TR550L ボレロ-V.maxは、RVトラストが製作する、ハイエースワイドワゴンをベース車にしたキャブコンバージョンキャンピングカー。
同社は福岡県福岡市に本社を置くビルダーで、主にハイエースベースのキャブコンやバンコンをラインアップしている。 モデル数こそ多くはないが、ホテルのようなインテリアを持つC-LHや、キャブコンでは珍しい、2列目にマルチモードシートを採用し、6名が前向き乗車できるTR500ニュートライズのようなユニークなモデルを揃える。
ボレロ-V.maxは同社のフラグシップで、初代は2016年に発売されたロングセラーモデル。発売当初から基本レイアウトは変更されていないが、2021年にはリチウムイオンバッテリーを新に搭載するなど進化している。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエース ワイドロングワゴンをベース車としたキャブコンタイプのキャンピングカー。全長5,500mm、全幅2,150mmと5mを超えるフルサイズボディでゆとりある室内となっている。
上質なインテリアに定評のある同社だが、フラッグシップモデルにふさわしいラグジュアリーな室内空間に仕上げられている。 レイアウトは、リビングスタイルのダイネットを備えた2人旅仕様。後部には縦置きダブルベッドを配置したユニークな設計となっている。
もちろんサニタリールームも完備しており、温水シャワーや跳ね上げ式の専用手洗いを標準装備する。 電装系には600Ahの大容量リチウムイオンバッテリーをはじめ、家庭用エアコンやFFヒーターも標準で備わっており、極めて充実した装備内容となっている。
アピールポイント
・ハイエースワイドロングワゴンGLがベース車で充実した運転席周り
・イージークローザーを標準装備
・高級感のある室内
・二人旅を想定したリビングスタイルダイネット
・ウッドスプリングを採用したリアダブルベッド
・温水シャワーを標準装備
・大容量600Ahのリチウムイオンバッテリーを標準装備
・家庭用エアコンとFFヒーターを標準装備
ベース車とエクステリア
ボレロ V.maxのエクステリア
ベース車両には「ハイエース ワイドロングワゴン GL」を採用。GLグレードのため、ボディ同色バンパーやメッキフロントグリル、プッシュスタートシステム、オートエアコンといった乗用車と同等の快適装備が標準で備わる。
(装備一覧表はこちら)
このベース車に多層構造高断熱性FRPシェルを架装。シェルの内部には「鋼製スペースフレーム」が組み込まれており、堅牢性を確保している。ドアにはオリジナル集中ドアロックとイージークローザーを標準装備。サイドオーニングも標準装備だ。
更に足回りは専用強化ショックアブゾーバーとオリジナル強化リーフスプリングに加え、リアにはエアサスペンションを標準装備し、走行性能も妥協していない。なお、駆動方式はガソリン4WDのみのラインアップとなる。
レイアウト
ボレロ V.maxのレイアウト
レイアウトは前部にリビングスタイルのダイネットとバンクベッド、エントランス横にギャレー、後部に縦置きダブルベッドとサニタリールームの構成。二人旅に適したレイアウトとなっている。
ダイネットに1名が前向き乗車できるので、運転席、助手席と合わせて3名が前向き乗車できる。ダイネットには横座りであと2名が乗車できるので、乗車定員は5名となっている。
インテリア
後部のインテリア
濃い木目調の家具とアイボリー系のダイネットシートを組み合わせ、落ち着きのある室内に仕上げられている。オーバーヘッド収納の扉にはホワイトを採用しており、シックなダーク系の家具色でありながら、重くなりすぎず明るい室内空間を演出している。
ダイネット
リビングスタイルのダイネット
アイボリーのL字型リビングソファと、足元に敷かれた脱着可能な専用絨毯が、室内に優雅な印象を与えている。フロントシートの後部もダイネットシートとして使用でき、来客時にもゆったりとテーブルを囲んで団欒を楽しめる。ダイネット横には大型のアクリル2重窓が設置されているほか、上質なアクセサリーカーテンも高級感を際立たせている。
ベッド
後部のベッド
後部ベッドのサイズは1,850×1,200mm。幅1,200mmは家庭用のセミダブルベッドに相当するため、大人2名で就寝するにはややタイトに感じるかもしれない。しかし、ベッドにはウッドスプリングと体圧分散効果を持つオリジナルのプロファイルウレタンマットを採用しており、質の高い快適な寝心地が期待できる。
バンクベッド
バンクベッドは引き出してセットし、幅、奥行きとも1900mmの大きさ。家庭用ではキングサイズベッドの幅(1800mm)以上で、大人が3名就寝できる。後部のベッドと合わせて就寝定員は5名となっている。
ギャレー
ギャレーセクション
ギャレートップにはシンクとフォーセット、さらに常設の2口コンロが標準装備された豪華な仕様だ。常設コンロを備えているため、使用のたびにカセットコンロを出し入れする手間がなく、使い勝手に優れている。
ギャレーキャビネットの収納
ギャレーキャビネットには引き出し収納のほか、下部に観音開きの収納スペースを備えている。カトラリーや食器などを整理・収納するのに最適だ。
ギャレー上部の収納
さらに、キャビネットの上部にはオーバーヘッド収納も設置されている。十分な容量が確保されており、調理器具類などを収納しておくことができる。
冷蔵庫/電子レンジ
85L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は85Lの横開き式が、ギャレーキャビネット内に標準装備される。冷凍室も備えているため、製氷や冷凍食品の保冷と、飲料・食品の冷蔵を同時に行える。
設置位置はエントランスに近く、右開きの片開きタイプが採用されている。エントランス側からのアクセスが良いため買い出し後の収納には便利だが、ギャレーで調理をしている際には扉が遮りになり、中の物を取り出しにくい面もある。左右どちらからでも開く両開き式であれば、さらに利便性が高かっただろう。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。2000W正弦波インバーターも標準装備なので、外部電源が無いところでも使用できる。手軽に温め調理ができる電子レンジは、車中泊やクルマ旅において欠かせない重宝する装備だ。
多目的ルーム
温水シャワーが標準装備のサニタリールーム
サニタリールームには温水シャワーと専用手洗いが標準装備される。ハイエースベースのキャブコンで温水シャワーを備えるモデルは非常に希少だ。給排水タンクは各50Lを確保しており、ギャレーとの共用仕様となっている。
ラップポンなどのラップ式トイレやポータブルトイレを設置すれば、トイレルームとしても利用可能。
室内にはラップ式トイレ用の100Vコンセントが用意されているほか、ルーフには専用ベンチレーター、足元にはFFヒーターの吹き出し口まで完備されており、冬場でも快適に利用できる。
なお、外部アクセス用のバゲッジドアは上下2分割タイプが採用されている。出し入れや作業性を考慮すると、1枚構造の大型ドアの方がより扱いやすかったかもしれない。
収納
収納は前出のギャレーまわりの収納の他、ダイネット上部のオーバーヘッド収納、ベッド周辺のクローゼットと収納、小物収納、シューズボックス、後部のベッド下の収納があり、充実した収納スペースが用意されている。
ダイネット上部のオーバーヘッド収納
ダイネットウインドウの上部にはオーバーヘッド収納が設置されている。高さ奥行きとも十分で、大きな容量がある。
ベッド上部のクローゼット
ベッドの上部にはクローゼットも設置されている。コートやジャケットなど、かさばる衣類を皺を付けづに収納しておけるのは大変ありがたい。ベッドサイドにはクローゼットの右横にも収納が設置されている。
ダイネットシート下の小物収納
ダイネットシートの下にも小物収納が用意されている。
シューズボックス
エントランス横にはシューズボックスを設置。ステップもあるので、二人分の靴なら十分に収納できるだろう。
空調
最後部に設置された家庭用エアコン
家庭用エアコンが標準装備される。室内機は最後部に前向きに設置されているため、冷気が前方までストレートに到達する。室外機は車体右側後部に設置されている。
テレビ/ナビ
19型のテレビモニターが標準装備される。オプションで更に大画面のテレビも選択できるようだ。ナビも標準装備される。
電装システム
600Ahの大容量リチウムイオンバッテリーが標準装備される。これだけの容量があれば、エアコンを長時間使用しても全く問題ないし、長期旅なら充電する回数を減らすこともできる。
その他の電装システムでは、走行充電、外部電源入力とチャージャー、2000W正弦波インバーター、600Wソーラーシステムが標準装備される。電装システムは強力かつフル装備だ。
価格(2026年9月現在:千円台切り上げ:税込)
ガソリン4WDのみラインアップされており、車両本体価格は1915万円~。
標準装備が充実しているため、付けておきたい必需オプションはない。
他モデル
ボレロ V.maxと同様に、二人旅向けのレイアウトを持つハイエースキャブコンとしては、RVビックフットのACSプルミエM5.7(1834万円~:4WD)がある。こちらはハイエーススーパーロングをベース車にしており2WDも選択できる。全長は5700mmでボレロ V.maxより200mm長いが、全幅は150mmスリムだ。
装備面では温水シャワーが設置されていないので、必要とするユーザーは対象外となる。後部の横置き常設ダブルベッドは、1830x1150mmでボレロ
V.maxより多少幅が狭い。
対座ダイネットを持ち、二人旅だけではなくファミリーにも対応できるモデルでは、セキソーボディのトム バロン(1232万円~:4WD)が挙げられる。このモデルもハイエーススーパーロングをベース車にしており、2WDも選択できる。全長は5970mmで、ボレロ
V.maxより470mmも長い。後部の横置き常設ダブルベッドのベッドサイズのデータは無いが、全長が長い分、ベッドも広くなっているようだ。
ファンルーチェのニューモデル、トリグラフ(1535万円~)も選択対象になるかもしれない。こちらはハイエースワイドロングがベース車だがワゴンではなくバンSGLだが、モダンリビングのようなインテリアが特徴。対座ダイネットと後部の横置き常設2段ベッドでファミリーにも対応できる。
まとめ
TR550 ボレロ V.maxは、キャブコンの中でも最上級クラスに位置するモデルであり、上質なインテリアや充実した装備など、どの要素をとっても洗練された仕上がりを見せる。あらゆるニーズを満たす完璧なキャンピングカーは存在しないものの、質の高い二人旅を求めるユーザーにとって満足度の極めて高い一台と言える。
本モデルの価格帯を視野に入れると、アネックスのリバティ52DBiなどのカムロードベースのハイエンドキャブコン、RVランド「ランドホームコースター」のようなバスコンや、トイファクトリー「ダヴィンチ6.0」をはじめとするデュカトベースの高級バンコン、あるいはアドリアのコンパクトスプリームといった輸入モーターホームまでもが比較対象に入ってくる。
しかし、高い信頼性を誇るコンパクトな車体サイズと、妥協のない上質さ、そしてトラックベースではないベース車を兼ね備えたキャブコンとなると、選択肢は極めて限られる。そのような条件で探しているユーザーにとって、ボレロ
V.maxはまさに狙い通りの魅力的な存在と言えるだろう。
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