ハイエース3Bはタコスが製作する、ハイエース ワイドミドルルーフをベース車にしたバンコンバージョンキャンピングカー。
同社は東京都立川市を拠点にするビルダーで、タウンエースやNV200バネット、ハイエースを中心に製作している。キャブコンもラインアップしており、ハイエース標準ボディをベース車にしてシェルを架装したベリー/REは人気のモデルとなっている。
ハイエース 3Bは、ハイエースワイドミドルルーフをベース車にしているが、ハイエース標準ボディハイルーフをベース車にしたハイエース2Bも選択でき、どちらも跳ね上げ式の縦置き2段ベッドを装備しているのが特徴となっている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエースのワイドミドルルーフをベースにしたバンコンタイプのキャンピングカー。外観で目を引くのが、車体右側中央に設置された家庭用エアコンの室外機と、それを納める専用扉だ。
2列目には2名掛けのマルチモードシートを採用。フロントシートと合わせて計4名の前向き乗車が可能となっている。2列目が2名掛けのため、チャイルドシートを装着しても隣席に大人が同乗できる点も見逃せない。
室内の就寝スペースには、跳ね上げ式の上段ベッドを装備。ダイネットを展開して作るベッドと合わせ、大人3名・子供2名が就寝できる広さを確保している。つまり、ファミリー4名が快適に移動でき、子供連れでの車中泊にも対応する。
普段使いしやすい車体サイズでありながら、キャンピングカーとしての快適装備も充実。日常のドライブから、万一の災害時に家族で過ごす避難スペースまで幅広く活躍する1台だ。
アピールポイント
・日常用途にも使えるボディサイズ
・2列目に2名掛けのマルチモードシートを採用し、4名が前向き乗車可能
・跳ね上げ式の上段ベッドを標準装備
・ダイネットベッドを含め、子供連れのファミリーが車中泊可能
・家庭用エアコンを標準装備
・40L横開き式冷蔵庫と電子レンジを標準装備
ベース車とエクステリア
ハイエース3Bのエクステリア
ベース車にはハイエース ワイドミドルルーフ バン スーパーGLを採用。パワートレインはガソリン2WD/4WD、ディーゼル2WDから選択が可能だ。両側スライドドア仕様だが、右側は固定されている。スーパーGLベースのため、ボディ同色バンパーやメッキフロントグリルなど上質なエクステリア装備が標準で備わる。
リアゲートおよび右側リアのウィンドウには、断熱性に優れるアクリル2重窓を架装。ベッドサイドに位置する右側後部窓は、組み込まれたブラインドで即座にプライバシーを確保できる。リアゲートのアクリル2重窓も開閉に対応し、ゲートを開けることなく車内の換気が行える点が実用的だ。
レイアウト
ハイエース3Bのレイアウト
2列目に2名掛けのマルチモードシートを配置。後部には、単座の横向きシートとベンチシート、そしてギャレーキャビネットを配置する。マルチモードシートの横にもキャビネットがあるが、ここには家庭用エアコンの室外機が収納されている。
インテリア
ハイエース3Bのインテリア
濃い木目調キャビネットとブラックレザー調のシート地を組み合わせることで、落ち着きのあるシックなインテリア空間に仕上げられている。インテリアカラーの変更の可否については情報がないため、希望する場合はビルダーへ個別に相談するとよいだろう。
天井部分の処理も極めてシンプルだ。照明はメインライトのみとし、近年のモデルに多い間接照明やダウンライトといった演出はない。華美な装飾よりも実用性とコストパフォーマンスを優先したいユーザーにとって、納得感のある仕上がりと言える。
ダイネット
コの字型のダイネット
後ろ向きにした2列目シート、単座の横向きシート、そしてベンチシートでテーブルを囲む。ファミリーやゲストを加えてが食事をとったり団欒できるスペースだ。
ベッド
ベッドはダイネットを展開してできる下段ベッドと、跳ね上げ式の上段ベッドがある。
下段ベッド
下段ベッドは、長さの最大が2700mm、最大幅が1600mmとなっている。ただし、2箇所にあるキャビネットのため、完全な長方形ではない。上段ベッドの下に大人2名が並んで就寝し、残りのスペースで子供が就寝できる。
上段ベッド
上段ベッドは1,820×700mmのサイズで、大人1名が就寝可能だ。縦ふたつ折り構造を採用しているため、展開や収納の手間がかからない。ただし転落防止用のガードは備わっていないため、子供を就寝させる際は配慮を要する。
また、ベッド周りに独立した読書灯が配置されていない点は留意したい。メインライト消灯後、手元で操作できるスポットライト等があれば利便性はさらに高まるだろう。ダイネットを展開した下段ベッドと組み合わせることで、大人3名+子供2名が就寝できる。
ギャレー
ギャレーセクション
ギャレーは後部左側に設置されている。天板にはシンクとシャワーフォーセットが設置されており、シャワーフォーセットは引き出して車外で使用することができる。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各20Lの給排水タンクが収納されている。車外から直接タンクを出し入れすることができるのはユーザーにとってうれしい仕様だ。
冷蔵庫/電子レンジ
40L上開き式冷蔵庫が標準装備される
40Lの上開き式冷蔵庫が標準装備される。横開き式のように独立した冷凍室を備えていないため、製氷や冷凍食品の保冷と飲み物の冷蔵を同時に行うことはできないが、開閉時に冷気が逃げにくい構造という点では利点がある。
電子レンジはオプション
家庭用の100V仕様電子レンジがオプションで設置できる。また、インバーターもオプション設定となるため、外部電源がない場所で利用する場合は、1500Wまたは2000Wのインバーターを追加する必要がある。
多目的ルーム
ポータブルトイレが収納できる床下収納(オプション)
多目的ルーム自体は備えられていないものの、オプションで後部床下に収納スペースを設置でき、ポータブルトイレを収納できる。後部エリアをカーテン等で仕切ることで、簡易的なプライベートトイレスペースとして使用できる。
収納
ギャレー上部の収納
2段ベッドレイアウトではオーバーヘッド収納の設置が難しく、車内ですぐに使える収納スペースが不足しがちだ。しかしハイエース3Bでは、ギャレー上部に扉付きの収納を確保している。
食器やカトラリー、小物を納めておくのに重宝する。
ベンチシート下の収納スペース
ベンチシート下および3列目シート下には、まとまった容量の収納スペースが確保されている。出し入れの際にはシートクッションを持ち上げる仕様のため、日常的に使うアイテムよりも、使用頻度の低い荷物を保管しておく用途に適している。
空調
家庭用エアコンを標準装備
家庭用エアコンが前部右側のキャビネット上部に標準装備される。このキャビネットの内部に室外機が収納されている。
室外機の排気口
室外機をこの位置に取り付けるメリットは、床下設置に比べ融雪剤や泥水の影響を受けにくい点にある。跳ね上げ式の扉ではなく、スライド式の扉を採用しているのも、狭い駐車場での操作が十分に考えられている。
一方で、エアコンを使用するたびに車外へ出て扉を開ける手間が生じる。未使用時に完全密閉できる利点はあるものの、他社モデルのように通気スリットやメッシュ仕様にしても実害は少ないのではないだろうか。
なお、家庭用エアコンを実用的に稼働させるには、標準のディープサイクルバッテリーでは心許ない。オプション設定されているリチウムイオンバッテリー(少なくとも200Ah、できれば300Ah仕様)の追加を選択したい。
テレビ/ナビ
テレビのオプションは特に用意されていないようだが、取り付けは可能だろう。最近では、タブレットでテレビを観ることもできるので、設置の自由度などからもお勧めだ。ナビは好みのものを取り付けることができる。
電装システム
標準装備はディープサイクルバッテリーとなるが、家庭用エアコンが標準装備されていることを考えると、リチウムイオンバッテリーへの変更が必須だ。オプションでは100Ah、200Ah、300Ahの3種類が用意されており、最低でも200Ahは確保しておきたいところだ。
日中にエアコンを長時間稼働させたり、電子レンジや高スペックPCなどを頻繁に使用したりするヘビーユースなら、迷わず最大容量の300Ahを選択するのが賢明と言える。
価格(2026年9月現在:千円台切り上げ:税込)
ガソリン2WDは653万円~、ガソリン4WDは683万円~、ディーゼル2WDは700万円~となっている。
付けておきたい必需オプションは、2000W正弦波インバーター(231,000円)、FFヒーター(242,000円:ガソリン)、200Ahリチウムイオンバッテリー(330,000円)が挙げられる。(ナビ関連は除く)
また、クルマ旅に使用するなら電子レンジ(31,900円)は必須装備だ。ソーラーシステム(132,000円~:100W~)やマックスファン(85,800円)は付けておくと便利だが、高さ制限のある駐車場に入る機会があるなら注意する必要がある。
他モデル
ハイエースワイドミドルルーフをベース車にし、2段ベッドを持つファミリー対応のモデルを探すと、OMCの北斗対座モデル(757万円~:車載用クーラー、200Ahリチウムイオンバッテリーはオプション)と、カトーモーターのチップトップ(994万円~:家庭用エアコン、600Ahリチウムイオンバッテリー標準装備)が挙げられる。
北斗対座モデル
車名の通り、2名対座ダイネットと縦置き2段ベッドを配したレイアウトが特徴。後部には扉で区切られた多目的ルームが設置され、ギャレーもその内部に集約されている。基本は2名での旅を想定した作りだが、2列目に単座のマルチモードシートを備え、ダイネット展開により計3名の前向き乗車および就寝に対応する。
チップトップ
FRP製ハイルーフを架装し、木の温もりを生かした上質なインテリアに仕上げられたモデル。室内高にゆとりがあるため圧迫感が大幅に軽減され、車内で長時間過ごす際も快適性を保てる。前向き乗車可能な単座マルチモードシートと3名用2段ベッドを組み合わせ、最大3名でのクルマ旅や車中泊に対応する。
まとめ
ハイエース3Bはシンプルなインテリアで、多くの装備をオプション化することで抑えめな価格設定を実現している点が大きな魅力だ。優雅な長距離旅というよりも、普段は日常の足として乗りこなし、休日には家族でドライブやイベントへ出かけるといった使い方に適している。
普段使いの面では「標準ボディ・標準ルーフの方が扱いやすい」という声もあるが、運転に少し慣れてしまえばワイドボディがもたらす広さは魅力だ。さらに、近年全国で頻発する災害時における緊急避難用シェルターとしての役割まで見据えるなら、非常に実用的なモデルと言える。
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