ピーズ リラクスは日産ピーズフィールドクラフトが製作する、NV200バネットをベース車に使用した、バン・コンバージョンキャンピングカー。8ナンバーではないので正式なキャンピング車ではないが、二人が就寝できるベッドを持つ車中泊車だ。
2列目シートを後ろ向きにした対座ダイネット
同社は社名の通り日産系のビルダーで、日産車を中心に架装を行っている。NV200バネットをベースにするモデルは、このピーズリラクスの他にツールドスターがある。どちらも2列目にマルチモードシートを持つ対座ダイネットのレイアウトだが、ツールドスターが上段ベッドを持つファミリー仕様に対し、ピーズリラクスは二人使用を想定しており、またツールドスターがサブバッテリーを搭載できるのに対し、ピーズリラクスはその設定がない。即ち、シンプルな装備で、価格的にも手が届きやすくしたモデルだ。
エクステリアはNV200バネットワゴンを使用しており、ファーストカーとして使用できるグレード感を持つ。外装に架装は無く、見た目は普通のNV200バネットと変わらない。そのため買い物や通勤などの日常使用でも、違和感なく使用できる。
ダイネットを展開したベッド
インテリアは、ワゴン仕様のためフルトリムされていて、商用車臭さはない。また2列目と3列目のシートはベージュ、後部の家具はダークな木目で、落ち着いた室内になっている。
レイアウトは、2列目にマルチモードシートを配置、3列目の簡易シートとで対座ダイネットを形成する。2列目シートを前向きにすると運転席、助手席を合わせて5名が前向き着座でき、日常使用ではミニバンと同じように乗車できる。2列目シートには、3名とも3点式シートベルトが装備されている。後部左右には薄型の収納ラックが備えられており、小物の収納ができる。
ダイネットは後ろ向きにした2列目シートと3列目シートで対座ダイネットになり、テーブルも標準装備されている。ただし、この状態では運転席、助手席から車外に出ずにダイネットに移動するのは難しい。雨の日は面倒だ。
ベッドは、2列目と3列目のシートをフラットするとフロアベッドになり、2名が就寝できる。特徴は、後部のアルミフレームで、この上にベッドマットを置くため堅牢な作りになっている。ツールドスターのように後部の子供用ベッドボードは用意されていないので、ファミリーには対応できない。
ベッド展開は慣れれば難しくないが、車内で展開するのは困難。従って、雨の日は最初からベッドモードにしておくと良いだろう。
ギャレーは搭載されていない。また冷蔵庫はポータブル冷蔵庫を持ち込むことになるが、スペース的に厳しい。後部ベッドボード下に収まる大きさの冷蔵庫となると、かなり限定されるだろう。
後部ベッド下の収納スペース
収納は、後部ベッド下がメインになり、ここに大きめのバッグが収納できる。また、後部両側の家具に多少収納スペースがあり、小物を収納できる。
電装系は、オプションでも設定されていない。車中泊ではサブバッテリーが欲しいところだが、そこは割り切った仕様になっている。室内灯もベース車のもののみなので、夜に車内で寛ぐにはランタンなどの照明が必要だ。
価格は、241万円~(16X-2R:税別)、上級グレードのあるプレミアムGX-2Rは267万円~(税別)。ノーマルのNV200バネットは198万円(16X-2R:税別)なので、架装費は43万円程度ということになる。NV200バネットベースのバンコンは200万円半ばから300万円前半程度なので、安価な方ではある。ただサブバッテリーも無い非常に基本的な装備なので、使用にはそれなりに制限がある。車中泊を予定しているならサブバッテリーが搭載できるツールドスター(278万円~:税別)の方をお勧めする。(ただしこちらもサブバッテリーはオプションだが)