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セレンゲティはファンルーチェが製作する、ハイエースワイドロングワゴンをベース車に、FRPシェルを架装したキャブ・コンバージョンキャンピングカー。
セレンゲティには全長が5mを切る（4,990mm）スタンダードバージョンと、全長5,245mmのセレンゲティ525が存在する。5mを境にフェリーの料金が異なったり、一般の駐車スペース（5mx2m）への駐車の可否が分かれるので、取り回しを取るか、室内の広さを取るかの選択となる。
都市部での駐車が多い場合やコインパーキングに駐車することが多い場合は、スタンダードバージョンの方が扱いやすいかもしれない。

同社のハイエースワイドロングワゴンをベース車にしたモデルは、セレンゲティの他、リアエントランスのパタゴニアもラインアップされている。
パタゴニアはフロアに常設ベッドを持たないため、どちらかと言えば二人旅に向いているのに対し、セレンゲティはファミリー用途にも向いている。

レイアウトは中央エントランスで、フロントに対座ダイネット、リアに2段ベッド、中央にギャレーとユーティリティールームを持つ。

ダイネットは対座で4名が着座できるほか、もう1名分の単座シートが用意されている。なお、2列目の後ろ向きシートは固定シートで、マルチモードシートのように前向きにはならない。

ベッドは、後部の横置き2段ベッド、バンクベッド、そしてダイネットを展開するフロアベッドがある。
セレンゲティ525では5mを超える車長を持つため、2段ベッドの幅も広く、スタンダードのセレンゲティが630mmに対して900mmとなっている。
また、1900x1900mmのバンクベッドは引き出すだけでセットでき、押し込んだ状態でも寝具を置いておけるので、準常設ベッドとして使用できる。
即ち、ファミリーでもダイネットをそのままにして4名が就寝できるのだ。
更に、ダイネットを展開するとフロアベッドになるので、人数が増えても対応できる。

ギャレーは単座シートとベッドの間に配置されているのでエントランスから遠く、水タンクの出し入れは多少面倒だ。
給水タンクは20リッターが2本用意されているが、満タンにすると重くてセットに苦労するかもしれない。
また、シンクはビルトインされているが、コンロは卓上式カセットコンロをセットする必要がある。
調理する機会が多いなら、コンロ一体型のシンクにするなど、相談するとよいだろう。
なお、冷蔵庫は65リッター横開きのものが標準装備される。
電子レンジはオプション設定されていない。これも必要であれば、設置場所も含めて相談するとよいだろう。

ユーティリティールームは、ポータブルトイレを置いてトイレルームにすることができる。カセットトイレも設置できだろう。温水シャワーなどの設定は無いようだが、必要に応じて相談するとよいだろう。

収納は、ダイネット上部とギャレー上部にオーバーヘッド収納が用意される。奥行きが十分あるので収納力は高い。
ギャレーコンソールには水タンクの収納以外収納スペースがないので、食器はオーバーヘッド収納に入れておくことになる。
ベッド下は大きな外部収納スペースになっており、後部のハッチからアクセスできるが、室内からもアクセス可能。

空調は、FFヒーターが標準装備されているが、冷房系のソリューションは不明。このクラスのキャブコンでは、ぜひ欲しい装備だ。もちろん、電装系も強化する必要があり、リチウムイオンバッテリーを含めて考える必要がある。

電装系は、100Ahのサブバッテリーが2個標準装備され、標準装備の走行充電と外部100V電源入力で充電できる。なお、インバーターはオプション。

セレンゲティはハイエースワイドロングワゴンをベース車にしているが、これをベースにしているモデルは意外に少ない。セレンゲティとパタゴニア以外では、RVトラストのVolero-V.MaxとC-LHが存在するのみだ。
そもそもハイエースをベース車にするキャブコンは、ボディカットが大変なため、カムロードをベースにするキャブコンに比べあまり多く存在しない。しかし、動力性能に優れており、トラックベースではないというプレミア感がある。

セレンゲティはスタンダードモデルが681万円～（税別）、525が701万円（同）と、ハイエースワイドボディベースのキャブコンでは比較的安価で、かつインテリアも高級感があるため、十分お買い得感があるモデルと言える。

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