Darwin(ダーウィン)Q3は、デルタリンクが製作する、ハイエーススーパーロングをベース車にするバンコンキャンピングカー。同社の別ブランド「D.V.D (DELTA VAN DESIGN)」のモデルとなっている。
D.V.Dには「Virgil(バージル)」と「Darwin(ダーウィン)」の2シリーズがあり、バージルはトランポ系、ダーウィンはラグジュアリー系のモデルをラインアップしている。
ダーウィンには、Q1、Q2、Q3、Q5の4モデルがあり、Q1はハイエースワイドロングワゴン、Q2、Q3、Q5はスーパーロングをベース車にしている。このうち今回取り上げたQ3は前部に対座ダイネット、後部にハイマウントダブルベッドを持つ。

ダーウィンQ3の室内
コンセプト:ハイエーススーパーロングの広い室内を使用し、ファミリーにも二人旅にも対応する一般的なレイアウトながら、特にエクステリア、インテリアを意識しハイエンドマーケットをターゲットにしている。

右側はエクステンションウインドウを架装
エクステリア:後部3面のウインドウをアクリルウインドウ化、本格的な断熱対策が標準で施されている。右側はエクステンションウインドウになっており、車内を広く見せることにも貢献している。なお、一目でダーウィンと分かるデカールも標準で施される。
インテリア:高品位なインテリアはダーウィンの最も重要なコンセプトで、高級感がありながらモダンな室内になっている。また間接照明もふんだんに取り入れ、夜の演出も考えられている。
レイアウト:スーパーロングに一般的なレイアウトを採用、前部の対座ダイネットと後部のハイマウント横置きダブルベッドの組み合わせ。ちなみにダーウィンQ5はこの組み合わせに加え、ユーティリティールームを持つ。

5名が対座できるダイネット
ダイネット:2列目と3列目にマルチモードシートを配置。5名が対座できるダイネットを形成する。2列目シートを前向きにすると、計7名が前向きに座ってドライブできる。

フルベッドモード(4名が就寝できる)
ベッド:後部のハイマウントダブルバッドが常設のメインベッドになる。大きさは1800x1400mmで、家庭用ベッドではレギュラーのダブルベッドの幅に相当する。2名で就寝するなら十分広い。
また、ダイネットを展開するベッドは1800x1400mmの大きさで、家庭用ベッドならセミダブルベッドの幅に相当する。(オプションマットが必要)
更に、後部ベッドはローポジションにセットすることができ、この場合はダイネット展開ベッドから連続した3050x1200mm(後方は1000mm幅)の長いベッドになる。これはどのような使い方が想定されているか分からないが、1800mmでは収まらない長身ユーザーの解決策にはなる。

ローポジションにしたベッドボード
ギャレー:ギャレーコンソールには2口コンロが一体になったシンクがビルトインされている。一体になっているとはいえ、十分な大きさのシンクとコンロで、場合によってはキャブコンより豪華なギャレーだ。
なお、各19Lの給排水タンクはギャレーコンソールの下ではなく最後部にある。給排水経路は多少長くなるが、リアゲートを開けるとすぐに取り出すことができるメリットが優先されている。

二口コンロが一体になったシンク
冷蔵庫/電子レンジ:冷蔵庫は39Lのものが標準装備される。冷凍と冷蔵が同時にできる横開き式。エントランスのすぐ横にあるので、車外からでもアクセスしやすい。
上蓋式で妥協せず横開き式の冷蔵庫が採用されたのは、ユーザーにとってメリットが大きい。
更に電子レンジも標準装備。1500Wインバーターも標準装備なので、外部電源が取れない場合でもバッテリーで電子レンジが駆動できる。
ユーティリティールーム:ダーウィンQ3ではユーティリティールームは用意されていない。ユーティリティールームが必要な場合はダーウィンQ5が選択できる。ポータブルトイレを置くとトイレルームにもなる。

ギャレーコンソールの収納
収納:両側にオーバーヘッド収納が備えられており、大きな容量の収納が可能。また、ギャレーコンソールには引き出し収納が用意され、食器や小物を収納できる。
大きな荷物は後部ベッド下に収納しておくことができる。また後部両側には独立した収納スペースが用意されている。ベッド下中央はフリーの収納スペースで、ベッドマットを取り外すと大きな荷物も積むことができる。

後部ベッド下の収納
空調:FFヒーターがオプションで用意されている。(20万円:税別)またベンチレーターもオプション。(78,000円:同)
残念ながら冷房設備のオプションは設定されていない。しかし、今やスーパーロングクラスのバンコンではエアコンの装着が進んでいる。高級モデルなら当然求められる装備になるだろう。
テレビ/ナビ:ナビシステムはオプションで用意されている。またテレビは10.2型のフリップダウンモニターがオプションで用意されている。

後部右側に電装系 ツインバッテリーと1500Wインバーター(手前)
電装系:100Ahのディープサイクルバッテリーが2個標準装備される。また走行充電、外部入力と外部入力による充電機能も標準装備される。更に先述のように1500Wサイン波インバーターも標準装備されているので、電装系に関してはほぼ全て装備されている。
必要に応じて200Wのソーラーシステム(26万円:同)も装備しておくと、常にサブバッテリーが満充電にしておける。ソーラーパネルは専用の台座に組み込まれるので、見た目もスマートに取り付けできる。

オプションの200Wソーラーシステム
価格:特装車仕様、ガソリン 2WD/6ATで560万円~(税別)。またGLパッケージの場合は536万円~(同)。必要なオプションはFFヒーターとベンチレーターくらいなので追加で30万円程度が必要となる。

他車:最も近い存在はトイファクトリーのバーデン(550万円~)だろう。同じレイアウトを持ち、エクステンションウインドウを架装したモデルは以下。全てキャンパー特装、ガソリン
2WD/6AT 税別価格で1000円桁切り上げ。
オールインレジェンド 甲和オートサービス 634万円~
コンパスドルク ホワイトハウス 572万円~ (レビュー記事はこちら)
バーデン トイファクトリー 550万円~ (レビュー記事はこちら)
リークII ナッツRV 488万円~ (レビュー記事はこちら)
レム プラス キャンパー鹿児島 486万円~
なお、オールインレジェンドは家庭用エアコン付き。家具の配置、形状はダーウィンQ3とほぼ同じで色柄が異なる。なお、他のモデルはリークⅡを除きエアコンの選択ができる。
まとめ:ダーウィンQ3の560万円~という価格は、上記の比較対象モデルと比べると、特に高価という訳ではない。豪華なギャレー、横開き式冷凍冷蔵庫、1500Wインバーターと電子レンジ、充実した電装系、インテリアの洗練度を見ると妥当な価格と言える。
しかしやはり強く希望したいのはエアコンのオプション設定だ。いくら高級感があり、洗練された室内でも汗だくで過ごす気にはなれない。高級モデルこそ早急に冷房のソリューションが望まれる。
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