トレンド23 ウィネベーゴ


トレンド23Bは米国の大手コーチビルダー、ウィネベーゴが製作するクラスCモーターホーム。
日本でのカテゴリーはキャブコンに属し、ニートRVが輸入販売している。

ベース車はクライスラーがフィアットからOEMを受けるラムプロマスター。
フィアットのデュカトをベースにしているので外観はデュカトそのものだが、エンジンはデュカトにはラインアップされていない3.6L V6ガソリンを採用している。
駆動方式はデュカトと同じFF。
なお、デザインは1世代前のフェイス。

レイアウトは24種のフロアプランがあり、23Bはリアエントランスで、前部に大きなダイネットを持つプラン。
後部はサニタリールーム、中央にギャレーを配置する。

ただし、このプランは2017年モデルでは廃止され、現在は23Dと23Lの2種類が用意されており、日本でもこの2種類から選べる。

 


トレンド23D(上)と23L(下)のレイアウト


従って、ビデオでは23Bになっているが、ここでは23Dと23Lについて解説する。

23Dと23Lの違いは主にレイアウトで、横方向にスライドアウト機構を持つのが23D、スライドアウトは持たないが、電動プルダウンベッドを持つのが23Lである。

また、23Dがツインベッドに対し、23Lは縦置きダブルベッド仕様になる。


トレンド23Dのスライドアウト部にベッドメークしたエキストラベッド


更に、サニタリールームが、23Dでは最後部にあるが、23Lでは最後部ながらベッドの対面にある。

23Dはスライドアウト部のソファを展開してエクストラベッドをメークすることができ、更に、ツインベッドの間を埋めることにより、全て合わせて6名が就寝可能。
一方23Lは後部のダブルベッドと電動プルダウンベッドで合計4名が就寝可能。


トレンド23Lのダブルベッド

23Dのほうが就寝人数が多いのでファミリー向けのように見えるが、常設ベッドとしてツインベッドを使うなら、こちらの方がふたり旅には向いている。
即ち、23Dは、メインはふたり旅で使用するが、いざとなれば大家族でも対応できる柔軟性のあるプランだ。

一方23Lは立派なプルダウンベッドがあるが、ふたり旅で使うならダブルベッドだけで良く、折角のプルダウンベッドは宝の持ち腐れになってしまう。
プルダウンベッドを積極的に使うなら、4名までのファミリーに最適。
ベッド展開する必要が無く、ボタン一つですぐに就寝できる。


トレンド23Bのプルダウンベッド

なお、プルダウンベッドでは、注意することがある。
ひとつは、プルダウンベッドを下ろすと、ダイネットは使えなくなること。
もう一つは、冬用の布団など厚さのある寝具は、上昇させる前にどこか他に移す必要があることだ。
ベッドメーキングする場合も同様で、寝具をセットしなければならない。

ダイネットは23Dは、スライドアウトがある分広いが、2人掛けのソファとフロントシートが回転して計4名が着座できる。
23Lは前向き2人掛けシートと、一人用横向きシート、それにフロントシートが回転して計5名が着座できる。
23Lは2名が前向きで座れ、ドライブできるので、やはり23Lの方がファミリーに向いているだろう。


トレンド23Dの室内

ギャレーは、どちらも大き目のシンクと2口バーナーのコンロが装備される。
ただ、23LがL字型キッチンだけに調理スペースは広い。
冷蔵庫は23Lはシングルドア、23Dはダブルドアの3ウェイが標準装備される。
電子レンジも標準装備される。

収納は、オーバーヘッドキャビネットやギャレー周りに豊富に用意されている。
ただし、リアにハイマウントベッドを持つレイアウトではないので、ベッド下の大きな収納スペースは23D、23Lとも持たない。
従って、自転車や、バイクと言った大型積載物は収納できない。

サニタリールームは、カセットトイレはもちろん、温水シャワーも標準装備される。
10KgのLPガスボンベを積載しており、温水はガスを使って沸かす。
FFヒーターもガス方式だが、ディーラーでべバストのFFヒーターも取り付け可能。
エアコンはルーフエアコンが標準装備される。


トレンド23Bのサニタリールーム


電装設備は、グループ31(105Ah)を2個標準搭載。
走行充電、外部充電も、もちろんサポートされている。
その他、2.8KWの発電機も標準装備している。
更に、日本でソーラーシステム(70W)もオプションで取り付け可能。

トレンドは、米国製モーターホームとしては、かなり欧州の香りを残すエクステリアとインテリアを持つ。
重厚感のあるアメリカンモーターホームを期待すると少し印象が違うかもしれないが、欧州の洗練されたインテリアを好むユーザーには、ガソリンエンジンの選択肢とともに注目モデルだろう。
ウィネベーゴのラインアップにあってはコンパクトに属するが、それでも全長は7mをゆうに越し、車幅も2.3m弱である。
日本では幹線道路なら良いが、細い道や山道では取り回しが多少面倒かもしれない。


ビルダー ウィネベーゴ
 
車名 トレンド 
ルーフ架装
 
ナンバー区分 8 
乗車人数 4  6
就寝人数 4 6
ベース車 ラム プロマスター 
サブバッテリー ○(105Ah x2) 
バッテリー増設
走行充電システム  
外部100V入力/充電  
 インバーター
大容量インバーター  
ルーフベンチレーター  
サンルーフ  
 コンロ ○(二口バーナー) 
シンク  
給水タンク ○(109L) 
排水タンク ○(132L)床下設置 
冷蔵庫 ○(ダブルドア) 
電子レンジ  
ユーティリティールーム  
ポータブルトイレ  
カセットトイレ  
カーテン/ブラインド  
FFヒーター  
ルームエアコン ○(ルーフ) 
シャワー設備  
温水装置  
発電機 ○(2.8KW) 
ウインドウ架装  
アクリルウインドウ  
サイドオーニング ○(電動) 
 ソーラーシステム ○(70W) 
全長(mm) 7300 
全幅(mm) 2290 
全高(mm) 3000 
価格(万円) 1240万円~(2WD/6AT)

2016年8月現在  (○は標準装備/OPはオプション)
価格は千円台切り上げ(税別)

エース565の動画はこちら

2016.9.9