ファミモはジャパンキャンピングカーショー2017でナッツRVから発表されたハイエースをベース車にするバンコンバージョンキャンピングカー。
ハイエースワイドロングワゴンミドルルーフをベース車にしている。
ファミモにはタイプAとタイプCがあり、大きな違いは2列目シートの有無。
タイプAにはマルチモードシートが設置されており、前向き乗車が可能。
フロントシートと合わせて計4名が前向き乗車してドライブできる。
それに対し、タイプCは横座りシートのみで、前向き乗車はできない。
即ち、タイプAはファミリー向け、タイプCはふたり旅向けのレイアウトと言うことができる。
タイプAのレイアウトは、2列目シートの後ろに横座りの二の字型対座ソファがあり、2列目シートを後ろ向きにセットすると、コの字型ダイネットになる。
4人のファミリーなら、十分な広さだろう。
ファミモタイプAのレイアウト
全てのシートをフラットにすると、フロアベッドとなる。
ワイドボディを使用しているので、数字的には大人3名が就寝できるベッドの広さがあるが、現実的には、大人2名と小学生以下の子供2名程度といったところだろう。
なお、フルフラットにしてもテーブルが立てられるので、ちゃぶ台式ダイネットとしても使える。
2列目のマルチモードシートを立てたりフラットにしたりするのは結構面倒な作業なので、常にベッド状態にしておきたいが、3名以上のファミリーの場合、それではドライブできない。
従って、毎回2列目シートを起こしたり、フラットにしたりの作業を行う必要がある。
このモデルに限らないが、マルチモードシートの展開は、購入する前には認識しておくことが重要だろう。
最後部左側のベッドマットを外すと、小さなシンクが現れる。
このシンクの下には給排水タンクがある。
ただ、シャワーフォーセットは後部ハッチを開けないと使えない。
即ち、車内で食器を洗ったり、手を洗ったりという使い方ではなく、車外でペットの足を洗うといったような使い方が想定されているようだ。
そして後部中央の床には床下収納庫が設けられている。
この床下収納庫は2重構造になっており、一番下にはスペアタイヤが収納されている。
ハイエースのスペアタイヤは、本来この位置の床下に吊り下げて格納されている。
それをわざわざ床下収納庫に収納し直しているわけだ。
このような面倒なことをしている理由は、法改正により今年7月から3ナンバーで横座りシートが認められなくなるから。
8ナンバーでは認められており、その要件を満たすためギャレーを設け、その前に1600mm以上の高さを確保するため、床を掘り下げているのだ。
即ち、このギャレーは使うためではなく、車検用に付けられているのだ。
もちろん使おうと思えば使えるので、必要なユーザーにとっては丁度よいのだが、給排水タンクの取り出しなどはかなり面倒そうだ。
ちなみにタイプCの方は、オプションで正式なギャレーが運転席の後方に用意されている。
しかし、この位置ではギャレーの前に1600mmの高さを確保できないので、タイプCにもミニシンクと掘り下げ式収納庫が付いている。
電装系は110Ahのサブバッテリー1個と走行充電が標準装備されるが、外部入力、充電はオプション。
サブバッテリーはオプションで追加バッテリーを選択できる。
インバーターは400Wのものが標準装備されるので、低消費電力の100V家電製品が使える。
また、オプションで1500Wインバーターが選択できるので、電子レンジクラスの大消費電力家電も使用可能。
ただし、冷蔵庫や電子レンジはオプション設定されていないし、設置する場所も無い。
よって、インバーターは、特に大きな消費電力の100V家電品を使う予定がないなら、標準のもので十分だろう。
空調はオプションでFFヒーターが用意されている。
ファミモは標準的な5m x 2mの駐車枠に駐められ、高さ制限のある駐車場の標準的な高さ2100mmをクリアできる。
従って、町中でも取り回しのし易いボディだ。
これにファミリーがゆったり寛げるダイネットと、小さい子供のいるファミリーなら就寝できるベッドを組み合わせ、車中泊車に仕上げている。
これなら、ファミリーが1~2泊の車中泊旅をするのに最適だろう。
価格的にもアルファードやエルグランドを購入するのと大きく変わらないので、ミニバンからの買い替えや、車中泊を考えているファミリーには選択肢の1台だろう。
なお、オプションでハイルーフとエクステンションウインドウの架装が可能だ。
これらのオプションは高額なので迷うところだが、特にハイルーフは天井が高くなり、ストレスの少ない車内になる。
車内で過ごす時間が多いと思われる場合には、架装して損のない装備だろう。
ただし、高さには注意して運転する必要がある。
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