ピートはキャンピングカー広島が製作する、日産NV350キャラバン標準ボディベースのバンコンキャンピングカー。
これにポップアップルーフを標準で架装している。
ハイエースやキャラバンの標準ボディは5m以下の全長で、町中の標準的な5mx2mの駐車スペースにも難なく駐められるため、取り回しが良い。
また、ミニバンとは異なり、広い車内スペースを持つため、居住性に優れている。
これにポップアップルーフを架装すれば、停泊時は一段と居住性が増し、運転しやすく、かつ居住性の良いキャンピングカーとなる。
そのため、多くのモデルが各ビルダーから発売されているが、NV350キャラバンベースのモデルは、ハイエースベースに比べモデル数が少ない。
更に、2列目に前向きに着座できるシートを持ち、ファミリーでも使用できるモデルとなると、アネックスのコンポーザーwithファミリー、バンレボのバンレボリューションVR470p、同ディアリオくらいだ。
ピートは、そのNV350標準ボディを使用し、ポップアップルーフを標準で架装している。
2列目にはFASPシートを搭載、フロントシートを合わせて5名が前向きに着座してドライブできる。
ピートの内部
この2列目シートを後ろ向きにすると、後部の縦置きシートとL字型のダイネットを形成し、5名がテーブルを囲むことができる。
即ち、ファミリーに適したレイアウトとなっている。
就寝時は、シートを全てフラットにしてフロアベッドとし、ここに2名、ポップアップルーフに2名が就寝できる。
ただし、ポップアップルーフはサイズ面で子供用とされているが、オプションの延長ボードを使用すると大人も就寝可能としている。
ピートのポップアップルーフ内部
ギャレーはダイネットと相対する位置に配置されており、アクセスし易い。
ギャレーコンソールには十分な大きさのシンクがビルトインされており、中型の鍋や皿も洗うことができる。
特筆できるのは、ギャレーコンソールに跳ね上げ式の延長テーブルが用意されているばかりではなく、引き出し式の調理台も仕込まれていること。
これだけあれば、コンロをギャレーコンソールに乗せても、まだ調理スペースが確保できる。
ちょっとした調理をする場合には、実に便利だ。
ピートのギャレー
このギャレーコンソールの下には、各16リッターの給排水タンクが収納されている。
重たい水タンクに、エントランス側からアクセスできればなお良かったのだが。
40リッターの冷蔵庫もギャレーコンソールに標準でビルトインされているが、電子レンジのオプション設定はされていない。
オプションで3000Wのインバーターも用意されているので、設置スペースがあれば使用できるはずだ。
必要であれば、訪ねてみると良いだろう。
収納は、ギャレーコンソールの中央にスペースが設けられている他、上にオーバーヘッド収納があり重宝する。
ポップアップルーフ車でオーバーヘッドコンソールを持つモデルは殆ど無いので、これはピートのアドバンテージだ。
更に、収納で秀逸なのは、このクラスでは恐らく他にないであろうクローゼットを装備していること。
最後部右側に設置されており、引き出し収納も付いている。
奥行きもあり、飾り的なものではなく、実用性に優れたものだ。
このクラスのモデルは、とかく収納スペースが不足するものだが、ピートに関してはそれは当てはまらない。
ただし、やはり寒い時期など、衣類が増えたり、バッグのような大きな物の収納には限界がある。
電装系は100Ahのサブバッテリーが1個標準装備されるが、オプションでツインバッテリーにすることができる。
走行充電はもちろんだが、外部100V入力/充電も標準装備される。
なお、インバーターは300Wがオプションとなっており、大きな電力の家電品は想定されていないようだ。
また、144Wのソーラーシステムもオプション設定されている。
ピートは、高さ制限のある駐車場でも入れる可能性が高く、取り回しも良いので、日常の使用でもミニバンのように使用できる。
かつ、休日にはファミリーで車中泊でき、ポップアップルーフで広い室内を実現できる。
価格的には500万円を上回り高価な方に入るが、クローゼットやオーバーヘッド収納など収納が充実していること、室内の高い質感を考えると妥当と言える。
車中泊を楽しむため、ミニバンから乗り換えるなら、有力な選択肢の一つと言える。