3-12. 輸入モーターホーム


キャンピングカーの種類として「輸入キャンピングカー」という分類はあまり適切ではありません。輸入キャンピングカーのなかにもバンコンやキャブコンがあるからです。
でも、輸入車でもバンコンやキャブコンの基本は同じですので、ここでは、むしろ国産キャンピングカーに対する輸入キャンピングカーという観点でくくっています。

 欧州輸入キャブコン RollerTeam社のZefiro235TL

現在日本に輸入されている形態はキャブコンとトラベルトレーラーが多く、続いてフルコンが多いと言えます。

バンコンは今まであまり輸入されていなかったのですが、ここに来てモデル数を増やしつつあります。また、キャブコンに関しても、従来は1千万円を超えるモデルがほとんどでしたが、700~800万円クラスのモデルも投入されつつあります。

輸入元は欧州と米国がほとんどです。特に欧州車は、日本でも取り回しが比較的楽な大きさのモデルが多くあります。インテリアは欧州らしい洗練された高級感を持っており、これが人気のポイントと言ってよいでしょう。
特徴的なのは、キャブコンもバンコンも、多くのモデルでフィアット デュカトというバンをベース車にしていること。
また、レイアウトもビルダーにかかわらず、大体決まっているのも面白い傾向です。

一方アメリカ車は、どちらかというとアメリカンな雰囲気を求められている傾向があり、比較的大型のものや、スライドアウトが装備されているものが目立ちます。
またインテリアは、いかにもアメリカ的な木材をベースにした重厚な雰囲気を持つものが多いようです。

 米国フルコンモーターホーム Vegas(Thor社)

輸入キャンピングカーで重要なのは、日本の道路事情、キャンピング事情への対応です。通常は輸入代理店やビルダーの日本支社が輸入し、日本の道路を走れるようにします。法律的には当然対応されていますが、それ以外のところでも知っておくことがあります。

ひとつはエントランスが多くの場合右側であるということです。右側通行の国では、エントランスは右ですが、左側通行の日本ではエントランスが右では車道側に出ることになります。小さい子供がいる場合など、常に注意する必要があります。
なお、右ハンドルや左側エントランスのモデルを輸入している場合もあります。

もう一つは、電気やガスです。滞在型が中心で、キャンプ場には外部電源が用意されているのが普通の国では、サブバッテリーの容量は大きくありません。また、ソーラーシステムが装備されているものもほとんどありません。これらは国内の販売会社がオプションで用意している場合がありますので、確認すると良いでしょう。
また、ガスはプロパンガスボンベを利用している場合がほとんどですが、国内では地方でプロパンガスの充填を拒否される場合が多々あります。できればカセットガスへの変更が望ましいですが、これも販売店で確認すると良いでしょう。



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