3-1. バンコン


バンコンとは、バン コンバージョンのことです。トヨタのハイエースやタウンエース/ライトエース、日産のNV350キャラバンやNV200バネットなどのバンやワゴンを改造したキャンピングカーです。
バンとは有蓋(ゆうがい)トラック、即ち屋根を持ったトラックのことですが、ワゴン車をベースにしてもバンコンと言います。なお、海外では「キャンパーバン」とか「Class B」と呼んでいます。

ハイエースやNV200バネットは、荷物を運ぶ目的で作られた屋根付きのクルマですので車内は広く、キャンピングカーとして使用するのに向いています。ノアやセレナなど市販されているミニバンに架装することもあります。これらもバンコンに分類されますが、当サイトではミニバンキャンパーとして別のカテゴリーにしています。

 NV350キャラバンを使用したビークルのバンコン ブロスワイド

これらのクルマはもともとルーフを持つ密閉された車内を持っているので、内装のみ架装するだけでキャンピングカーに仕立てることができます。即ち、コスト的にも安価に製作することができます。

キャンピングカーらしくないキャンピングカーが人気

また、最近のユーザーの要望で、”キャンピングカーらしくない外観”を望む声が大きくなっています。これは、日常の足と休日のレジャーを1台のクルマで両立させたいというもので、例えば、子供の送り迎えをキャンピングカー然としたクルマで行くのは違和感があるという理由からです。
バンコンタイプのキャンピングカーでは、8ナンバーキャンピングカー登録していないモデルもありますので、外観的にはキャンピングカーと分からないものも多くあります。

 NV200バネットを使用したキャンピングカー広島のバンコン ポップ・コンeE

バンコンンの長所と短所

バンコンの優位点は、比較的安価にキャンピングカーを手に入れることができる点と、コンパクトに仕上げることができる点、そして、あまり目立たないキャンピングカーにできるという点です。ハイエースやNV350キャラバンでは、スタイリングやドレスアップという面からも人気が高いと言えます。

一方、バンコンの弱点は居住性と室内環境です。居住性を前提としたシェルを持つキャブコンと比較すると、どうしても居住スペースが狭くなります。また、ボディは鉄板そのものですので、外部温度の影響を大きく受けます。バンコンでも断熱処理をしたものもありますが、断熱性に優れるパネルを使用するキャブコンと比べると、どうしても室内環境は劣ります。
更に、エアコンの室外機や発電機といった大きな物を積載するスペースも思うように取れませんので、装備もおのずから限られてきます。

ポップアップルーフやハイルーフを架装

なお、バンコンで人気なのがポップアップルーフです。下げているときは、通常のクルマにしか見えませんが、ルーフを上げると一気に高い天井が出現し、室内が広くなります。ポップアップルーフを上げた状態なら、フロアベッドに加えルーフ部でも就寝できますので、ファミリーでも使えます。

 ハイルーフやエクステンションウインドウを架装したタコスのスーパーレコ

更に、ルーフを架装してハイルーフにしたものや、サイドパネルまで架装したモデルも存在します。バンコンのコンパクトさと、広さを併せ持つことができるメリットがありますが、どちらかと言うと少数派です。




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