キャブコンとは、キャブ コンバージョンの意味で、”キャブ”というのは、トラックの運転台のことを言います。即ち、運転台のついたシャシーに居住部分(シェル)を架装して作るキャンピングカーです。また、ハイエースをボディカットしてキャブ部だけを残し、後部にシェルを架装する場合もあります。
マイクロバスをボディカットしてシェルを架装するものも本来はキャブコンですが、これは一般的に「セミフルコン」と分類されています。
国産のキャブコンではトヨタの「カムロード」がベース車として圧倒的なシェアを持っています。いすゞの「ビーカム」もキャンピングカー専用シャシーとして生産されています。海外では圧倒的にフィアットの「デュカト」が主流です。

カムロードをベース車にした東和モータースのキャブコン「ヴォーンNeun R2B」
キャブコンの長所と短所
キャブコンのメリットは、居住空間を効率的に取れること。スクエアなシェルは、最大限にスペース効率を上げることができます。
もう一つの優位点は断熱性です。シェルは、断熱材がサンドイッチされたパネルで構成されますので、家と同じような断熱効果を持たせることができます。そのため、真夏の炎天下や真冬のキャンプでも、バンコンほどには外気温度に影響されず、エアコンやヒーターが効率的に使用できます。
一方、キャブコンのデメリットは、製作コストが高くなる点です。内装のみ架装するバンコンに比べ、シェルを架装するのは、シェルの開発費を含め、コストがかかります。従って、キャブコンの価格はどうしても高価になりがちです。

ボンゴをベース車にしたロータスRVのキャブコン「マンボウEXE」
また、キャブコンは”キャンピングカー然としている”という理由で避けられる場合があります。キャンピングカーを日常で使う場合、スーパーや子供の送り迎えにキャンピングカーで出かけるのには抵抗を感じるユーザーが多いのが理由と考えられます。
小型のキャブコンもある
さて、キャブコンにも様々な大きさがあります。一般的には、軽トラックにシェルを架装したものは「軽キャブコン」、ボンゴやライトエース/タウンエース、あるいはNV200バネットに架装したものは「ライトキャブコン」、カムロードやビーカム、あるいはハイエースに架装したものは「キャブコン」と呼ぶこともあります。
当サイトでは、カムロードやハイエースベースのものを区別する場合「スタンダードキャブコン」としています。

ハイエースをベース車にしたダイレクトカーズの「モビリティホーム」
海外では「Class C」とか「Alcoven:アルコベンあるいはアルコーブン」、あるいは「セミインテグレーテッド」とも言うこともあります。近年ではバンクを持たないスタイルが主流になっており、バンクを持つものをアルコベン、持たないものを「Low
Profile(ロープロファイル)」と言う場合もあります。