8-1-1. ディープサイクルバッテリー


ディープサイクルバッテリーは、キャンピングカーに最も一般的に使われているサブバッテリーで、100Ahクラスのものがよく使われます。デーィプサイクルバッテリーはいわゆる鉛バッテリーと言われるもので、バッテリー内の化学反応によって起きた電気を取り出します。

鉛バッテリーには開放型と密閉型があります。バッテリーは中で化学反応が起こるとき、ガスが発生します。このガスをバッテリー外に放出するようになっているのが開放型、放出しないようにバッテリー内で吸収するようになっているのが密閉型です。

ちなみに、自動車のスターターを回すバッテリーは開放型です。ですのでバッテリーは車外に設置されています。しかし、ディープサイクルバッテリーは密閉型ですので、キャンピングカーの車内に設置しても問題ないのです。



ディープサイクルバッテリーはこのように便利ですが、欠点もあります。その一つは、経年変化があり2~3年で交換する必要があること。また、大電流の放電が苦手なこと、さらに使える電気は全容量使えないということです。

まず経年変化ですが、ディープサイクルバッテリーは突然容量が少なくなるのではなく、徐々に低下していきます。2~3年で交換が必要と書きましたが、1年使っても容量は低下しているのです。

次に、最近ではキャンピングカーも快適性が求められ、様々な家電品が使われるようになりました。キャンピングカーで特に大容量の家電品は電子レンジと家庭用エアコンです。これらの家電品を頻繁に使うと、ディープサイクルバッテリーは急激に劣化し、1~2年するとエアコンの冷えが悪くなったように感じることがあります。

3つ目は、ディープサイクルバッテリーは空になるまで使ってしまうと、バッテリーの容量が低減してしまうことがあります。そこで多くのキャンピングカーには、使い切ってしまわないように、容量が少なくなるとアラームが付いています。

このような条件が重なり、一般的にディープサイクルバッテリーは全容量の60%~70%しか使えません。これらの欠点をカバーするため、次のAGMバッテリーやリチウムイオンバッテリーが使われることがあります。

なお、このよう欠点はありますが、価格が圧倒的に安価であることから、現在も主流はディープサイクルバッテリーが使われています。