載は可能と思われる）

シートをフラットにすると2名が就寝できる。


ダイネット

　4名が対座できるダイネット

2列目シートを後ろ向きにすると、4名が対座できるダイネットになる。後部のシートはベッドボードを利用した簡易的なものだが、背もたれもありシートとして機能する。

テーブルは大きくはないが2名が食事をしたりコーヒーを飲んだりと言うシチュエーションには対応できる大きさだ。後部をベッドモードにしてフラットにすると、2列目のリクライニングシートに座り足を投げ出してリラックスできる。


ベッド

　２名が就寝できるベッド

シートを全てフラットにすると、1900x1000mmのベッドになる。キャンピングカー要件では２名が就寝できることになるが、1000mmの幅は、家庭用のシングルベッドの幅（970mm）より3cm広いだけなので、２名で就寝するのはかなり窮屈だ。

２名で就寝したり小さな子供連れのファミリーなら、メリルのエレベーションルーフ仕様をお勧めする。もちろんハイエースクラスなら理想的だ。


ギャレー

　最後部のシンクとフォーセット

左側のキャビネットの最後部にはシンクとフォーセットが設置されており、８ナンバー登録が可能だ。メリルではシンクとフォーセットが無いが、おそらく同じレイアウトにして８ナンバーも可能だろう。

　シンクの下の給排水タンク

シンクの下各10Lの給排水タンクが収納されている。リアゲートを開けると車外から直接出し入れできるので大変便利だ。


冷蔵庫/電子レンジ

　11Lのポータブル冷蔵庫が標準装備される

冷蔵庫は11Lのポータブル冷蔵庫を標準装備。左側のキャビネットに収納されており、折り畳み式の天板を開けてアクセスできる。

電子レンジはオプション設定されていないが、このモデルが使用されるシチュエーションを考えると、電子レンジの必要性は少ないだろう。なお、メリルにはオプションで用意されている。


収納

　左側キャビネットの収納

収納は左右のキャビネットの収納スペースが設けられているが、扉が無いので収納するものは走行中に飛び出さないものに限られる。残念ながら、食器などを収納しておく適当な収納は無い。

　ベッド下の収納

ベッドモードにする場合はベッド下が大きな収納スペースになる。就寝時にバッグなどの大きな荷物をしまっておくと、車内が煩雑にならない。


空調

暖房にはFFヒーターがオプションで用意されているが、冷房のソリューションは無い。このモデルのユーザーはシンプルな装備を望んでいると思われるが、今後クーラーの需要は増えるだろう。

もちろんクルマのエアコンを使うという手はあるが、モラル的に避けるべき。このようなコンパクトなモデルにもクーラーのオプションが必要だ。なおベンチレーターのオプションも用意されていない。


テレビ/ナビ

テレビのオプションは用意されていない。またナビはパイオニアやパナソニック製のナビがオプションリストに載っている。


電装系

標準では100Ahのディープサイクルバッテリーが1個と走行充電、外部100V電源入力と充電機能が搭載される。300W正弦波インバーターがオプションで用意されている。ソーラーシステムはオプションリストにないが設置は可能だろう。


価格（2023年11月現在：千円台切り上げ：税込）

タウンエースGL2WD/4ATで402万円～、4WD/4ATで422万円～。付けておきたい必需装備は、FFヒーター（231,000円）、300W正弦波インバーター（71,500円）が挙げられる。


他モデル

タウンエースをベース車にしたバンコンは多数存在するが、最も近い存在はフレンドリーのペコラ（価格不明）と、AtoZのアンナ model L（394万円～）およびアンナmodel E（284万円～）だろう。どれも2列目にマルチモードシートを持ち、ペコラとアンナ model Lはサイドキャビネットに冷蔵庫を設置できる。

一方アンナ model Eはシンプル装備に徹したモデルで、冷蔵庫やシンクは装備していない。そのため後部のキャビネットは薄く、ベッドの幅を最大に取れるのが特徴。家庭用のセミダブルベッドの幅がある。


まとめ

ウネリは恐らく日常用途に使いながら、休日のレジャー、あるいは車中泊を伴うドライブと言った使い方に適している。そう考えると、ギャレーの必要性はあまりないだろう。ただし、8ナンバー取得の手段として必要なら、ベッドの下に隠れるようなギャレーでも良かったかもしれない。

このような使い方なら、むしろアンナ model Eの方が割り切っており、更にベッド幅も広く取れる。一方ウネリのベッド幅は実質的に1名用と考えた方が良い。即ち、使用目的から考えると、ちょっと中途半端な感じがする。

メリルも同様のレイアウトだが、メリルではエレベーションルーフ仕様が選べるので、2名でも実用的な就寝が可能だ。ウネリにもエレベーションルーフが架装できるか不明だが、できない相談ではないように思える。


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