カシータトラベルトレーラー社は米国のトレーラービルダーで、FRP製の白い繭(まゆ)のような形で有名なトラベルトレーラーを製作している。
国内では従来よりトランキルグローブが「T-Globe」のモデル名で輸入しているが、新たにカーショップスリーセブンも取り扱いを始めた。
カーショップスリーセブンでは別のモデル名で、全てのモデルが輸入されている。
ラインナップは、ダラス(Dallas)、 ヒューストン(Houston)、オースティン(Austin)、それと今回紹介するロデオ(Rodeo)の4モデル。なお、これらは日本向けのモデル名。それぞれレイアウトが異なり、
サイズは16フィートと17フィートが選択できる。(オースティンは17フィートのみ)
簡単にレイアウトを紹介すると、ダラスはダイネットを展開すると常設ベッドと合わせてキングサイズベッドになるファミリー用、ヒューストンは単座のキャプテンシートを2脚持つふたり旅用、オースティンはツインベッドを持つふたり旅用、そしてこのロデオはセカンドダイネットを持つファミリー用となっている。
では、今回紹介するロデオについて見てみよう。
エクステリア
FRPでできた半球型を上下に接合し繭のようなボディは、ひと目でカシータと分かるデザインで、従来よりコンセプトは変わらない。
一般的なパネル接合のトレーラーボディと比べてこの形状の優位点は、剛性が高く、耐水性が高いところ。接合面が、地球で言うと赤道の位置のみなので、雨漏りの心配も少ない。
全体的に曲面が多いのでスペース効率が悪いように見えるが、内部は圧迫感は殆ど無い。
レイアウト
先に書いたように各種レイアウトが選べるが、ロデオは最後部に広いダイネットを持ち、更にサイドにセカンドダイネットを持つ。
常設ベッドを持たず、メインダイネットを展開してダブルベッドにする。
サイドにはギャレーセクション、前部にはサニタリールームを持つ。
どちらかというとファミリー向けのレイアウトだが、もちろんふたり旅でも使える。しかし、ふたり旅がメインなら専用のヒューストンやオースティンがあるので、そちらを選んだほうが良いだろう。
ギャレー
2口バーナーを持つコンロと、独立したシンクがビルトインされている。ギャレー前のスペースも十分あり調理しやすいのだが、調理台が無いので手の混んだ料理の場合は皿などの置き場に困るかもしれない。
隣には3Way 54リッターの冷蔵庫と電子レンジがビルトインされており、ギャレーの装備はほぼ全てが揃っている。
ギャレー周りの収納も充実しており、ギャレーコンソールや冷蔵庫の上下にも収納スペースが設けられている。引出し収納もあるので、小さい食器の収納にも困らない。
サニタリールーム
カシータのモデルでは最前部にサニタリールームが配置されており、欧州のキャラバン(欧州では”トレーラー”ではなく”キャラバン”と呼ばれる)と同様、温水シャワーとカセットトイレが標準装備される。
水はガスボイラーで加熱して高温の湯にし、水と混合して適温にする。
清水タンクは60リッターなので、人数によってはシャワーで使う湯量が足りない可能性がある。
収納
先に書いたギャレーまわりの他、ダイネット上にもオーバーヘッド収納を設置している。また、エントランス横にはクローゼットを用意しており、衣類を収納できる。
更にダイネットシート下に収納スペースを用意しているので、多少大きなものはそちらに収納できる。
空調
暖房はガスヒーターが標準装備され、冷房はクーラーが標準装備される。なお、クーラーは外部電源専用なので、バッテリーでは駆動できない。
電装系
基本的に外部電源がある想定なので、80Ahのサブバッテリーが1個しか標準装備されていない。オプションでバッテリーを追加できるので、追加をお勧めする。
またインバーターもオプション設定されている。車内で100Vの家電品を使う場合はインバーターを搭載する必要がある。
まとめ
FRP製のトラベルトレーラーは異色な存在だが、その耐久性や耐候性は、欧州のキャラバンを含めても優位性がある。
インテリアは、欧州のキャラバンと比べると、洗練度の面では先を譲っているように見えるが、アメリカンな雰囲気という意味では、このほうが似合っている。
けん引免許は必要だが、コンパクトなトレーラーなので国内での扱いも比較的楽だろう。