ヴォーノはレクビィのハイエースワイドロングワゴンベースのバンコンキャンピングカー。
外部の架装は無いので、外観はノーマルのハイエースと変わらない。
特徴は何といってもそのインテリアで、モダンリビングをそのまま車内に再現したような雰囲気を持つ。
特に他のモデルと差をつけているのはリビングソファの作りで、生地の質感はもちろん、そのラウンドした形状もお洒落感を出している。
ただ一つ問題は、逆L字型に配置されたソファは、ソファのシートバックを大きくまたがなければならないので、運転席、助手席から後部への移動に多少苦労する点。
一度車外に出ればよいのだが、雨の日など車内で移動したい場合もある。
このダイネットはベッド展開してフロアベッドになるが、マルチモードシートを使っている訳ではないので、展開は比較的苦労が少ない。
しかし、常設ベッドのように何もしなくても良いわけではないので、毎日となると面倒ではある。
素晴らしいインテリアだけに、ベッド状態のままにしておくのはもったいない。
できれば就寝時以外は、リビングスタイルにしておきたいものだ。
後部には右側にギャレー、左側に大型のクローゼットがある。
ギャレーは、陶磁器製の丸型シンクがビルトインされており、このようなところにもインテリア優先のコンセプトが生きている。
ギャレーは卓上型カセットコンロを置くスタイルで、シンクも大きくないため、積極的に調理をするというコンセプトではないようだ。
なお、49リッターの冷蔵庫と電子レンジはオプション設定されているので、冷凍食品を温めることはできる。
また、ギャレーコンソールには引き出し収納が用意されており、箸やスプーンなど小さな食器を入れておくのに便利だ。
収納は後部に設置された大型のクローゼットの存在が大きい。
天井まで高さがあるので、コートなどの衣類はもちろん、大き目のバッグや趣味のものなども収納できるだろう。
また、そのデザインもインテリアに配慮した美しい作りになっている。
その他、ソファの下も収納スペースになっており、また、ギャレー上にも観音開きのオーバーヘッド収納が用意されている。
電装系は、105Ahのサブバッテリーが1個標準装備されるが、外部電源入力/充電はオプション。
また、インバーターもオプション設定になるので、家電品を車内で使いたい場合は、装着する必要がある。
なお、Superiorバージョンが用意されており、これには冷蔵庫、外部100V入力/充電、テレビシステム、カーテンなどが標準装備される。
価格はスタンダードバージョンが418万円(2WD/税別)、Superiorバージョンが443万円(同)なので、その差は25万円になる。
外部100V入力/充電はほぼ必需品だし、このクラスなら冷蔵庫もほとんどのユーザーが必要とするだろうことを考えると、Superiorバージョンの方がむしろ一般的な選択になるだろう。
ヴォーノはキャンピングカーの車内にお洒落でセンスの良いリビングルームを持ち込んだ先駆者的存在。
今でこそ、インテリアに重点を置いたモデルが多く出てきたが、ヴォーノほどこだわっているモデルはあまり無い。
お洒落なインテリアにプライオリティを置くユーザーには、間違いなくお勧めの1台だ。