ラクネル ヴィラはメティオが製作する、タウンエースをベース車にしたバンコンバージョンのキャンピングカー。
ボディへの架装は無くノーマルのままだが、ルーフにはソーラーパネルが標準装備されている。
同社は軽バンコンを中心にラインアップを展開しているが、このラクネル ヴィラは初のライトキャブコンとなる。
また、ラクネルといえば、内装はパーツを組み付けるだけで、いつでもオリジナルの状態に戻すことができるのが特徴だたが、ラクネル ヴィラでは専用のキャンパーモデルとして作られている。
レイアウトは2列目にREVOシートを採用、3列目のベッドシートを簡易シートとして対座ダイネットを形成し、テーブルを囲む。
2列目シートは前向きにもできるので、走行時は運転席・助手席を含め計5名が前向き着座してドライブできる。
シートを全てフラットにするとベッドになり、大人2名が就寝できる。
就寝人数は2名だけなので、実質的には二人使用が前提となる。
後部には収納家具が据え付けられており、右側は電装系が収納されているが、左側にはポータブル冷蔵庫と収納スペースが設けられている。
冷蔵庫は18リッターで多くの食材を入れることはできないが、飲み物などを入れておくことができる。
左右の家具の間に大きなテーブルボードが渡されており、ここで食事や作業をすることができる。
ギャレーや電子レンジは装備されていないので調理はできないが、これらがあると、ちょっとした温めものなどができるので、長期旅では便利だ。できれば収納スペースを含めオプションで用意して欲しいところではある。
収納は左側のラックの収納スペースの他、シート下が全て収納スペースになるので、大きめのバッグなどはここに収納しておける。
電装系は100Ahのサブバッテリーが1個標準装備され、走行充電と外部電源での充電も装備される。しかし特筆されるのは230Wのソーラーシステムが標準装備されることで、これでサブバッテリーを充電することができる。
ただし、これで常に満充電できるかは別の話で、サブバッテリーが空になるまで電気を使ってしまうと、晴天の日でも1日でフル充電するのは難しいかも知れない。
即ち、長期旅で外部充電なしに過ごすためには、使用する電気量を節約する必要がある。
なお、1500Wの大容量インバーターが標準装備されているのも特筆できる。
電子レンジは装備されていないので、ここまでの大容量インバーターが必要か疑問が残るが、大容量だからといってドライヤーなどを長時間使うと、バッテリーが100Ahなので、電気不足に陥る可能性もある。
ラクネルヴィラは、REVOシート、本格的な家具、ソーラーシステム、大容量インバーターなどを搭載した意欲作。
2名就寝なのでファミリーで車中泊はできないが、5名が前向きドライブできるREVOシートが装備されているので、日常はファミリーの足として、休日は2名でオーバーナイトのドライブという使い方のユーザーに適している。
ただ、その分価格は高くなっており、タウンエース/ライトエースベースのバンコンは200万円台前半が多い中、ラクネルヴィラは368万円(4WD:税別)だ。
この価格ならハイエースベースのモデルにも届いてしまうが、ラクネルヴィラはコンパクトな車体を望むユーザーに適するだろう。