AKATSUKI(アカツキ)ワイドベッドモデルは、NTB(日本特種ボディー)が製作する、いすゞBe-cam(ビーカム)をベース車に使用したキャブコンキャンピングカー。
同社は埼玉県越谷市を本拠に置くビルダーで、いすゞ製のベース車を使用したキャブコンモデルを中心に製作している。2026年6月に、東京都八王子市に、NTBキャンピングカー常設展示場「NTB八王子店」をグランドオープンしている。
初代いすゞBe-camは2011年に開発され、現在は2023年にフルモデルチェンジされた同社の小型トラック「エルフ」がベースとなっている。2024年にエルフミオがベースのトラヴィオが発表され、いすゞのキャンピングカー向けシャシーはBe-camと2本立てになった。
AKATSUKIワイドベッドモデルは、オリジナルのAKATSUKI(現在はラインアップされていない)の後部ベッドの幅を約20cm広くしたモデル。なお、キャンパー鹿児島のTaBee-Ks(タビークス)はAKATSUKIのOEMモデルで、現在もラインアップされている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
いすゞBe-camをベース車にしたキャブコンキャンピングカー。Be-cmの卓越した動力性能と先進の安全装備が魅力。レイアウトは前部に対座ダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置き常設2段ベッドの最も一般的なレイアウトを採用している。
オプションで温水シャワーが設置できたり、家庭用エアコンと5000Whのリチウムイオンバッテリーを標準装備する。1500万円を超える価格帯はハイエンドモデルに位置するが、ラグジュアリー性よりもベース車の装備や安全性にシフトしている。
アピールポイント
・動力性能と安全性に優れたいすゞBe-camをベース車に採用
・効率の良い横置き2段ベッドレイアウトを採用
・オプションで温水シャワーを設置可能
・家庭用エアコンを標準装備
・5000Whの大容量リチウムイオンバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア
AKATSUKIワイドベッドモデルのエクステリア
いすゞのキャンピングカー専用シャシー「Be-cam」をベースに、3.0リッターのディーゼルターボエンジンを搭載。注目の新機構である9速トランスミッション「ISIM(アイシム)」の採用により、トラック特有の変速ショックを感じさせない滑らかな加速と、圧倒的な室内の静粛性を実現。まさに長距離を移動するキャンピングカーに最適な心臓部といえる。
この強固なシャシーにFRPパネル工法のシェルを架装。これほどの動力性能と快適な居住空間を持ちながら、全長は5メートル未満をキープ。一般的な5×2メートルの駐車枠に収まるコンパクトなサイズ感のため、コインパーキングや狭い街中でもストレスなく駐車できる。
レイアウト
後部に2段ベッドがあるレイアウト
前部に対座ダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に常設横置き2段ベッドの構成で、キャブコンでは最も一般的なレイアウトを採用。室内高は1950mmで、大人が立っても頭がつかえない。
乗車定員は、フロントに3名、ダイネットに4名で、計7名。4名が3点式シートベルトを着用して前向き乗車できる。
インテリア
後部のインテリア
車内に入ってまず目につくのは、豊富に配された間接照明だ。ルーフをはじめダイネット上部やベッドルームに至るまで効果的に取り入れられており、夜間のインテリアを上質に際立たせる。
家具には薄い木目調を採用し、落ち着いた雰囲気を演出。納品のスピード感を最優先しているため、家具色やシート地といったインテリアカラーの選択肢は用意されていない。
ダイネット
4名対座のダイネット
ダイネットは4名対座を基本としつつ、幅広に設計された2列目の後ろ向きシートにはもう1名が着座可能だ。中央のテーブルは昇降式となっており、高さだけでなく位置も柔軟に調整できる。
また、ダイネット横のアクリル二重窓にも特徴がある。一般的な跳ね上げ式ではなくスライド式を採用することで、走行中も開けることができる。網戸とシェードも標準で組み込まれている。
ベッド
ベッドは、バンクベッド、後部の2段ベッド、そしてダイネットを展開するダイネットベッドの3カ所にある。バンクベッドに3名、2段ベッドに2名、ダイネットベッドに2名で、計7名が就寝できる。
下段ベッド
まずダイネットベッドは引き出し式で、車幅方向の長さは1850mm、奥行きは1820mmの大きさ。これは家庭用では、キングサイズ以上の幅に相当し、仕様上では3名が就寝できる。
後部の2段ベッド
後部の常設2段ベッドは、上下段ともに長さ1,880mm、幅850mmのサイズを確保している。「ワイドベッドモデル」では従来比で幅が20cm拡張された。全長を変えずにベッドスペースを広げたため、ダイネットや多目的ルームの配置にしわ寄せが及ぶものの、全体の空間は巧みに収められている。
ダイネットベッド
ダイネットベッドのサイズは長さ1,840mm、幅1,340mm。通路部分までベッドスペースとして有効活用する構造により、大人2名がゆったりと就寝できるダブルベッドを実現している。
ギャレー
ギャレーセクション
ギャレーキャビネットにはシンクと水栓が配置され、引き出し式の延長テーブルにより調理スペースの拡張が可能だ。一方で常設コンロの設置はなく、キャビネット自体の収納力も不足しているため、このクラスのモデルとしてはやや物足りなさが残る。
シンク下には給排水タンクを収納
シンクの下には各20Lの給排水タンクが収納されている。これらのタンクは、反対側に設けられている車外のドアから直接出し入れできるため、大変便利だ。
冷蔵庫/電子レンジ
72L冷蔵庫を標準装備
冷蔵庫は72L横開き式を標準装備。エントランス横に収納されているので、車外からもアクセスしやすい。
電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様電子レンジを標準装備する。ギャレー上部にすっきりと埋め込まれており、使い勝手の良い配置となっている。
多目的ルーム
多目的ルーム
ベッドが広くなった影響を受けているのか、多少狭くなったように感じるが、トイレを置いてトイレルームにすることはもちろん可能だ。ただし、この価格帯のモデルとしては手洗いなどが無くシンプルな作りとなっている。
オプションで温水シャワーを設置することができるが、ボイラーや防水処理のため80万円近くが必要だ。また、外部へのドアが無いため、車外から荷物を入れたりトイレの処理をすることができない。
一方、FFヒーターの吹き出し口と100V電源コンセントは設置されている。電源の必要なラップ式トイレを置くと、すぐにトイレルームとして活用できるし、冬場に寒い思いをすることもない。
収納
収納は、ダイネット上部のオーバーヘッド収納とベッド下の収納がメインとなる。
オーバーヘッド収納
ダイネット上部には、十分な高さと奥行きを備えた大容量のオーバーヘッド収納を設置。車内から直接アクセスできる収納スペースはここのみとなるため、貴重な存在だ。
後部ベッド下収納
後部のベッド下には広大な収納スペースが確保されており、キャンプ用具などのかさばる荷物を車外から直接積み込める。
アクセス用の開口部はリアと左側面に配置されているが、右側面には設けられていない。家庭用エアコンの室外機による干渉等も見受けられないため、右側への扉の追加が望まれる。
空調
エントランス上部に設置された家庭用エアコ
家庭用エアコンが標準装備され、室内機はエントランス上部に設置される。オーバーヘッド収納の扉と同じデザインでカバーされているので、インテリアをスポイルしていない。
暖房はFFヒーターを標準装備。リモコン付きマックスファンも標準装備される。
テレビ/ナビ
24型のテレビがオプションで用意されている。またナビはカロッツェリアの楽ナビが標準装備される。
電装システム
標準仕様で5,000Whのサブバッテリーを搭載し、オプションで同容量を追加すれば計10kWhの超大容量電源が構築できる。通常の利用なら標準の5,000Whで十分賄えるが、長期の車中泊旅で外部充電の頻度を抑えたい場合には増設の価値が高い。
その他の電装系は、走行充電、外部100V入力とチャージャー、2,000W正弦波インバーターが標準装備される。さらにオプションとして、最大780Wのソーラー発電システムを設置できる。
価格(2026年8月現在:千円台切り上げ:税込)
ディーゼル2WDは1569万円~、ディーゼル4WDは1701万円~となっている。
必需装備は標準で付いているため特に無い(ナビ関連は除く)が、ソーラーシステムは付けておくと自然に充電されているのでお勧めだ。外部充電などの頻度を抑えることができる。(価格表はこちら)
なお、仕様打ち合わせの時間には制限があるため注意が必要だ。価格表によると標準5時間を超えると1時間につき8,800円の追加費用が発生する。ビルダー側の打ち合わせ効率化を図る意図と推察されるが、高額な買い物だけにユーザーとしてはじっくり検討したいのが本音だ。こうした時間的制約は、キャンピングカーを購入する楽しさを損ねかねない。
他モデル
このレイアウトで検討する場合、Be-camをベース車とするモデルはキャンパー鹿児島の「TaBee-Ks(タビークス)」以外に存在しないが、同車はAKATSUKIのOEMモデルであるため仕様はほぼ共通している。そのため本稿では、同等のレイアウトでコストパフォーマンスに優れる「NTB
KAGAYAKI」と、同価格帯で豪華な装備を備えた「アネックス リバティ52DBi」の2台を比較対象としてピックアップした。
NTB KAGAYAKI(1270万円~)
NTBのKAGAYAKI
いすゞトラヴィオをベースとしたKAGAYAKIは、5×2mの駐車枠に収まるサイズ感であり、AKATSUKIワイドベッドモデルと同等だ。トラヴィオの動力性能はBe-camに譲るものの必要十分であり、最新ベース車ならではの安全性能も遜色ない。
居住性においてもAKATSUKIワイドベッドモデルに引けを取らない。特に冷蔵庫をエントランス前部へ配置転換したことで大型化を実現し、ギャレーキャビネットの収納確保やシューズボックスの拡大など利便性を高めている。
一方で後部ベッド幅はAKATSUKIワイドベッドモデルより10cm狭く、温水シャワーの設定も考慮されていない。こうした違いはあるものの、両者の間にある300万円の価格差は大きな魅力となる。
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アネックス リバティ52DBi(1703万円~:Ultra Power 6000)
アネックスのリバティ52DBi
トヨタ・カムロードをベースとしたモデルで、流麗なエクステリアと洗練されたインテリアで高い人気を誇る。ベース車の動力性能や設計の経年化は弱点となるものの、市場での圧倒的なシェアが物語る信頼性は大きな強みだ。
車両本体価格はAKATSUKIワイドベッドモデルを上回るが、床暖房や温水シャワーを標準装備し、5760Whのリチウムイオンバッテリーを備える点を含めれば価格差は実質的に縮まる。現在販売されるキャンピングカーの中でも、屈指の充実度を誇るハイグレードモデルと言える。
車体サイズが5×2mを超えるためコンパクトさを重視する層には向かないが、この余裕ある室内スペースは長期にわたる車中泊旅において絶大な魅力となる。
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その他の選択肢
ナッツRV クレア5.0TypeW(1224万円~)
クレアは、同社が展開するカムロードベース・キャブコンの旗艦モデルに位置付けられる。ラインアップにはAKATSUKIワイドベッドモデル同様に5mを切る「クレア5.0」のほか、全長5.3mにおよぶ「5.3
TypeW」も用意されている。
温水シャワーはオプション設定となり、床暖房などの装備は用意されないものの、快適な滞在に必要な基本装備は標準で一通り網羅されている。 な
お、全幅は「5.0 TypeW」であっても2mを超える設定だ。そのため、一般的なコインパーキングなどを頻繁に利用するシチュエーションでは、取り回しにやや不便さを覚える場合がある。
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バンテック ジル520 / コルドバンクス(1442万円~/ 1234万円~:リチウムイオンバッテリー仕様)
カムロードをベースとするバンテックのラインアップにおいて、「ジル」シリーズは5×2mを超えるサイズ感を誇る旗艦モデル。一方の「コルド」シリーズは5×2m枠に収まる扱いやすいサイズで、普及モデルでありながら充実した装備を備えるキャブコンの定番として支持されている。
中でも「コルドバンクス」は普及帯でありながら常設2口コンロを備えた本格的なギャレーを標準装備し、オプションで温水シャワーの設置にも対応。両シリーズともに、EcoFlowと共同開発した6,000Whの先進リチウムイオンバッテリーシステムを標準搭載している。
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まとめ
AKATSUKIワイドベッドモデル最大の魅力は、キャブコンのベース車として最高峰に位置付けられるBe-camを採用している点だ。すぐれた動力性能と安全性を最優先するユーザーにとって最適な一台と言える。動力性能を高めつつ、5×2mの駐車枠に収まるコンパクトなサイズ感に留めている点も極めてユニークだ。
反面、居住部は比較的オーソドックスな造りが目立つ。価格帯を考慮するともう少し豪華で充実した装備を期待したいところであり、ベース車の高コストが居住部の装備面に影響を与えている印象は否めない。温水シャワーを必要としないのであれば、トラヴィオをベースとするKAGAYAKIでも何ら不満は感じないはずだ。
Be-camの真価が真に発揮されるのは、5×2mを超える車体サイズのSAKURAだろう。しかし車両価格は2000万円に迫る領域へ達してしまう。Be-camは先進的で理想的なベース車であるものの、導入コストの高さが課題ではある。
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