ディアラ ボックスはマックレーが製作する、NV200バネットをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社は京都を拠点とし、バレンシア520といった大型キャブコンからディアラジュニアのような軽キャブコンまで制作するが、NV200バネットベースのバンコンは初となる。
コンセプト:ディアラボックスは、災害時にも対応することを想定して設計されており、2人が就寝できるベッドはもちろん、ギャレーや冷蔵庫、電子レンジ(OP)も装備されている。バンベースで4ナンバー登録。

対座スタイルにしたダイネット
エクステリア:ボディへの架装は無く、見た目は普通のNV200バネットと変わらないので、日常用途にも目立つことなく使用できる。また、ボンネットを持つ乗用車スタイルのベース車なので運転もしやすい。
インテリア:高級感よりも実用性を優先した室内。またバンベースなので、鉄板がむき出しになっている。ボディ色を選ぶ場合は室内にも影響することに気を付ける必要がある。

ロングシートスタイルにしたダイネット
レイアウト:右側中央にダイネット、後部に冷蔵庫と電子レンジの棚、左側にギャレーコンソールを配置。ダイネットから全てのものにすぐに手が届くレイアウトで使いやすい。
走行中はダイネットチェアに着座できないので、乗車は運転席と助手席の2名のみ。従ってファミリー使用には対応できない。
ダイネット:ロングシートスタイルのダイネットから、中央のシートボードを取り外すと、1対1の対座ダイネットとなる。それぞれのスタイルに合わせてテーブルが用意されており、その時の気分に合わせてダイネットのスタイルを変えられる。

ベッド状態にした室内
ベッド:ロングシートのシートバックで隙間を埋めると、2000x1400mm(運転席側は1900mm)のベッドになる。家庭用で言うとレギュラーダブルベッドに相当する大きさで、2名がゆったり就寝できる。家具などの出っ張りも無いので、フロア全体がベッドになる。

オプションのシンクとシャワーフォーセット
ギャレー:左サイド後部にギャレーコンソールが配置されており、ここには丸形シンクがビルトインされている。ただしこれはオプション。8ナンバーキャンピング登録ではないので、ギャレーは必須ではない。従って、コンロも付属しない。

15Lの上開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫/電子レンジ:15Lの上蓋式冷蔵庫が標準装備される。もちろん冷蔵庫用の12V電源も用意されている。また電子レンジがオプションで設置できる。300Wのインバーターが標準装備されているが、電子レンジを設置する場合はインバーターを1500Wに変更する必要がある。

エントランス横のシューズボックスと収納
収納:ギャレーコンソールに引き出しが付いているので、小さな食器などを収納しておくことができる。またシート下が収納スペースになっており、大きめのバッグなどはここに収納できる。更にエントランス横にシューズボックスと収納スペースが用意されている。
なお、ベッドモードにすると、ベッドの下は広い収納スペースになる。

ギャレーコンソールに用意される引き出し収納
空調:オプションに記載は無いが、FFヒーターは取り付け可能と思われる。車中泊をする場合や災害時に避難することを前提にするなら、FFヒーターは付けておくべき。
冷房に関しては、スポットクーラーなどをポータブル電源とともに持ち込むといった方法がある。
テレビ/ナビ:車載用テレビチューナー付きの16型テレビが標準装備される。ナビはオプション。
電装系:105Ahのディープサイクルバッテリーが1個標準装備される。また、充電は走行充電と外部100Vでの充電が標準で装備される。300Wのインバーターも標準装備されるので、バッテリーで100V家電品が使用できる。
ソーラーパネルもオプションリストに書かれていないが、設置は可能だろう。災害を前提に考えるなら、200W程度のソーラーシステムは欲しい。
なお、同社ではリチウムイオンバッテリーの搭載も可能としている。

価格:2WD/5MTで278万円~。オプションはFFヒーターとソーラーシステムを付けておくと良いだろう。本格的に災害時の避難場所として使うなら、ソーラーシステムと100~200Ah程度のリチウムイオンバッテリーを搭載すると理想的。昼間に充電し、夜はその大電力でスポットクーラーや電子レンジを使用できる。プライバシーを守るためカーテン(オプション)も必要。
他車:NV200バネットベースの4ナンバーバンコンでは、以下のものがある。(いずれも2WD/4AT)
コンパクトバカンチェスNダイネット:リンエイプロダクト 249万円~
ツールドスター:日産ピーズフィールドクラフト 282万円~
ベースキャンプソロ:ノニデル 300万円~
コンパクトバカンチェスNは、様々なレイアウトが用意されているのが特徴。上記の「ダイネット」は2名対座ダイネットを持つ。
ツールドスターはワゴンベースで上質なインテリアと2列目にマルチモードシートを持つのが特徴。ファミリーにも対応する。
ベースキャンプソロはバンベースだがトリムもされて、木目調の家具やギャレーも備え付けられており、ワンクラス上のグレード感がある。
まとめ:ディアラボックスは、冷蔵庫、テレビ、充電システムなどが標準装備されており、またギャレーや電子レンジが装備できるので、車内である程度暮らせる。災害時に退避できるのが目的なら、上記3モデルに比べアドバンテージがある。
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