ポップ・コンeEはキャンピングカー広島が製作する、日産NV200バネットを使用したバン・コンバージョン キャンピングカー。同社オリジナルのポップアップルーフが標準装備される。

同社はNV200バネットをはじめ、ライトエースやハイエース、NV350キャラバンなどをベース車にしたバンコンがメインにラインアップする。特にポップアップルーフ車を得意としている。
ポップ・コンは、その中でも同社のメインのブランドで、ファミリー向けのポップ・コン キャンパーRと、この二人旅向けポップ・コンeEが選択できる。

　「ダークパッケージ」インテリア

エクステリアは、ポップアップルーフを架装している以外、ノーマル車から変更は無い。ルーフを下ろすと、ノーマル車とほとんど変わらないので、通勤や買い物などでも違和感はない。また5ナンバーサイズなので、スーパーなどの狭い駐車場でも取り回しが良く、高さ制限のある地下駐車場などにも問題なく入れる。

インテリアは、明るい木目調の家具が用意されており、シート柄は数種類から選択できる。上のビデオの展示車は「ダークパッケージ」と呼ばれるオプション色（125,000円高：税別）で、シックで高級感のあるインテリアになっている。
なお、ベース車はワゴンではなくバンなので、スライドドアのウインドウ回りなど、トリムが無いので車体色がそのまま見え、インテリアに影響するので車体色を選ぶ場合は注意が必要だ。

　ロングシートとギャレーコンソールが向かい合ったレイアウト

レイアウトは右サイドにロングシート、左サイドにギャレーコンソールを配置する。前向き着座できるのは運転席と助手席のみなので、二人旅に向いている。ロングシートに横座りで3名が着座できるので近距離なら5名乗車できるが、長距離にはお勧めできない。マルチモードシートが無いので、運転席、助手席から後部への移動がスムースに行えるのは、このレイアウトの特長だ。

　広い開口部を持つポップアップルーフ

ダイネットは、ロングシートに並んで着座する。テーブルも用意されているので、食事なども可能。ただ、2名の場合は足を伸ばして寛ぐのは難しく、ベッド展開しても車幅の1/3をギャレーコンソールが占めるので、窮屈感は否めない。ルーフベッドとフロアベッドでそれぞれ寛ぐのが良いだろう。

ベッドはこのクルマの特徴で、ロングシートのシートバックがワンアクションでベッドマットになる。就寝前に楽にベッド展開できるのは大きなメリットだ。もちろんベッドからダイネットに戻すのもワンアクション。ただしベッド幅は狭く、一人用と考えた方が良い。ルーフベッドも幅は1030mmなので、家庭用ならシングルベッドのサイズ。従ってこちらも実質的には1名での就寝と考えた方が良い。

　ギャレーコンソールにはシンクと冷蔵庫が収納されている

ギャレーは、二人旅に割り切ったレイアウトだけあって充実している。シンクとシャワーフォーセット、14Lポータブル冷蔵が標準でビルトインされている。シャワーフォーセットは引き延ばして車外で使うことができる。また、跳ね上げ式の調理台も用意されているので、カセットガスコンロを置くことができる。
特筆できるのは、排水タンクが床下に設置されていること。コックをひねれば排水されるので、重いタンクを運ぶのは給水タンクだけでよい。ただし、残念ながら電子レンジの設定は無い。

収納は、ギャレーコンソールに引き出し収納他、一般収納スペースが2ヵ所用意されており、小物や食器を収納できる。またロングシート下は広い収納スペースになっており、バッグなどを収納できる。

　ロングシート下の収納スペース

空調は、FFヒーターがオプション設定される。ベンチレーターや冷房の設備は設定されていない。

電装系は、100Ahサブバッテリー1個と走行充電が標準装備される。オプションでもう1個サブバッテリーを増設できる。外部100V入力は標準装備されるが、充電機能はオプション。長期旅に使うなら、充電機能は装備しておいた方が良いだろう。また、154Wのソーラーシステムもオプションで設置できる。

価格は、342万円（GX/2WD/4AT：税別）。ポップ・コンeEは二人旅仕様のため、多くのNV200バネットベースのモデルはあまり参考にならない。唯一比較できるのは、やはり二人旅仕様の、stage21のリゾートデュオユーロだろう。ほぼ同じレイアウトで価格は419万円～（同）と高価だが、こちらは標準装備が多い。また、電子レンジが標準装備されているので、長期旅の場合は有利だ。電子レンジにこだわらなければ、ポップ・コンeEは良い選択だろう。