同社は数多くのバンコンを専門に発売しているが、そのラインアップはベース車とレイアウトのマトリックスになっている。
例えば、ワイドロングボディを使ったものは、「ワイドバカンチェス」という名で統一され、後部に上段ベッドを持つものは「リッツ」というレイアウトカテゴリーの名前が付いている。
即ち、ワイドバカンチェスリッツ、と言えば、ベース車とレイアウトが大体わかるわけだ。

今回紹介する「ファシールバカンチェスモモ」も同様のネーミングで、ファシールバカンチェスはハイエース標準ボディ標準ルーフを意味している。
さて、モモは今までになかったレイアウトネームだが、サンティに近い。
即ち、2列目シートにマルチモードシートを使い、後部左側にロングギャレー、右側にロングシートの構成である。

しかし、決定的にコンセプトが異なるのが、サンティは子供用の上段ベッドが設定されているに対し、モモはそれが無い。
また2列目シートもサンティが3人掛けであるのに対し、モモは2人掛けである。
就寝人数はサンティが3名に対し、モモは2名となっているので、ふたり旅を想定したモデルであることが分かる。

後部はギャレーがあるので、ゆったりとは言い難いが、ロングソファを展開して2名が就寝できる。
2列目シートを展開しなくても就寝できるが、これもフラットにすると身長方向には余裕ができる。

ギャレーは充実しており、大き目のシンク、40リッター上開き式冷蔵庫、電子レンジが標準装備され、全てギャレーコンソールにすっきり収まっている。
上部の蓋を閉じれば、調理台にもなり、ちょっとした料理も可能。
ただし、8ナンバーキャンピング車登録ではないので、コンロの設置は義務付けられていない。
もちろん、卓上型のカセットコンロを使うこともできるが、換気には気を付けたい。

収納はロングシート下に電装系が無いので、ここはまるまる収納庫として使えるのが特筆される。また、後部をベッド状態にしてしまえば、下は収納スペースとして使えるので、十分すぎる広さの収納が可能だ。

電装系も走行充電付きサブバッテリーの他、電子レンジ用大容量2000Wインバーターが標準装備される。
更に100Wソーラーパネルも標準装備され、充実した内容となっている。