1-5 キャンピングカーのメリット

ツアーズワイドSGL


それではキャンピングカーの便利な点を挙げてみましょう。
その後で、注意点にも触れておきます。

まずは、優位点からです。

1. キャンピングカーだと、思い立ったときすぐに旅立てる
旅行というのは楽しいのですが、なかなか準備が大変なものです。まず、スケジュールを立てて、それから宿の予約をして、列車やバスに乗り遅れないように出かけなければなりません。
しかしキャンピングカーなら、思い立ったらすぐ出かけることができます。金曜日の夜に、「そうだ、土日は信州に避暑に行こう」と思ったら、すぐに出発することができます。
現地近くの停泊地に到着したら、一杯飲んで就寝。次の日は朝から現地で活動できます。

2. キャンピングカーだと宿泊費が安価
クルマにベッドを積んでいるキャンピングカーだから、宿泊は車の中です。当然宿は必要ないので宿代はかかりません。ただし「無料で車中泊できるところ」は無いと考えた方が良いでしょう。道の駅やSA・PAは仮眠はできても宿泊はできない決まりです。一般の公園や無料駐車場でも防犯上すべきではありません。

従って、キャンプ場やRVパーク、湯YOUパークなどを利用することになりますが、これらは宿代より安価ですが有料です。キャンピングカーがあるので宿泊代はかからないという期待はしないほうが良いでしょう。

3. キャンピングカーなら気ままな予定変更も可能
夕方までに目的の宿までたどり着かなくてはならないといった制約は全くありません。乗用車なら、渋滞に遭って大幅に予定が遅れても、とにかく予約した宿まで辿り着かなくてはなりません。これでは疲れが溜まって、大変危険です。
キャンピングカーなら、いつでも何処でも就寝できますので、疲れたなと思ったら、近くの道の駅などで休めます。
また、思いがけずある場所が気に入ったら、もう一日滞在といったように、いつでも予定を変更することができます。常にスケジュールに管理される旅では絶対できないことが、キャンピングカーならできるわけです。

4. キャンピングカーならいつでも休める
旅に出ると、宿以外落ち着けるところがありません。観光の途中でちょっと休みたくても、なかなか横になったりリラックスできるところは無いものです。
結局一日歩き回ってへとへとになって宿にたどり着いたという経験は無いでしょうか。キャンピングカーがあれば、旅先に自分の部屋があるようなもの。いつでも休めるし、横にもなれます。

5. キャンピングカーならフラットなベッドがある
普通のクルマでも車中泊はできますが、キャンピングカーのようなフラットなベッドはありません。寝不足が続いた結果、疲れが溜まって観光どころではなくなります。
ベッドで熟睡できるかどうかは、大変重要なことで、安全にも影響してきます。

6. キャンピングカーならトイレの心配が無い
行楽シーズン、観光地やパーキングエリアのトイレに行列が出来ていて、大変な目に遭った経験はないでしょうか?また、子供が、ドライブ中に急にトイレと言い出して、トイレがあるところを必死に探したという経験はないでしょうか?
キャンピングカーにトイレがあれば、いつでも使用可能です。個室の付いたモデルも多くあるので、車内で用を足すことに抵抗がある人でも問題ありません。

 温水シャワーも使えるリバティ52DB(アネックス)のサニタリールーム

7. キャンピングカーなら渋滞知らず
キャンピングカーなら、積極的に渋滞を避けることができます。例えば、金曜の夜に走れば渋滞に巻き込まれないで目的地に着くことができます。
また、早く活動した分、早く帰路に就くことができ、帰りの渋滞も回避できます。帰宅も早くなりますし、渋滞の疲れも少ないので、翌日の仕事にも影響は少ないのです。

8. キャンピングカーは趣味の活動に最適
風景写真などを撮るカメラマンの方なら、早朝はシャッターチャンスの時間。まだ明けやらぬ風景を撮影するには、被写体の近くで停泊するのが効率的です。また、宿に泊まっていると、早朝から起き出すのは気が引けるし、朝食や精算などが面倒。
キャンピングカーがあれば、早朝からすぐ活動できるし、ひと段落着けば車内で休むことができます。三脚やレンズなど、重い荷物も苦になりません。更に、車内のテレビで、今日撮った写真を楽しむこともできます。

また、釣りが趣味の人も、ポイントの近くで停泊することができますし、車内に釣竿やクーラーを置く専用スペースを作ることもできます。シャワーがあれば、すぐに手を洗ったり、道具の手入れも可能です。キッチンがあれば、釣った魚を料理することもできるでしょうし、冷蔵庫に入れて持ち帰ることもできます。

9. キャンピングカーなら荷物をいっぱい積める
列車やバスでの旅では、パソコンやカメラなど、全てを持ち歩くのは不可能です。よって、旅先でパソコンが使えたら、良いカメラを持っていけたら、と思っても、それには大変な苦労が要ります。
しかし、キャンピングカーなら積んでいけば良い訳です。最近は道の駅などでもWiFiが使えたりするので、パソコンをネットにつなぐことも可能です。
また、持ちきれないので諦めていた友人へのお土産も、キャンピングカーならいっぱい買えるし、重い地酒や、安い地元の野菜なども買って帰ることができます。
レイアウトによっては、自転車やバイクも積むことができます。現地でサイクリングすることもできるわけです。

10.キャンピングカーなら地元の食材で自炊できる
旅先での楽しみはやはり食事。宿で出される料理や地元の料理屋での食事は楽しみなものです。
しかし、毎日宿で食べるのも代わり映えしないし、たまには軽く済ませたいという時もあります。
キャンピングカーなら地元の食材を買ってきて料理するのもよし、手をかけたくなければ、地元のスーパーでお総菜を買ってきて簡単な食事ができます。
味が濃い外食を続けると飽きてしまいますし、健康上もあまり良いことではないでしょう。
キャンピングカーのキッチンには、コンロもあれば、電子レンジもあります。余ったら、冷蔵庫で保管もできます。自分の好きなものを、適量だけ食べることができるので、「旅の食べ疲れ」することはありません。

 シンクやコンロ、冷蔵庫がビルトインされたバンテックの「コルドバンクス


11.キャンピングカーならペットを連れて行ける
ペットと一緒に旅する人は、キャンピングカーユーザーの4割以上だそうで、キャンピングカー購入の大きな動機付けのひとつです。
最近はペットも一緒に泊まれる宿泊施設が増えたとはいえ、まだまだ一般的ではありませんし、制約も多いものです。また公共の交通機関でペットを連れて乗るのは、現実的に大変です。
キャンピングカーなら誰はばかることなくペットを連れて行くことができるし、ペットに窮屈な思いをさせることもありません。最近では、ペットを乗せることを前提に設計されたキャンピングカーも発売されています。

 愛犬の足が洗えるオートワンの「愛犬くん

12.キャンピングカーの車内は落ち着く
キャンピングカーはクルマだから移動して使うのが前提ですが、実は自宅の駐車場にとめてある場合でも役に立ちます。キャンピングカーの車内は、妙に落ち着くという人もいれば、仕事がはかどるという人もいます。
わざわざ狭い空間に閉じこもることもないのですが、あの狭さが、隠れ家的な雰囲気を持つのかもしれません。

13.災害時の緊急避難場所
地震などの災害が起きた場合、避難所ではプライバシーが保てないというので、クルマで過ごす人が多いと言われています。
キャンピングカーなら、ある程度の広さと設備がありますので、就寝や休憩、あるいはトイレも 可能です。また、太陽光発電ができるキャンピングカーなら、ある程度の電力も賄えます。
更に、大容量のバッテリーが搭載されているキャンピングカーなら、停電している場合も、家に給電することができます。

 「ラップポン」トイレが装備されたオーエムシーのZero

14.リモートオフィスや書斎として利用できる
昨今テレワークが普及していますが、自宅に適切な仕事部屋や書斎が無いという悩みが多く聞かれます。そのような需要に応えるため、テレワークを意識したキャンピングカーも発表されています。今後は自宅の駐車場のキャンピングカーを仕事部屋として使うユーザーも多くなるでしょう。

キャンピングカーはこのように、様々なメリットや優位点があります。しかし「旅行が安価にできる」という項目はありません。キャンピングカーを購入する費用がイニシャルコストとして必要だからです。

よく「キャンピングカーを買うくらいならそのお金で宿に泊まる方が快適」という意見がありますが、まったくその通りです。高級なキャンピングカーを買っても、旅館やホテルの方が快適なのは言うまでもありません。

キャンピングカーは上記のようなメリットをメリットと感じられれば、購入する価値がありますが、そうでなければ高い買い物にすぎません。自分がどのように使いたいかをよく考え、ブームに流されないことが肝要です。

そこでキャンピングカーのデメリットも書いておきたいと思います。



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