クレア スティング5.0XXはナッツRVが製作し、トヨタカムロードをベース車にした、全長5m未満のスタンダードキャブコンモデル。なお、ベース車にダブルタイヤを装着したい場合、ダイナを選択することもできる。
クレア スティングは名前からも想像できるように、クレアの派生モデルで、クレアと比べて最も大きな違いがバンクの有無。クレアスティングにはキャブ上に張り出したバンクがなく、スマートなルーフラインとなっている。
なお、クレアと同じ同社オリジナルのフロントマスクがオプション設定されている。また、全高はクレアが2,910mmに対し、クレアスティングは2,820mmと9cm低くなっている。
同社によると、バンクレスとしたことにより車体が軽くなり、燃費性能と運動性能が向上しているとのことだが、むしろスタイリングがスッキリした点がセールスポイントだろう。また、同社の他のモデル同様、高断熱アルミコンポジットパネルを使用しており、軽量化と高断熱性を達成している。
張り出したバンクは無くなったが、バンクベッドが無くなったわけではなく、コンパクトながらもバンクベッドは存在している。サイズは1900x1550mmで、高さは最大490mmとなっている。ちなみにバンクがあるクレアの高さは720mmだ。
クレアスティングのバンクベッド
もちろん、ここで就寝する事はできるが、クレアのように準メインベッドのような扱いではない。クレアスティングは、ふたり旅仕様として想定されていることから、バンクベッドはエマージェンシーベッドか収納スペースとして考えられているようだ。
レイアウトは、バンクベッドを除いてクレア5.0XXとコンセプトは同じで、5.0は車長が4990mmと5m未満、またXXはユーティリティールームを廃しダブルベッドとダイネットに最大限のスペースを割り当てたレイアウトを持つ。
ユーティリティールームを廃したことにより広々とした室内
ダイネットは固定対座形式だが、補助シートを使用するとエントランス前にもシートが設置でき、大勢で団らんできる。もちろん、二人で使用する前提であればゆったりしたスペースを確保できる。
また、このダイネットは展開してエマージェンシーベッドになる。
二人使用ならゆったり座れる対座ダイネット
後部ベッドルームにはハイマウントダブルベッドが設置され、その大きさは1900 x1400 mmで、家庭用ダブルベッドと同じ大きさとなっている。ユーティリティールームが無い分、大きなベッドスペースを確保できている。
ギャレーは平均的な大きさでシンクがビルトインされている。ただ、5.0シリーズではコンロがビルトインされておらず、卓上式カセットコンロをいちいちセットするのはクレアから変わっていない。スタンダードキャブコンの車格ならコンロはビルトインが欲しいところだ。なお、5mを超える車長を持つ5.3シリーズでは2口コンロ一体型のコンビネーションシンクが装備される。
跳ね上げ式調理台も用意されているギャレーコンソール
なお電子レンジと1500 W のインバーターが標準装備されているので、バッテリーで電子レンジを駆動することができる。
収納はダイネットの上、ギャレーの上、ベッドルームにオーバーヘッド収納が設置され、それぞれ奥行きが深く大きな収納力を持つ。
また後部ベッド下は大きな収納スペースで、車外から大きな荷物を出し入れできるほか、車内からもアクセスできる。
空調に関しては 、FF ヒーターが標準装備されている他、家庭用セパレートエアコンが標準装備される。ちなみにクレアはEvolution仕様に標準装備されている。
電装系に関しては、クレアスティングでは 同社独自のEvolutionシステムが標準装備されており、 アイドリングだけでサブバッテリーを満充電することができる。
サブバッテリーは100Ahのものが3個標準装備され、外部100V入力/充電も標準装備されている。ソーラーシステムはオプションで用意されており最大200アンペアのものが2枚搭載できる。
即ち、電装に関しては相当強力なシステムとなっている。ただ、リチウムイオンバッテリーのオプション設定はない。
クレアスティングは、 キャブコンでの二人旅を考えているユーザーに最適の1台だ 。バンクを廃したことによりスマートな外観になり、外観にこだわるユーザーにもアピールできるようになった。クレアスティング5.0には
XXのほかXとWが用意されており、クレアシリーズと同じレイアウトラインナップから選ぶことができる。
クレアスティング5.0XX(エボリューション仕様)の価格は6,945,100円(税別)~。クレア5.0XXエボリューションが7,145,100円(同)~なので、20万円安価になっている。他社も含めると、500万円台の同条件のキャブコンも存在するので、安価な部類には入らないが、エボリューションシステムやエアコンなどが標準装備されることを考えると特別高価ではない。競合モデルの中では数少ないバンクを持たないモデルなので、スタイリングもアドバンテージになるだろう。