マッシュType-XXはナッツRVのライトキャブコンで、マツダボンゴをベース車に使用している。
同社のマッシュシリーズには、Type-XXの他、Type-A、W、Xがあり、それぞれレイアウトが異なる。
マッシュType-XXはその中でも、一般的なレイアウトと言う意味では一番離れたところに位置するだろう。
特徴はトイレルームを廃し、広いダイネットと、常設ダブルベッドの構成としているところ。
他社も含めて、ボンゴベースのライトキャブコンで最も一般的なのは、後部に2段ベッドを持つレイアウトだ。
スペース効率が特に求められるライトキャブコンでは、2段ベッドは前方に侵食しないので、効率が良いからだ。
しかし、広いダブルベッドが欲しい、あるいはベッド下に広い収納スペースが欲しい、という要求はそれなりに存在し、その代りトイレルームを無くすことで実現したのがこのレイアウトなのだ。
そして、他車も含め、このレイアウトを持つのはマッシュType-XX以外に存在しない。
さて、そのダイネットは固定の対座式を採用する。
後ろ向きのシートは固定されており、前向きにはできない。
従って、ミニバンのように全員が前向きに着座して移動することはできないが、固定式にすることにより、広いダイネットを実現している。
更に、ダイネットはベッド展開することができるが、その場合でも、マルチモードシートのように複雑な展開方法ではない。
机を下げて、シートバッククッションで隙間を埋めるだけでベッドが完成する。
後部のダブルベッドはハイマウントになっており、ラダーが用意されている。
もちろん常設ベッドなので、いつでもすぐに横になることができる。
また、バンクベッドでも2名が就寝できる。
高さがあるので、バンクベッドで就寝時、圧迫感を感じることは無いだろう。
しかし、後部のダブルベッドはウッドスプリングを持ち、寝心地は他に優っている。
ただ、ギャレーは多少割を食っており、ギャレーコンソールはL字型なのだが、就寝時はその一部がベッドの下に隠れてしまう。
ベッドマットを取り外して初めて完全なギャレー部分として使える。
ベッドマットを置いてしまうと、ギャレーコンソールはシンクが埋め込まれた部分だけで、コンロを置くことはできない。
とにかくダイネットとベッドが最優先で、調理はあまりしないという考え方のようだ。
また、40リッター冷蔵庫は標準装備されているが、電子レンジはオプション設定となっている。
収納は、ダイネット上、ギャレー上、ベッドルームにそれぞれオーバーヘッド収納キャビネットが据え付けられており、これだけでも大きな収容力を持つ。
また、ベッド下の大きな収納スペースには、折り畳み自転車なら横にして収納することができるだろう。
ただ、ひとつ欲を言えば、箸やフォーク、あるいは小さな調味料の瓶などがうまく整理できる小さな収納が欲しいところだ。
オーバーヘッド収納を区切って使うということでも良いが、やはり低い位置に欲しい。
ただ、これも車内で飲食をあまりしないという前提であれば、理解できる仕様だ。
空調に関しては、FFヒーターはオプションで用意されているが、家庭用エアコンのオプション設定は無い。
他のライトキャブコンでは家庭用エアコンを装備するものもあるので、オプション設定が欲しいところだ。
電装系に関しては、サブバッテリーが1個標準装備される他、追加バッテリーもオプション設定される。
また、インバーターは400Wか1500Wを選択でき、発電機もオプション設定されている。
マッシュType-XXは、思い切ったレイアウトで、トイレルームが不要、かつダブルベッドや自転車が入るような大きな収納庫を希望するユーザーには、ライトキャブコンでは唯一の選択肢となる。
アルミコンポジットパネルにより比較的軽量なシェルは、走行性能に好影響を与えており、これも評価できる点だ。
価格は車両本体価格が300万円台のモデルもあることから考えると、443万円(税別)は多少高い価格付けだが、インテリアの好みなどで決めると良いだろう。