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TOM200はセキソーボディが製作する、ハイエース標準ボディをベース車にしたライトキャブコン。コンパクトかつパワフルなベース車で、ライトキャブコンとしては理想的な構成だ。
しかし、他社も含めて意外にモデル数は少なく、このTOM200以外にはカトーモーターのボーノクイーン、ファンルーチェのウラルユーロとエイジア、タコスのベリーしかない。
一方、ライトキャブコンの主流はボンゴトラックベースのモデルで、こちらは数多く存在する。その主な理由は価格で、ハイエースはボンゴに比べ、ベース車自体がワンランク上の車格なのと、ハイエースをボディカットする手間がかかることにある。
しかし商用車と言えども趣味性の高いハイエースは、ボンゴでは得られない動力性能と高級感を得ることができる。
その意味では、ライトキャブコンの上級モデルに位置づけることができる。
レイアウトは前部に対座ダイエット、中央にギャレーとユーティリティルーム、後部に二段ベッドの構成。
前部のダイネットは4名が着座でき、 テーブルは大きくゆったり食事することができる。
このダイネットは展開して大人2人が就寝できるベッドとしても使用可能。
また2列目のシートは前向きにもすることができ、 6名が前向き乗車でドライブすることができる。
後部の二段ベッドはユーティリティルームがあるため足元が狭くなる変則的な幅だが、 各段は大人が就寝できる十分な広さがある。 また各段に窓があり
、外の様子を見ることも可能だ。ただ読書灯が無いのは残念。上段にのみ足元に収納キャビネットが用意されている。
キャブの上にあるバンクベッドは引き出してベッドセットする。ここでも大人2名が就寝でき、従ってトータルで6名就寝できることになる。TOM200は、前にせり出した形のバンクが無く、いわゆるバンクレスのスマートな外観を保ちながら、バンクベッドも装備している。
そのためベッドを引き出すとダイネットの上までベッドが来るが、高さ的にはバンクベッドを引き出した状態でもダイネットは使用可能。
ギャレーは丸型シンクと65 L の冷蔵庫がビルトインされている。シンクは比較的深く、皿や小さめの鍋なら洗うことができる。コンロはビルトインされておらず、卓上型カセットコンロを使用する時に設置する。
ギャレーコンソールの上部はコンロを置いても多少余裕があるので、ちょっとした調理は可能だ。
電子レンジのオプションは明記されていないが、スペース的には設置できると思われるので必要な場合は確認いただきたい。
ギャレーの向かい側にはユーティリティルームが設置されている。このユーティリティルームは使用するときは前に引き出すと広くなるというユニークな構造。トイレルームとして使用する場合は引き出して使う。
収納はオーバーヘッド収納がダイネットやギャレーの上に用意されている。いずれも容量が大きく底面も広くとってあるので収納能力は高い。
またエントランス横にはシューズボックスも用意されている。
ベッドの下は大きな収納スペースになっており車外から主にアクセスすることができるが、開口部が中央だけで狭いため、左右の奥にしまった荷物を取り出すのに苦労しそうだ。
なお、車内からも人が入っていける大きさの入り口があり、衣類の入った大きなバッグなどもこの収納スペースに収納しておくことができる。 雨が降ればそのありがたみが分かる。ただし、収納スペースと室内との境が無いため、走行中に荷物が室内に出てくる可能性はある。
TOM200はエアコンやリチウムバッテリーといった最新の機能は用意されていないが、 二段ベッドとバンクベッドで4人分の常設ベッドを持ち、ファミリー向けのキャブコンとして最適だ。
またハイエースをベース車に採用していることから走りの面でも期待できる。
価格的にはハイエース標準ボディをベース車に採用しているキャブコンとしては安価な方になる。ただし、外部100V電源入力やインバーター、カーテン、FFヒーターといった必需品が標準装備されていないのは注意するポイントだ。
ボンゴベースのライトキャブコンと比べると100万程度高くなる。この差はもちろんベース車の差だが、1グレード上の高級感と走りを求めるなら、トム200はひとつの選択肢だろう。