ダヴィンチ6.0は、トイファクトリーが製作する、フィアットデュカトをベース車にしたバンコンバージョンキャンピングカー。
同社は岐阜県可児市に本拠を置くビルダーで、ハイエースを中心にしたバンコンを専門に製作しているが、輸入モデルの販売や、今年では、正規輸入のフィアットデュカトをベース車にしたモデルも多数展開している。
ダヴィンチはその中心に位置するモデルで、デュカトL2H2を使用したダヴィンチ5.4と、L3H2を使用したダヴィンチ6.0が選択できる。
なお、同社はKIA PBVジャパン株式会社と、PBV(Platform Beyond Vehicle)に関する正規ディーラー契約も締結し、PV5の販売も行っている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
フィアットデュカト L3H2の2026年モデルをベース車にしたバンコンキャンピングカー。ダヴィンチ6.0は2023年に初代が発表され、2026年にフルモデルチェンジされた。
前部に対座ダイネット、中央にギャレーとサニタリールーム、後部に横置きダブルベッド(オプションで下段ベッド追加可能)のレイアウト。国産デュカトベースバンコンでは、最も欧州車に近いイメージのモデルだ。
サニタリールームはラップ式トイレ「クレサナ」を標準装備。オプションで温水シャワーも設置できる。家庭用エアコンを標準装備。最大300Ahのリチウムイオンバッテリーをオプションで搭載できる。
アピールポイント
・デュカトL3H2の余裕あるボディサイズ
・欧州モデルに近いレイアウトイメージ
・一新された洗練されたインテリア
・常設2口コンロがあるギャレー
・オプションでファミリーでも車中泊できるベッド
・お洒落なインテリアのサニタリールーム
・ラップ式トイレ「クレサナ」を標準装備
・温水シャワーをオプションで設置可能
・家庭用エアコンを標準装備
・オプションで最大300Ahのリチウムイオンバッテリーを搭載可能
ベース車とエクステリア
ダヴィンチ6.0のエクステリア
ベース車はフィアットデュカトL3H2(全長5995mm、全幅2100mm、全高2525mm)の2026年モデル。右ハンドル、左側エントランスの日本仕様。エンジンは直列4気筒
2,184cc MultiJet3ディーゼルインタークーラー付 ターボ 。トランスミッションは8速ATで2WDのみ選択できる。
ボディカラーは純正色の6色から選択可能。オプションでダヴィンチの人体図が選択できる。居住部のウインドウはアクリル2重窓が装着されているが、ベッドルームのウインドウは後部のみとなっている。
レイアウト
ダヴィンチ6.0のレイアウト
前部にダイネット、中央にギャレーとサニタリールーム、後部に横置きのダブルベッドを配置したレイアウト。フィアット デュカトではおなじみの、運転席と助手席が反転してダイネットの後向きシートになる仕様を採用している。
後部のベッドは標準では上段のみだが、オプションの下段ベッドマットを追加すれば2段のダブルベッドとなり、最大4名が就寝可能。乗車定員は4名で、全員が3点式シートベルトを着用できる。
インテリア
ダヴィンチ6.0のインテリア
インテリアはブラックのシートカラーと濃木目調家具の組み合わせ。初代のダヴィンチ6.0が全体的にシックな印象だったのに対し、新バージョンでは壁紙をアイボリー系にするなど、より明るい雰囲気に仕上げられている。
ルーフデザインと照明
ダーク系の天井にダウンライトと間接照明を組み合わせ、高級感あふれるルーフデザインに仕上げられている。ムーディーで落ち着いた夜の車内空間を演出してくれる。
ダイネット
4名対座のダイネット
デュカトは運転席と助手席が反転するため、2列目シートとあわせて効率よく4名対座のダイネットを形成できる。室内にゆとりがあるため、シートに座ったまま回転させることができ、実用性にも優れている。2列目シートも3点式シートベルトを着用できる。
ベッド
上段ベッド
ベッドサイズは車幅方向に長さ1,940mm、幅1,470mmを確保。これは家庭用ダブルベッドの標準幅(1,400mm)を超えるゆとりのある広さだ。厚みのあるベッドマットが採用されている一方、同クラスでよく見られるウッドスプリングは装備されていない。
下段のラゲッジスペース
下段は標準ではラゲッジスペースとなっているが、オプションのベッドマットを追加することで、大人2名が就寝可能となる。上下段をあわせて計4名が就寝できるため、ファミリーでの車中泊にも対応する。
ギャレー
ギャレーセクション
ギャレートップには常設2口コンロと一体になったシンクとフォーセットが設置されている。調理面も広く取られており、旅先での調理も効率よく行うことができる。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各13Lの給排水タンクが収納されている。上の写真の反対側に扉が設けられており、車外から直接出し入れすることができる。
ギャレーキャビネットの引き出し収納
ギャレーキャビネットには大きな引き出し収納が設けられており、カトラリーや食器などを収納しておくことができる。
冷蔵庫/電子レンジ
70L両開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は70Lの両開き式が標準装備される。冷凍室も備えているため、製氷や冷凍食品の保管をしつつ、飲み物や食材を冷やしておくことが可能だ。エントランス横に配置されているため、車内・車外のどちらからでも手軽に出し入れができる。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。ギャレー上部にすっきりと収納されており、位置的にも使いやすい。
多目的ルーム
クレサナが標準装備のサニタリールーム
サニタリールームには、ラップポン系のラップ式トイレ「クレサナ」を標準装備。専用の手洗いボウルも設置されており、欧州の高級モデルにも引けを取らない、おしゃれで上質な空間に仕上がっている。
サニタリールーム内の収納
サニタリールームには、写真のような壁面収納に加え、キャビネットの収納も用意されている。洗面用具やタオル類をすっきりと整理しておくのに重宝する。また、大型の鏡も設置されているため、身だしなみを整える際にも便利だ。
さらにオプションのシャワーシステムを追加すれば、温水シャワーの使用も可能となる。あわせて100Lの給水タンクと75Lの排水タンクが装備されるため、水回りも安心して運用できる。また、オプション選択時はヒーター兼用の温水ボイラーも設置されるため、標準装備のFFヒーターは設置されない。
収納
収納は、ダイネット上部のオーバーヘッド収納、ベッドルーム上部の収納、後部のベッド下収納、シューズボックスとその他の小物収納がある。
ダイネット上部のオーバーヘッド収納
ダイネット上部右側にオーバーヘッド収納が設置されている。高さも十分あり、大きな容量の収納だ。
ベッドルームの収納
ベッドルームの両側にもオーバーヘッド収納を配置。右側は扉付きのキャビネット、左側はオープンタイプの棚収納となっており、用途に合わせて使い分けられる。
後部ベッド下の収納
後部のベッド下が収納になっているのは前述の通りだが、右側には小物収納も用意されている。クルマのメンテナンス用品やペッ用品を収納しておくのに便利だ。
シューズボックス
厳密には「ボックス(箱型)」ではないものの、靴の置き場が確保されている点は特筆に値する。一般的なデュカトベースのモデルは、輸入車はもちろん国内ビルダー製であってもシューズボックスを備えたモデルは少ない。収納足数こそ多くはないが、専用スペースが用意されていること自体、大きなメリットと言える。
空調
フロント上部に設置された家庭用エアコン(OP)
空調面では、ダイキンの薄型エアコン「risora(リソラ)」がオプションで用意されており、室内機はフロント上部に設置される。後部までストレートに冷気が行き渡るため、非常に理想的なレイアウトと言える。
一方で、エアコンが今や必需装備となりつつある中、このクラスのモデルでエアコンおよびリチウムイオンバッテリーがオプション設定となっているのは残念な点だ。
暖房はFFヒーターが標準装備されるほか、ミニヘキ(自然換気ベンチレーター)が標準装備される。マックスファンベンチレーターはオプションで設置できる。
テレビ/ナビ
ダイネットウインドウの手前には、オプションで19型のテレビモニターを設置できる。しかしこの位置だと、せっかくの美しい車窓からの眺望がスポイルされてしまうのが難点だ。
最近では、タブレットを使って自宅のチューナーにアクセスし、テレビ放送や録画番組を視聴するスタイルも定着しつつあるため、そうしたスマートな運用方法をおすすめしたい。
電装システム
電源周りは標準で95Ahのディープサイクルバッテリー2個に加え、走行充電機能、外部100V電源入力とチャージャーが装備される。リチウムイオンバッテリーはオプションで最大300Ahまで選択可能だ。
また、240Wソーラーシステムもオプションで設置できる。
しかし、1,000万円を遥かに超える価格帯のモデルとしては、やや物足りない仕様と言わざるを得ない。家庭用エアコンとリチウムイオンバッテリーの標準装備化は期待したいところだ。
また、300Ahあれば通常の使用には十分対応できるものの、日中にエアコンを長期間稼働させたり、長期旅で充電頻度を減らしたいといったケースを考慮すると、400〜500Ahクラスの容量が欲しくなるところだ。
価格(2026年8月現在:千円台切り上げ:税込)
ガソリン2WDのみ選択可能で、1639万円~となっている。
付けておきたい必需オプションは、クールコンプシステム(家庭用エアコンセット:753,500円)、リチウムイオンバッテリー(451,000円~)、マックスファン(175,700円)が挙げられる。(ナビ関連は除く)
ファミリーで車中泊したい場合は、下段ベッド(132,000円)が必要となる。また、、240Wソーラーシステム(297,000円)があれば、日中は常時充電できるので便利だ。
他モデル
国産のデュカトベースモデルは多数登場しているものの、ファミリーに対応しつつ同様のレイアウトを備えたモデルは、不思議なほど他に見当たらない。 ナッツRVの「ゼニア TypeLF」は、後部に2段ダブルベッドが設置されており4名就寝に対応するが、ダイネットはリビングスタイルを採用している。
このように、レイアウトにおいてはダヴィンチ6.0と直接競合するモデルではないが、セカンドダイネットに魅力を感じるユーザーは少なくないだろう。ただし、ギャレーやサニタリールームは、ダヴィンチ6.0に比べると見劣りするため、このあたりのインテリアや機能を重視する場合は候補から外れるかもしれない。しかし、価格帯はダヴィンチ6.0よりも抑えられているため、割り切り次第では魅力的な選択肢となり得る。
一方、輸入モデルに目を向けると、ダヴィンチ6.0と類似したレイアウトを持つ車両が多く存在する。動画ではその一例として、サンリビングの「V60 SP Family」をピックアップした。同モデルは輸入車のため右側エントランスとなるが、レイアウト構成自体はダヴィンチ6.0とほぼ共通している(左右は逆配置)。
欧州車らしいナチュラルなトーンのインテリアや、温水シャワーを備えたおしゃれなサニタリールームが標準装備されている点も魅力だ。ただし、輸入車ゆえにエアコンやリチウムイオンバッテリー、電子レンジなどは国内で追加装着されるため、どうしても後付け感が出てしまう点は課題ではある。
まとめ
ダヴィンチ6.0は、「ファミリーでドライブや車中泊を楽しみつつ、輸入車のような洗練されたインテリアと充実した設備を備えた日本仕様モデルが欲しい」というユーザーに最適な1台だ。
トイファクトリーならではの上質な車内デザインに加え、ラップ式トイレ「クレサナ」の標準装備や、温水シャワーまで対応可能なサニタリールームを設置。さらに左エントランスやシューズスペースなど、日本固有の使い勝手に配慮されたレイアウトは、まさに「理想的な日本向け欧州スタイル」と言える。
あえて短所を挙げるなら、最高峰モデルでありながら必須級装備の多くがオプション設定となっている点だ。家庭用エアコンや大容量リチウムイオンバッテリーは今や高級車の必須条件であり、温水シャワーも欧州車では標準装備が当たり前。最高級モデルに相応しい標準仕様への格上げに期待したいところだ。
必要なオプションをすべて追加するとかなりの高額車となるが、輸入モデルと対等以上に渡り合える国産最高峰の日本仕様車として、極めて高い存在感を放つモデルだ。
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