ラミータはネストツールズが製作する、ハイエーススーパーロングをベース車に使用したバンコンキャンピングカー
同社は埼玉県入間市を拠点とするビルダーで、このラミータの他、後部にハイマウントダブルベッドレイアウトの「アルタイル」もラインアップしている。
既存モデルはこれらの2モデルだけだが、同社はフルオーダーも受け付けており、自分に最適な1台をオーダーできるのが特徴。
（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）
概要
ハイエーススーパーロングをベース車にしたバンコンキャンピングカーで、対座ダイネットと縦置き2段ベッドの組み合わせ。多目的ルームや横開き式冷蔵庫、電子レンジも用意されており、ファミリーでのクルマ旅に対応する。
このレイアウト自体は特徴的なものではないが、同社はフルオーダーにも対応するため、このレイアウトを基本にして自分の用途に最適なレイアウトに変更することも可能。家庭用エアコンもオプションで設置でき、様々な要求に対応できる。
アピールポイント
・8名が前向きに乗車可能
・4名が就寝できファミリーでの車中泊に対応
・横開き式冷蔵庫、電子レンジを標準装備
・エアコン搭載可能（OP）
・フルオーダーも可能で用途に最適なカスタマイズが可能
エクステリア
ラミータのエクステリア
ベース車はハイエーススーパーロング特装車を使用。外観に変更はなく、ノーマルのハイエースと変わらない。
インテリア
家具色やシート地は選択できる
展示車は上の写真のようにシンプルなインテリアで、照明も凝ったものではない。しかし家具色やシート地、あるいは照明は選択できると思われるので、自分好みのインテリアに仕上げることができる。
なお、同社のサイトに載っているモデルは明るい木目の家具色を使っている。
レイアウト
ラミータのレイアウトは2段ベッドを配置しているが、2段ベッドは左側に配置されており、あまり例がない。ちょうど、トイファクトリーのアルコーバやビークルのベッセルJの左右を逆にしたような配置だ。
縦置き2段ベッドを左サイドに配置するメリットのひとつは、より多くの人数が前向き乗車できることにある。2段ベッドとダイネットを同じ側にせず、そのため3列目シートを設置できるため、計6名が前向き乗車できる。アルコーバは2名、ベッセルJは5名だ。
ただし、左側は窓が開かないので、就寝時に少し窓を開けることができない。レクビィのファイブスターセプトのように、2段ベッドが右側にありながらベッドの前方をトランスフォームして計7名が前向き乗車できるようにしたモデルもある。
ダイネット
前部の対座ダイネット
2列目シートを後ろ向きにすると、3列目シートとで4~5名が対座できるダイネットになる。ファミリーでテーブルを囲むことが可能だ。
計6名が前向き乗車できる
また、2列目シートを前向きにすると、計6名が前向き乗車できる。2段ベッドは横座りのベンチシートにもなり（後述）、ここにも2名が座れるので、合計乗車人数は8名となる。
ベッド
大人2名が就寝できるダイネットベッド
シートを全てフラットにすると、大人2名が就寝できるダイネットベッドになる。サイズは不明だが、シート幅が1200mmなのでベッドの幅も1200mmと考えられる。しかし、ギャレーキャビネットがあるので、足元は多少窮屈だ。
左側にある縦置き2段ベッド
縦置き2段ベッドは、上段は1840x650mm、下段は1900x700mmのサイズ。家庭用シングルベッドの幅は970mmなので、それよりはかなり狭いが、キャンピングカーの大人用ベッドの規定幅は500mmなので、十分クリアしている。
2段ベッドは展開してベンチシートとして使える
なお、上段ベッドを展開すると、シートバックになり、下段ベッドはベンチシートとして使える。走行時はここに2名が乗車できる。
ギャレー
右側中央にあるギャレーセクション
ギャレーは右側中央に配置され、シンクとフォーセットが設置されている。コンロを使って調理する場合は、オプションのポータブルカセットコンロを置くスペースも十分確保されている。
各12Lの給排水タンク
シンクの下には各12Lの給排水タンクが収納されている。ただしこの位置はエントランスから遠く、車外から直接手が届かないので、タンクの出し入れは多少手間がかかる。
冷蔵庫/電子レンジ
40L横開き式が標準装備される
冷蔵庫は40L横開き式が標準装備される。独立した冷凍室を持つので、冷凍食品の保存や製氷が、冷蔵と同時にできる。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。下段ベッドの枕元に収納されているので少し違和感があるが、ギャレーの動線としてみると、使いやすい位置だ。ただ、上段ベッドボードが置かれていると、使い難い。
多目的ルーム
ポータブルトイレを置いてトイレルームとしても使える
ラミータの多目的ルームは後部右側にある。ポータブルトイレを置いてトイレルームとしても使え、余裕のある広さがある。もちろんラップポンを置くことも可能だが、その場合には電源が必要になる。
多目的ルーム専用の収納
多目的ルームには専用の収納があり、トイレットペーパーなどを収納しておくことができる。トイレルームとして使う場合便利だ。
収納
ダイネット上のオーバーヘッド収納
ダイネット上とギャレー上にオーバーヘッド収納が設置されている。。
下段ベッド下の収納
また、下段ベッド下は大きな収納スペースになっている。
車外からアクセスすることもできる
下段ベッドの下の収納スペースには、リアゲートを開けて車外からアクセスすることもできる。
空調
ベンチレーターは標準装備される
暖房はFFヒーターがオプション（253,000円）で設置できる。また冷房は家庭用エアコンがオプション（1,045,000円）で用意されている。これは250Ahのリチウムイオンバッテリーと1500Wのインバーターがセットになっている。
なお、エアコンの室内機の取り付け位置は不明だが、ダイネットの上部当たりしかスペースがなさそうだ。この場合は、オーバーヘッド収納が無くなることになる。そう直する場合は確認することをお勧めする。
ベンチレーター（マックスファン）は標準装備される。
テレビ/ナビ
19型のテレビがオプション設定される
19型のテレビと室内アンテナがオプション設定（82,500円）されている。設置場所は上の写真のようにエントランス横のキャビネットにステーで設置される。ナビはSDメモリーナビがオプション（132,000円）設定されているが、希望のものを指定することもできるだろう。
電装系
標準では105Ahのディープサイクルバッテリーと走行充電が装備される。バッテリーの増設はオプションで可能（33,000円）。また200Ahリチウムイオンバッテリーもオプションで選択できる（326,700円）。
外部100V電源入力は標準装備だが、これによる充電機能はオプション（49,500円）。またインバーターは1500W（140,800円）と450W（49,500円）がオプションで用意されている。電子レンジをサブバッテリーで駆動する場合には1500Wの方を選択する。
ソーラーシステムは150Wのものがオプション（184,800円）で用意されている。
価格（2021年4月現在：千円台切り上げ：税込）
特装車ガソリン2WD/6ATで543万円～。4WDやディーゼルも選択できる。
装備しておきたい必需オプションは、外部入力による充電機能（49,500円）、1500Wインバーター（140,800円）、FFヒーター（253,000円）が挙げられる。
また、サブバッテリーで電子レンジを使う頻度が多かったり、テレビを長時間観たり、パソコンに給電したりすることが多い場合は、サブバッテリーを追加することをお勧めする。
他モデル
ラミータと同じレイアウトを持つモデルは他にないが、縦置き2段ベッドと対座ダイネット、多目的ルームを持つファミリー向けモデルは、カトーモーターのブルームーン（570万円～）、トイファクトリーのアルコーバ（662万円～）、ビークルのベッセルJ（512万円～）、レクビィのファイブスターセプト（653万円～）などがある。
これらと比べるとラミータは多少安価なことが分かる。また、同社はフルオーダーも可能なので、ラミータのカスタマイズも自由度が高いのがメリットだ。
まとめ
ラミータは多少変則的なレイアウトではあるが、ファミリーでクルマ旅をするユーザーには、価格の手頃さもあり、チェックすべきモデルだ。特に自分好みにカスタマイズを希望するユーザーには特にお勧めできる。
関連記事
ファイブスター セプト |
アルコーバ |
2段ベッドを持つスーパーロングバンコン特集 |
