「リゾートデュオ」はstage21のメインブランドで、初代の軽キャンパー「リゾートデュオ」から始まり、現在は「リゾートデュオバス」や「リゾートデュオバンビーノ」、あるいはライトエースやNV200バネットがベース車の「リゾートデュオユーㇿ」など、ラインアップを充実させている。

リゾートデュオバンビーノシリーズは軽キャブコンでギャレーを持つのに対し、リゾートデュオバスシリーズは、軽バンコンで、かつギャレーを廃し、車中泊仕様のエントリーモデルの位置付け。
今回取り上げた「リゾートデュオバス キング」はリゾートデュオバスの上級モデルに位置する。

リゾートバスシリーズの特徴は、ギャレーを持たないため、ベッドが大きく取れ、車内を広く使えること。
もちろん、作り物が少ないので、価格的にも比較的安価となる。

レイアウトはシンプルで、純正のリアシートを前に倒し、その上にベッドマットを置き、フラットなベッドを作っている。
もちろん、ベッドマットを外しリアシートを立てると計4名が乗車でき、普通のエブリイバンとして使える。

リゾートデュオバスの特徴は、ベッド下の収納スペースにステンレスの枠組みを使用し、深さを確保していること。
多くの軽バンコンはベッド下に収納スペースを持つが、リゾートデュオバスほど深い収納を持つモデルは少ない。
もちろんベッド面を高くしているので、ヘッドルームにシワ寄せが行くが、窮屈感を感じるほどではない。

これにより、ベッド下収納は実用的な収納スペースとして使用できる。
また、この高さに合わせてリアシートの上のベッド面も高くなっており、ここにも収納スペースが生まれている。
収納スペースを確保しにくいバンコンで、この機能は大きなアドバンテージと言える。

もう一つの特徴は、簡易クーラー「冷え蔵X」の存在だ。
これは、保冷ボックスに氷と水を入れておき、冷水を循環させて送風部から冷風を出すというもの。
原始的な仕掛けではあるが、室内を3度～5度、3時間冷やすことができる。
夜、就寝前に動作させれば、気持ちよく就寝できるだろう。
本格的なエアコンやクーラーを搭載するのが難しい軽バンコンで、そのソリューションを提案しているのは嬉しい。

なお、キングバージョンは、ノーマルバージョンに比較し、冷え蔵Xの他、14Lのポータブル冷蔵庫、180Wのソーラーシステム、1500Wインバーター（擬似正弦波）、外部100V充電などが標準装備される。

電装系は軽バンコンながらハイエースクラスで使われる105Ahのサブバッテリーを1個標準装備しており、オプションで追加も可能。
走行充電はもちろんだが、外部100V入力/充電や1500Wインバーターも標準装備なので、車内で家電品も使うことができる。
ただ、1500Wインバーターは、電子レンジのような特に大きな電力の家電品を使うわけではないので、ここまで大きなものが必要かは疑問。

更に、180Wのフレキシブルソーラーパネルを標準装備。
ハイエースクラスでも標準装備はもちろん、オプションでも100Wのパネルが多いが、軽バンコンで180Wを標準装備というのは注目ポイント。
晴天下では11Aの発電能力があるとしており、105Ahのサブバッテリーなら単純計算で10時間ほどでフル充電できる。
実際は効率の点等からもっと時間がかかるが、普通に使った分だけ充電するなら、それなりに実用性があるだろう。

リゾートデュオバスキングはこれだけ標準装備が付いても179万円～（2WD/5MT）と、他モデル（上記のような機能は付かない）と同じ水準の価格だ。
これは、水回りを廃していることにもよるが、水回りが不要なユーザーにとってはお買い得感が高いモデルと言える。