3-11. トラベルトレーラー


クルマの後ろに居住部を連結して牽引するタイプです。
日本では、動力車自体がキャンピングカーになっている、いわゆる「自走式」の比率が大変高いのですが、欧州では普通のセダンやコンパクトカーがトラベルトレーラー(キャラバンと言われています)を牽引している姿をよく目にします。
しかも、多くの場合、動力車よりも大きいサイズのものが牽引されています。

 Hobby社のトラベルトレーラー

欧州では、目的地で長く滞在する滞在型の使い方が多く、目的地に到着すると、トレーラーを家のように使用します。
従って、中は広く、トイレやシャワーも完備されているのが普通です。

一方、日本では、道路事情もあり、あまり大きなトレーラーでは、機動性が損なわれます。
比較的小型のトレーラーでも、動力車と連結すると、大型車枠に駐車しなければなりません。
有料駐車場だと、大型車料金を取られることになります。
残念ながら、日本ではトレーラーは自走式と比較すると扱い易い選択肢ではありません。

しかし、メリットもあります。
それは、価格が格段に安価なことです。
エンジンが付いていないので、これは当然なのですが、300万円台で豪華な部屋が手に入るのですから、魅力的です。
小型のものなら200万円以下で十分手に入ります。
キャンプ場を中心に滞在したり、北海道のように駐車場に苦労しないところでのんびり過ごすのが目的なら、トレーラーは良い選択です。

写真下左は米国カシータ社の16フィートTGV2、右はドイツのホビー社のデラックスシリーズです。

 Casita(カシータ)のRodeo16ft

トレーラーのもう一つのメリットは、動力車は今乗っているクルマが使えることです。
SUVなら理想的ですが、ミニバンや普通の乗用車でも問題ありませんし、コンパクトカーでも中型以下のトレーラーなら引くことができます。
牽引装置の装着は必要になりますが、今乗っているクルマでも牽引することができます。

そして、トレーラーのオーナーがよく言われるのは、トレーラーを引いて運転すること自体が楽しい、と言うことです。
経験が無い人から見るととても大変そうですが、慣れるとそれほど難しいことでは無いようです。
確かにバックはコツが要りますが、イザとなれば小型のものなら手押しでも動きます。
最近では、リモコンでトレーラーを動かす装置もあり、なんとかなるものです。

もちろんデメリットもあります。
先に書いた出先での駐車場の件もそうですが、自宅で駐車する場合は、もう一台分の駐車スペースが必要です。
もっとも、自走式のキャンピングカーでも、大型のものやキャンピングカー然としたものなら
日常使うのを控えるかもしれませんので、同じことかもしれません。

トレーラーの販売店では、購入者のトレーラーを預かってくれるところもあるようですので、相談されても良いと思います。

トラベルトレーラーの主流は、主に海外メーカーの輸入品ですが、最近では小型トレーラーを中心に国産のものも出てきました。
日本らしく、軽自動車で牽引することを想定したものもあります。

 牽引免許不要の国産トレーラー レジストロ・クコ MYSミスティック


なお、日本では、牽引するためには牽引免許なるものが必要です。
これは、免許試験場で実地テストにより取得します。
トラベルトレーラーのビルダーや販売店が、練習などサポートしてくれますので、相談すると良いでしょう。
なお、750Kg以下のトラベルトレーラーの場合は、牽引免許は不要です。

何となくハードルが高そうなトラベルトレーラーですが、ご自分の使用スタイルが合致するなら、思い切ってトレーラーの検討もしてみてはいかがでしょうか?

 



 



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