同社は人気のスタンダードキャブコン、ジルをラインアップするビルダーだが、今までライトキャブコンのカテゴリーを持たなかった。
シーダはこのカテゴリーに投入された、同社の最新モデルだ。

マツダボンゴトラックをベース車にしており、やはりこのクルマをベースとする他ビルダーのモデル同様、バンクベッドを持つスタイルとなっている。
しかし、車長は4860mmと5m以下をキープしながらも長い方に入り、その分余裕のある室内になっている。

それを表しているのが、対座ダイネット、後部2段ベッド、ギャレー、ユーティリティールームを全て持っている点。
更にロングコートも入るクローゼットのスペースまで確保している。

インテリアは同社のモデルに共通する高級感あるもので、ダイネットの窓もジル譲りの大きなものとなっている。

ダイネットは、5名で大きなテーブルを囲める、広々としたもので、全員の食器を余裕で置ける。
ベッドは、後部の2段ベッドと、キャブ上部のバンクベッドで計4名が就寝できる。

ギャレーは大き目のシンクが埋め込まれており、小ぶりの鍋や皿も洗える。
コンロは卓上型ポータブルガスコンロを置き使用する。
跳ね上げ式のキッチンテーブルがあるので、調理時に便利。
冷蔵庫は60リッターのものがオプション背亭されており、標準装備ではない。
また、電子レンジもオプションとなっている。

ユーティリティールームは広めにとってあり、オプションのポータブルトイレを置いてトイレ―ルームとして使っても、十分な広さがある。
ただ、エアコンの室外機用の収納スペースが出っ張っているため、ポータブルトイレをそのまま置くことができず、1段高くしてポータブルトイレを置くことになる。
トイレ未使用時は、ポータブルトイレを下に置くと、上板で隠れて収納できる。
万一の場合にトイレは載せておきたいが、普段はあまり使わないというような場合は、上部を収納庫として使えるので、良いアイデアだ。
なお、温水を含め、シャワーは設定されていない。

空調はFFヒーターが暖房用にオプション設定されている他、家庭用エアコンもオプションで用意されている。

電装系は、100Ahのサブバッテリーと走行充電、外部100V入力が標準装備される。
サブバッテリーは2個まで追加でき、計3個まで搭載可能。
また、ホンダ16i発電機も、純正消音ボックスに入れて搭載することができる。
これにより、電気の心配なしに、十分な電力を使うことができる。
電子レンジを追加する場合は、1500Wのインバーターも一緒に追加する必要があり、サブバッテリーも少なくとも2本積んだ方が良いだろう。

シーダは最新のモデルだけあり、機能的にもほぼ必要なものは全て用意されている。
落ち着いたセンスの良いインテリアと高級感のある作りは上級感がある。
オプションが多いのが気になるが、必要なものだけ搭載するという考えで選ぶと良いだろう。
ただし、オプションを全く装備しない状態でも538万円（税込）という価格は同クラスでは飛び抜けて高価で、この価格ならハイエース標準ボディベースのキャブコンにも手が届く。
マイナーチェンジしたとはいえ、ハイエースに比べると見劣りするベース車だけに、居住部分を取るかベース車をグレードアップするかで、選択が分かれるところだろう。