リラックスワゴンインフィニティHAKUBAバージョンは、かーいんてりあ高橋が製作する、ハイエースワイドミドルルーフワゴンをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社は長野県長野市に本拠を置くビルダーで、ハイエースベースのリラックスワゴンシリーズを中心にラインアップを展開している。一方で、タウンエースベースのライトキャブコン「ネオユーロ」や、過去にはプリウスをベース車にした「リラックスキャビン(現在新規販売は休止中)」のようなユニークなモデルにも挑戦している。
リラックスワゴンインフィニティHAKUBAバージョンは、人気のリラックスワゴンインフィニティをベースに、同社の創業40周年を記念して製作されたモデル。台数限定とされていたが「ご好評につき増産決定」とのこと。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
リラックスワゴンインフィニティをベースに、インテリアを変更し、標準装備を充実させた、同社の40周年を記念するモデル。価格的にもお買い得となっている。
レイアウトはリラックスワゴンインフィニティと変わらないが、従来のスポットクーラーからルーフクーラーに変更したことにより、冷蔵庫を前部に移動している。
電装系では200Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備とし、1500W正弦波インバーターや240Wソーラーシステムを標準装備している。
アピールポイント
・木の温かみを生かしたインテリア
・49L横開き式冷蔵庫を標準装備
・ルーフクーラーを標準装備
・200Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備
・1500W正弦波インバーターや240Wソーラーシステムを標準装備
・49L横開き式冷蔵庫を標準装備
ベース車とエクステリア
リラックスワゴンインフィニティHAKUBAバージョンのエクステリア
ベース車はハイエースワイドミドルルーフワゴンGLを使用。ボディ外側への架装は特にないので、見た目は通常のハイエースと変わらない。上の写真でスライドドアに貼られたステッカーは展示車のみのもの。
ただし、ルーフクーラーが標準装備されているため車高は2300mm(ノーマルは2105mm)と多少高くなっており、高さ制限のある駐車場に入れない可能性が高い。
インテリア
HAKUBAバージョンのインテリア
リラックスワゴンインフィニティHAKUBAバージョンの最も大きな特徴はインテリアだ。リアルウッドを使用した室内は、木の温かみのある落ち着いた空間だ。後部両側のウインドウはインテリアボードで塞がれており、好みのコーディネートができる。
照明は標準仕様のインフィニティと変わらないが、間接光とスポットライトのムーディな照明となっている。また後部両側にはライトレールがあり、スポットライトやUSBコンセントを設置できる。
レイアウト
レイアウト
レイアウトはリラックスワゴンインフィニティと同じで、横座り対座のダイネットと後部のギャレーの組み合わせ。二人使用のレイアウトとしては一般的だが、前部にもキャビネットがあるのが多少特異な点ではある。
前部のキャビネットに冷蔵庫、後部にシンクがあるため、調理するユーザーにとっては最適な配置ではないかもしれない。必要であれば、冷蔵庫は後部左側のキャビネットに移動することは可能だろう。
ダイネット
無垢の一枚板のテーブルがあるダイネット
HAKUBAバージョンでは、「水だけで汚れを落とすことができる」アクアクリーン加工技術を用いたシート地を採用と謳っている。ペットや子供がいる場合、汚れを落とすことが楽になりそうだ。
テーブルはHAKUBAバージョンを最もアピールしているアイテムのひとつで、無垢の一枚板を使用。二つと同じ木目が無い一品だ。
ベッド
ダイネットを展開したベッド
ダイネットを展開すると、1800x1700mmの大きさのベッドになる。1700mmの幅は、家庭用ではクィーンサイズのベッド幅(1600mm)以上だ。2名ならゆったり就寝できる。
ベッド展開は極めて簡単で、テーブルを外し背もたれを中央に移動するだけ。背もたれは分割されているため、各ピースは軽量だ。
ギャレー
後部右側のシンク
ギャレーは後部に設置されている。左右にキャビネットがあり、右側のキャビネットには丸形のシンクとフォーセットが収納されている。天板を閉めると、カウンターデスクとして使用できる。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各13Lの給排水タンクが収納されており、リアゲートを開けると車外から直接出し入れすることができる。
後部左側のキャビネット
後部左側のキャビネットも調理台として使用できる。引き出し収納が用意されており、標準装備のIHコンロを収納しておくことができる。
冷蔵庫/電子レンジ
49L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は49L横開き式が標準装備されている。これは前部右側のキャビネットに収納されている。先述のようにギャレーと離れているため、調理をするユーザーには使いにくい位置かもしれない。後部左側のキャビネットに移動することは可能だろう。
電子レンジ(写真はリラックスワゴンインフィニティ)
電子レンジはオプションで用意されている。取り付け位置により価格が変わるとされているので、取り付け位置は選択肢があるようだ。上の写真は後部左側のキャビネット上に置いただけなので、最も簡単な取り付け方法だろう。
多目的ルーム
リラックスワゴンインフィニティ(とHAKUBAバージョン)に多目的ルームは無いが、ポータブルトイレを積んでおくスペースはある。後部のベッドボード下に収まるポータブルトイレがあれば、目に触れることはない。
収納
左側シート下の収納
左側のベンチシートの下が大きな収納になっている。
車外からアクセスできる
後部左側には、リアゲートを開けてアクセスできる収納があるが、リラックスワゴンインフィニティHAKUBAバージョンでは、このキャビネットに冷蔵庫が収納されていないのでベンチ下の収納まで貫通している。スキー板のような長い荷物を積み込むことができる。
エントランス右側のシューズボックス
エントランス右側にはシューズボックスとしても使える収納が用意されている。
エントランス左側の収納
エントランス左側にも収納が用意されている。このキャビネットには傘立ても設置されている。
空調
ルーフクーラーを標準装備
リラックスワゴンインフィニティHAKUBAバージョンには、ルーフクーラーが標準装備されている。ルーフに設置するため、収納などのスペースが犠牲にならないのが特長。消費電力が不明なので、標準装備の200Ahリチウムイオンバッテリーでどのくらい稼働できるか分からないが、スペース効率の面では優れている。
暖房はFFヒーターが標準装備される。
テレビ/ナビ
テレビが標準装備される
テレビモニターも標準装備される。画面サイズは書かれていないが、上の写真のように前部のキャビネット上に設置される。
電装系
電装系(写真はリラックスワゴンインフィニティ)
サブバッテリーは200Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備。その他の電装系では、走行充電、外部電源入力とチャージャー、1500W正弦波インバーター、240Wソーラーシステムが標準装備される。
なお、リチウムイオンバッテリーは安全面を考慮し、金属ケースに収納されている。
価格(2024年8月現在:千円台切り上げ:税込)
リラックスワゴンインフィニティHAKUBAバージョンの価格は、2WDが660万円~、4WDが691万円~となっている。標準装備が充実しているので、付けておきたい必需オプションは無い。(ナビ関連は除く)
参考までに、リラックスワゴンインフィニティ+ LCS SUPER PLUSリチウムイオンパッケージは658万円~、4WDは689万円~となっている。LCSパッケージには200Ahのリチウムイオンバッテリー、家庭用一体型ポータブルクーラー、100Wソーラーシステムが標準装備される。
他モデル
ハイエースワイドミドルルーフワゴンをベース車にした二人使用を想定したモデルは多数あるが、クーラーやエアコンを搭載できるモデルは、レクビィのソランワイド(790万円~)とMRカランタ(680万円~)、アネックスのリコルソホームエアコンモデル(653万円~)、OMCの北斗対座モデル(クーラー装着モデルの価格不明)、キャンピングカー長野のスペースキャンパーCOOL(価格不明)、リンエイプロダクトのワイドバカンチェスプライベート(価格不明)などがある。
まとめ
リラックスワゴンインフィニティにはLCSスーパープラスパッケージというお買い得モデルがある。LCSはリチウム、クーラー、ソーラーの意味で、200Ahのリチウムイオンバッテリー、家庭用一体型ポータブルクーラー、100Wソーラーシステムが標準装備されるほか、スーパープラスパッケージで49L横開き式冷蔵庫、FFヒーター、1500Wインバーター、フルセグナビなどが標準装備される。
この価格が658万円~(2WD)なので660万円~(同)のHAKUBAバージョンが更にお買い得なのが分かる。ただし、MRカランタやリコルソホームエアコンモデルなど魅力的な競合モデルもあるので悩ましいところではある。
しかしナチュラルウッドを生かしたインテリアは魅力的だし、同社は比較的カスタマイズにも対応できるビルダーなので、自分の要求を伝えることもできるだろう。
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