アルテ6は、アネックスが製作する、日産キャラバン標準幅スーパーロングをベース車にするバンコンバージョンキャンピングカー。
同社は徳島県吉野川市に本拠を置くビルダーで、カムロードベースのキャブコンから、ハイエースやNV200バネットベースのバンコンまで多数のモデルをラインアップする総合ビルダー。
同社のバンコンは、ハイエースが中心で、リコルソ7やリコルソ5、ウィズなどロングセラーモデルが主力のラインアップとなっている。アルテシリーズは2025年に発表されたアルテ5(発表時はアルテ)が最初のモデルで新しいラインアップで、アルテ6はその上位モデルとなる。
これらはすべてクルマ旅を想定したラグジュアリーモデルで、最も大型のハイエーススーパーロングを使用したリコルソ7、ミドルサイズのリコルソ5とアルテ6、標準ボディハイルーフのウィズ、最も小型のアルテ5と、ボディサイズのラインアップが繋がったことになる。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
日産キャラバン標準幅スーパーロングをベース車にしたバンコンモデル。2列目に単座のマルチモードシートを持ち、3名が前向き乗車できる。このシートを後ろ向きにすると、2名対座のシートとベンチシートで、テーブルを囲むダイネットになる。
ダイネットを展開すると、大人2名+子供1名が就寝できるクィーンサイズに近い幅のベッドになるが、オプションの上段ベッドを追加すると、更に子供が2名就寝できる。
多目的ルームは持たないが、その分広いダイネットを可能にしている。ギャレーには58L横開き式冷凍冷蔵庫や電子レンジを標準装備。
標準仕様、クーラーパッケージプラス仕様、クーラーパッケージプラス2仕様の3グレードが用意されており、上位2仕様には車載用クーラーが標準装備される。電装システムもグレードによって異なるが、その他の装備は共通となっている。
アピールポイント
・運転し易さと広い車内を両立するキャラバン標準幅スーパーロングを採用
・2列目に単座のマルチモードシートを設置、3名が前向き乗車できる
・2名対座シートとベンチシートのダイネット
・オプションの上段ベッドを追加すると、ファミリーでの車中泊が可能
・58L横開き式冷蔵庫と電子レンジを標準装備
・車載用クーラーと最大500Ahのリチウムイオンバッテリーを選択可能
ベース車とエクステリア
キャラバン銀河のエクステリア
ベース車は日産キャラバン標準幅スーパーロング。バンDXか上位グレードのEXを選択できる。それぞれ、2WDと4WD、ガソリンとディーゼルを選択できる。
ボディ外側に架装は無いため、外観はノーマルのキャラバンと変わらない。標準幅スーパーロングは、全幅は1695ミリで標準ボディと変わらないが、全長は5080ミリで、標準ボディのアルテ3よりより40cm弱長くなる。
レイアウト
アルテ6のレイアウト(図:アネックス)
2列目にマルチモードシートを採用。前向き時はフロントの3名と合わせて計4名が乗車できる。ただ、運転席と助手席の間の補助席は簡易シートのため、実質的には大人3名が快適に前向き乗車できる。
2列目シートはレッグレストモードにもできる。なお、ベンチシートの横座りも含めると、乗車定員は7名となる。
2列目シートを反転させれば、3列目シートとの間で2名用の対座ダイネットになる。さらにベンチシートもあるため、5名程度でテーブルを囲める。マルチルームを省いた分、開放的なダイネットを実現している。
ベッド展開時はクイーンサイズ相当の広々とした就寝スペースになる。オプションの上段ベッドを装着すれば、大人2名と子供3名が就寝可能。ファミリーでの本格的な車中泊にもしっかり対応できるのが特徴だ。
インテリア
後部のインテリア
インテリアは北欧風のナチュラルな配色が特徴で、明るく落ち着いた空間に仕上がっている。同社のデザインは以前から洗練されていることで定評があり、細部まで高い質感にこだわった高級感のある室内が魅力だ。
写真で右側の窓2箇所を塞いでいる有孔ボードはオプション設定となる。このボードを装着することで、散らかりがちな小物をすっきりと整理整頓できるだけでなく、お好みのアイテムを飾ってインテリアのアクセントにもなる。
間接光を取り入れた照明
照明は、シーりイングボードに埋め込まれたスポットライトと間接照明による洗練された光の演出で、夜のインテリアを美しくスタイリッシュに彩ってくれる。もちろん調光も可能だ。
ダイネット
ダイネットは2通りの形態がある。
フロントでの2名対座ダイネット
1つ目のパターンは、2列目シートを前向きにしたままフロントの簡易シートとで作る2名用の対座ダイネット。テーブルは自由に回転して位置を調整できるため、乗り降りの邪魔にならないよう奥へ引っ込めるなど、状況に応じた柔軟な配置が可能だ。
後部のダイネット
2つ目は、2列目シートを後ろ向きに反転させて3列目シートと向かい合わせる2名用の対座スタイル。同じテーブルを移動させて使用し、横のベンチシートも合わせれば最大5名ほどでテーブルを囲めるため、大人数での団らんにも対応できる。
ベッド
上下段ベッド
ダイネットを展開すると2300×1500mmのクイーンサイズの幅(1600mm)に近いベッドになり、大人2名と子供1名が就寝できる。2列目の単座シートをフラットにして背もたれを中央に移動するだけで完成し、各パーツが小さく分割されているため軽い力で簡単にベッド展開ができる。
さらにオプションの上段ベッドボードを追加すれば、1700×1500mmの子供2名用ベッドが出現する。これにより大人2名と子供3名の計5名が就寝できるようになり、ファミリーでの快適な車中泊やクルマ旅が楽しめるのが大きな特徴だ。
ギャレー
ギャレーセクション
右側前部のギャレーカウンターには、丸型シンクとフォーセットが設置されている。フォーセットは磁石固定式で、取り外して車外で使うことも可能。カウンターにはポータブルコンロやIHを置くスペースも確保されており、手軽に調理を楽しめる。
各12Lの給排水タンク
キャビネットには引き出し収納が備わり、カトラリーや食器、あるいは調理器具をすっきり整理できる。一番下の引き出しには各12Lの給排水タンクが収まっており、車外から直接ではないものの、手前側から簡単にタンクを出し入れできる扱いやすさが魅力だ。
冷蔵庫/電子レンジ
58L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫はこのクラスのバンコンとしては大容量な58Lの横開き式が標準装備される。独立した冷凍室を備えているため、氷を作ったり冷凍食品を保冷したりすることが可能だ。
電子レンジも標準装備される
電子レンジも標準装備され、ギャレーキャビネット上部へすっきりと収められている。横にはオープンの棚収納も用意。冷凍食品の解凍や市販のお弁当の温めなど、電子レンジは今やクルマ旅の必需品と言える。
多目的ルーム
アルテ6に多目的ルームはないが、その分広いダイネット空間を確保している。なお、同社のバンコンには多目的ルームを持つモデルが存在しないため、多目的ルームを必須とするユーザーは他社モデルを検討する必要がある。
収納
収納は先述のギャレーキャビネットの収納のほかに、ダイネット上部に設置されたオーバーヘッド 収納、 ベンチシート下の収納、ベッド下の収納がある。
オーバーヘッド収納
まず、ダイネット上部のオーバーヘッド収納は、右側に扉付き、左側にネット式が用意されている。右側の扉付き収納は一定の容量があるものの、高さがやや不足しているため大容量とは言えない。実用的な収納量よりも、室内のスタイリッシュなデザイン性を重視した設計だ。
左側のネット収納(写真提供:アネックス)
左側のネット収納はブランケットなど軽いものを手軽に収められる反面、中身が見える点や中央の荷物が取り出しにくい難点もある。室内への圧迫感を抑えるための仕様だが、やはり実用面から左右ともに扉付きのオーバーヘッド収納を望む声もあるだろう。
前部の簡易シート下の収納
シート下の収納は、3列目シート下と前方の簡易シート下が収納スペースになっている。いずれも上部のシートクッションを持ち上げてアクセスする構造のため、頻繁に出し入れする物よりは、使用頻度の低い荷物の保管に向いている。
ベッド下の収納
ベッドモードに展開すると、下は大きな収納スペースとして機能する。就寝時に邪魔になりがちな大きめのバッグなどをこのスペースに収めておけば、ベッドの上が煩雑になることなく、広々と快適に就寝できる。
後部のラゲッジスペース
後部のベッドボードを取り外すことで、広いラゲッジスペースが出現する。リアゲートを開けて、大きな荷物や背の高い荷物も車外からダイレクトに積み込むことが可能。状況に応じてフレキシブルに積載空間を広げられる。
空調
ギャレー上部に設置された家庭用エアコン(OP)
クーラーパッケージプラスとクーラーパッケージプラス2仕様には12Vの車載用セパレートクーラーが標準装備。室内機は最後部に設置され、車内全体へストレートに冷気を届ける。FFヒーターやマックスファンはオプションだが、ベンチレーターを追加すると全高が上がる点には注意したい。
テレビ/ナビ
テレビやナビはオプションリストに記載されていないが、市販の好みのモデルを設置することは可能だろう。テレビに関しては、現代ならタブレットを活用して自宅のチューナーを遠隔操作する視聴スタイルのほうが、設置場所を選ばず自由度も高いためおすすめだ。
電装システム
電装システムは仕様ごとに異なり、標準仕様には80AhのAGMバッテリー、クーラーパッケージプラスには200Ah、クーラーパッケージプラス2には500Ahの大容量リチウムイオンバッテリーが標準装備される。
その他の電装システムとして、走行充電システムや外部100V電源入力およびチャージャーを標準装備。インバーターは最上位のクーラーパッケージプラス2のみ3000Wの正弦波インバーターが標準装備され、その他の仕様ではオプションとなる。
ソーラーシステム
ソーラーシステムはオプションとして用意されており、250Wのソーラーパネルを最大2枚まで設置可能だ。これにより、日中に効率よくサブバッテリーへ充電できるため、外部電源を取りにくい環境での車中泊でも心強い味方となる。
価格(2026年5月現在:千円台切り上げ:税込)
最も安価な標準仕様DXグレードガソリン2WDで744万円~、最も高価なクーラーパッケージプラス2仕様EXグレードディーゼル4WDで970万円~となっている。最も一般的と思われるクーラーパッケージ仕様EXガソリン2WDは823万円~となっている。
付けておきたい必需オプションは、例えばクーラーパッケージ仕様EXガソリン2WDでは、2000W正弦波インバーター(181,500円)、FFヒーター(297,000円)が挙げられる。(ナビ関連は除く)また、ソーラーシステム(198,000円/1枚250W)はできれば付けておきたい。(価格表はこちら)
他モデル
キャラバン標準幅スーパーロングをベース車にし、レイアウトが近いモデルは、レクビィのプラスリビンがある。プラスリビンは2026年に発表されたニューモデルで、2列目のマルチモードシートの有無と後部の多目的ルームの有無の組み合わせで4種類のレイアウトが選択できる。
プラスリビンのアルテ6に対する特徴は、後部の多目的ルームを選択できること。ただし、このレイアウトではベッド長が1830mmに抑えられるため、長身のユーザーは実際に横になって確認すると良いだろう。
一方、プラスリビンには上段ベッドのオプションは無いので、ちいさな子供連れのファミリーが車中泊する場合は、アルテ6の方が有利だ。
まとめ
アルテ6は、広い室内ながら運転しやすいサイズで、初めてキャンピングカーを購入するユーザーにとっても最適なモデルのひとつだ。特に小さな子供を持つファミリーで車中泊やクルマ旅を考えているユーザーにはお勧めできる。
縦置き2段ベッドと多目的ルームを持つ、OMCのキャラバン銀河も選択肢に入れるケースもあると思われるが、広々感を求めるならアルテ6は適切な選択肢となるだろう。
一方、価格を見るとプラスリビンより高価だ。クーラーパッケージプラスでは200Ahリチウムイオンバッテリー標準装備、FFヒーター、マックスファン、2000W正弦波インバーターはオプションで823万円~だが、プラスリビンはこれら全て標準装備で、リチウムイオンバッテリーは300Ahとアルテ6より大きいが、価格は安価で803万円~だ。
両車とも非常に完成度が高いハイグレードモデルで甲乙つけ難いが、アルテ6の上段ベッドやプラスリビンの多目的ルームなど、それぞれの特長を生かした選択が可能だ。
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