激動の5m未満キャブコンマーケット
カムロードキャブコンは大きく全長が5m以上と5m未満に分類されるが、近年では、運転しやすさと低価格化を目的にした4.8mクラスのショートカムロードキャブコンも各社から発売されている。
また、新たに準中型免許が必要になったカムロードのディーゼル車に対抗し、普通免許で運転できる、いすゞトラヴィオがキャブコンマーケットに参入してきた。2026年のジャパンキャンピングカーショーでは、多くのトラヴィオベースのキャブコンが発売されるなど、5m未満キャブコンマーケットは大きく変動している。
トラヴィオベースのキャブコン特集は、別の記事と動画でリリースしているが、ここでは、5m未満のカムロードキャブコンの内、後部に2段ベッドを持つ最新のモデルを特集する。
目 次
リバティ50DB:アネックス
全長5mを超える高級カムロードキャブコンリバティ52DBiのエッセンスを受け継いだモデル。スマートなバンク形状を持ち、3色のエクステリアカラーが選択できる。ガソリン2WDとディーゼル2WD/4WDが選択でき、3種類のボディカラーから選択できる。
インテリアの選択肢は用意されていないが、欧州モデルのようなナチュラルトーンのインテリアは52シリーズと共有している。間接照明を採用した照明も、モダンリビングを思わせる設計だ。。
リバティ50DBの室内(写真:アネックス)
リバティ50DBの特徴は、洗練された高級感のあるインテリアに加え、後部のベッドボードを取り外すと、自転車等の大きな荷物を積み込める大きな収納庫にできること。空調は、Power
Plus仕様に家庭用エアコンを標準装備。4800Whのリチウムイオンバッテリーを装備する強力な電装システムも特長のひとつだ。
後部2段ベッド:1820x820/690mm
バンクベッド:1730x1370mm
ダイネットベッド:1890x930mm
⇨ リバティ50DBの詳しい記事はこちら
リヴァーノ:キャンパー厚木
リヴァーノは同社がコンパクトキャブコンのパピィシリーズを外れ、5x2mのフルサイズマーケットに参入した初のモデル。ガソリンとディーゼルが選択できる。トレッドとリアタイヤは、ガソリン2WDは標準/小径、ディーゼル2WDはワイド/同径だが、ディーゼル4WDは標準/同径とワイド/同径が選択できる。
インテリアは合いビリー系のシートと濃い木目の家具の組み合わせ。インテリアカラーのバリエーションは選択できないが、落ち着いた室内は特に不満点は無いだろう。
リバーノの室内
リバーノの特徴は、細かいところに様々なアイデアが詰め込まれているところ。例えば2列目の前向きシートのランバーサポートや、バンクベッドの展開、オプションだが通路まで拡張できるダイネットベッドなど、目立たない所にも配慮されている。
空調は家庭用エアコンが標準装備される。また、104Ah x4個=416Ahの個体リチウムイオンバッテリーをいち早く採用したのも安全面に対するこだわりのひとつだ。温水シャワーまでもオプションで設置できる、5x2mフルサイズでフル装備のモデルだ。
後部2段ベッド:上下段1850x750mm
バンクベッド:1900x1850mm
ダイネットベッド:1900x1050/1300(OP)mm
コルドバンクス:バンテック
2段ベッドを持つカムロードキャブコンの元祖とも言えるロングセラーモデル。ロングセラーと言っても年々進化しており、2026年モデルではデカールに特別カラー「オーロラ」を採用したり、温水システムのアップデートも行われている。
インテリアは、最近のモデルのような華やかさに振ったものではなく、クラシカルで落ち着いたイメージ。ライトブラウンとダークブラウンの2色から選択できる。
コルドバンクスの室内:ダークブラウン(写真:バンテック)
コルドバンクスの特徴は、その実績に裏打ちされた使いやすさや機能性にあるが、例えば、ギャレーに常設された2口コンロや清水と生活水を使い分けるフォーセット、更に、後部のベッドルームを大きなガレージとして使うというアイデアはこのモデルが最初。床は水洗いができるという本格仕様だ。
2024年からはEcoFlowと共同開発した6000Whの大容量リチウムイオンバッテリーシステム「ILiS」を標準装備。電装系でも先進の技術を纏っている。更に温水シャワーも使える多目的ルームなど、完成度の高いモデルとなっている。
後部2段ベッド:上下段:1860x730mm
バンクベッド:1870x1870mm
ダイネットベッド:1900x930mm
⇨ コルドバンクスの詳しい記事はこちら
アレッタ TypeW/レーベンR2B: ナッツRV/東和モータース販売
レーベンはアレッタのOEMモデルで、レイアウトや造りは同じ。全長が4850mmのショートモデルながら、シェルのサイドとリアにクレアやヴォーンと同じアルミベースのパネルを採用したハイグレード仕様の位置付けとなっている。
インテリアは多少異なり、それぞれ2種類のインテリアカラーが選択できる。価格も同じなので、カラーバリエーションとして選択するのも一案だ。
アレッタの室内:パウダーオーク(写真:ナッツRV)
アレッタ、レーベンの特徴は、「ショートタイプの高級モデル」という位置付けが表しているように、全体的に同社のハイスペック仕様が充当されていること。特に2段ベッドの両段にウッドスプリングを採用しているので、快適な寝心地が期待できる。
電装システムは、同社オリジナルのハイパーEVOⅢを搭載。ただし、リチウムイオンバッテリーはクレアが600Ahに対し、アレッタ、レーベンは400Ahと差がある部分もある。オプションで温水シャワーをを設置できる。
後部2段ベッド:1806x860(最大)/740(最小)mm
バンクベッド:1806x1800mm
ダイネットベッド:1810x900mm
⇨ アレッタ/レーベンの詳しい記事はこちら
ジョリビーTypeW: ナッツRV
ジョリビーはショートカムロードキャブコンの普及モデルとしての位置付けで、2025年に発表された最も新しいシリーズ。アレッタよりもさらに短い、全長4790mmのショートボディとなっている。
インテリアは、ダークオークとパウダーオークの2種類から選択することができる。普及モデルと言っても、同社の洗練されたインテリアと確かな造作は変わらず、安心して使用することができる。
ジョリビーの室内:ダークオーク(写真:ナッツRV)
ジョリビーの特徴は、他社モデルを含めても最もコンパクトな車体で、なおかつ多目的ルームもしっかり実現している点。車幅は1960mmで、後部の2段ベッドの長さが1800mmが確保されているので、大人が就寝できる。(ベッド長は1806mm)
電装システムは300Ahのディープサイクルバッテリーが標準装備のEVOLITEⅡシステムが搭載されているが、300Ahのリチウムイオンバッテリーもオプションで選択できる。アレッタのように両開き式冷蔵庫や温水シャワーは用意されていないが、グランデ仕様を選択すれば、家庭用エアコンをはじめ、必需装備は全て搭載されている。
後部2段ベッド:1806x720/620mm
バンクベッド:1806x1790mm
ダイネットベッド:1920x900mm
⇨ジョリビーの詳しい記事はこちら
オステリア:ダイレクトカーズ
同社は旗艦のトリップシリーズをはじめ多くのカムロードキャブコンをラインアップしているが、オステリアは全長が4,850mmで、同社初のショートキャブコンとなる。価格的に有利なガソリン2WDもラインアップされており、若いユーザー層にも受けそうだ。
リアルウッドやシックな高級感のあるインテリアが多い同社のキャブコンにあって、オステリアはカジュアルな印象を与える。シートのイエローとオーバーヘッド収納のライトグリーンのコントラストは実にお洒落だ。
オステリアの室内
オステリアの特徴は、このインテリアだろう。機能や装備がどうこうという前に、インテリアを気に入るユーザーが多いのではないだろうか。とは言っても、家庭用エアコンや横開き式冷蔵庫に加え、スカイルーフ、常設コンロ、32型大画面テレビといった他モデルには希少な装備が標準で搭載されているのも見逃せない。
150AhのリチウムイオンバッテリーやFFヒーターはオプション。一つ注意しておきたいのは多目的ルーム。トイレルームにする広さはあるように思えるが、クローゼットとされているので、トイレルームが必要な場合は確認いただきたい。
後部2段ベッド:1810x750mm
バンクベッド:1820x1430mm
ダイネットベッド:1800x1000mm
⇨オステリアの詳しい記事はこちら
アストラーレ トリアス480 :バンテック
トラヴィオをベース車にした同名のモデルが2026年に発表されたが、2025年に発表されたこのカムロードベースのトリアス480と併売される。全長が4900mmのショートキャブコンで、従来モデルとは一線を画したエクステリアも特徴のひとつ。
インテリアは同社らしい落ち着いたトーンでまとめられているが、洗練されたモダンな美しさはアストラーレシリーズ特有のものだ。インテリアカラーの選択肢は無いが、積極的に変更したいという意見は少ないだろう。
アストラーレトリアス480の室内
アストラーレトリアス480の特徴は、ダイネット。他モデルには無い、L字型のシートを配置したリビングスタイルの優雅な空間だ。前向き乗車はフロントの2席のみなので、二人旅用のモデルに位置付けられる。
最後部のベッドルームは扉で完全な個室になり、セカンドダイネットやトイレルームとして使用できるのは新しい提案だ。大きなスカイルーフ(OP)、引き出し式の外部収納や6000WhのILiSリチウムイオンバッテリーシステムなど、見どころの多いモデルだ。
後部2段ベッド:上段 1860x735mm(OP)、下段 1860x700mm
バンクベッド:1870x1120mm
ダイネットベッド:1860x1400/1780(OP)mm
⇨アストラーレトリアス480の詳しい記事はこちら
その他のモデル
今回詳しく取り上げなかったが、2段ベッドを持つ全長5m未満のカムロードキャブコンは他にも多く存在する。
クレア/スティング5.0TypeW:ナッツRV
同社の旗艦カムロードキャブコン。サイドとリアにアルミベースのパネルを採用。クレアは大きなバンクを持つが、スティングはバンクをスマートにした形状を採用。全長は4990mmで5mに収まるが、車幅は2080mmで2mを超す。
⇨クレア/スティング5.0の詳しい記事はこちら
ヴォーンR2B:/東和モータース販売
クレアのOEMモデル。アルミベースのパネルを採用するなど基本構成は同じ。5色のエクステリアカラーが選べたり、800Ahの大容量リチウムイオンバッテリーがオプションで選択できるなど、クレアから多少仕様の変更がされている。
⇨ヴォーンR2Bの詳しい記事はこちら
クレソンジャーニーTypeW: ナッツRV
クレアの普及モデルの位置付け。シェルはアルミベースではなくFRPパネルを採用。全長、全幅はクレアと同じサイズとなっている。即ち、後部ベッド長は1870mmと余裕がある。
⇨クレソンジャーニーTypeWの詳しい記事はこちら
ジープニーTypeW/モビーR2B: ナッツRV/東和モータース販売
モビーはジープニーのOEMモデル。全長はクレアやクレソンジャーニーと同じ4990mmだが、全幅を1960mmにして、一般的な5x2mの駐車枠に収まるようにしたモデル。全幅が2mを切ったっため、ベッド幅はアレッタやジョリビーと同じ1806mmとなっている。
⇨ジープニーTypeW/モビーR2Bの詳しい記事はこちら
アンソニー:AtoZ
同社のロングセラーモデル。5x2m収まるフルサイズのシェルを架装する。価格で有利なガソリン2WDのみに限定。同社のモデルに共通する白木の家具と、3種類のインテリアテーマの組み合わせが選択できる。
⇨アンソニーの詳しい記事はこちら
ACE-M:AtoZ
同社の新しいラインアップのACEシリーズのひとつ。全長は4,650mmと他社モデルも含め最も短いカムロードキャブコン。ただし、多目的ルームは持たない。同社の他モデル同様白木の家具を採用しているが、インテリアテーマは設定されていない。
⇨ACE-Mの詳しい記事はこちら
伊勢志摩:ダイレクトカーズ
同社の本拠の三重県の特産をインテリアに採用したモデル。全長は1990mmだが、全幅は2130mmと2m を超える。そのため2段ベッドの上段は実に2000mmの長さを達成している。ラウンジソファスタイルのダイネットが特徴。
⇨伊勢志摩の詳しい記事はこちら
まとめ
後部に横置き2段ベッドを持つレイアウトはスペース効率が良いため、カムロードキャブコンのスタンダード的なレイアウトになっているが、注意点もある。それはベッド長だ。近年ショートタイプがトレンドだが、車幅に関しても2mを切るモデルが多くなっている。そのため、横置きベッドの幅が影響を受ける。即ち、車幅が決まっている場合、ベッド長を長く取ると壁が薄くなる。即ち断熱性や強度が低下する。
キャンピングカーの要件で大人用のベッド長は1800mm以上取らなければならばいが、特に長身のユーザーは1800mmでは足がつかえて窮屈感を覚える場合がある。従って、横置きベッドのレイアウトを検討する場合、是非実際に横になって確認することをお勧めする。もし後部ベッドが窮屈なら、バンクベッドで対応できるかもポイントになる。
もう一つの注意点は、カムロードのディーゼル仕様を選択する場合、2017年3月12日以後に普通免許を取得した場合、準中型免許の取得が必要になる。ガソリン仕様は総重量が3.5t以下なので普通免許で運転できるが、標準(ナロー)トレッド、小径タイヤが一般的だ。



