N-Camはカーショップスリーセブンが製作する、ホンダN-VANをベースにした軽キャンパー。人気のN-VANの内装にしっかりした木製の家具を架装することにより、高品質な軽キャンパーを実現している。
同社は、軽キャンパーを中心にラインアップしているが、リチウムイオンバッテリーが搭載できる「Palm」や、カシータの小型トレーラー「ロデオ16ft」など、ユニークなモデルも用意している。
今回紹介するN-Camは同社では初のホンダN-VANをベースにしたもの。N-VANは広い開口部や、ベースになっているN-BOXの人気などから発表当時から注目された商用車だが、キャンピングカーのベース車としても注目されていた。
エクステリア
N-Camはボディへの架装はなく、内装のみ架装を行っている。従って外見は通常のN-VANと変わらず、キャンピングカーの雰囲気はない。
また、オリジナルの2列目シートもそのまま残っているので、これを立てれば4名が前向きに着座してドライブできる。
従って、日常の通勤や買い物にもファーストカーとして使える。
インテリア
家具もマットも7色から選択できるが、モデル車は明るい色の木目調家具と淡いグリーン系のシートの組み合わせで、室内は明るい印象。軽キャンパーのように比較的限られたスペースのモデルではナチュラルトーンのインテリアは室内を広く見せる。
組み込まれた家具はしっかりしており、折りたたみのできる後部荷台は秀逸。

しっかりした家具が架装された室内
ダイネット
2列目シートをフラットにすると、フルフラットフロアになり、この状態がダイネットになる。折りたたみ式のテーブルなどを置くとちゃぶ台スタイルのリビングになる。なお、ベッドマットを取り除くと板のフロアになり、この状態でも使える。夏はこの方が涼しいだろう。
ベッド
N-VANのメリットは助手席もフラットにできること。これにより、左側のベッドは2050mmの長さが取れる。
なお、幅は1200mmで2名が就寝できるが、2名で就寝時は後部のラックが邪魔になり、多少足元が窮屈そうだ。
ギャレー
このモデルにはギャレーは与えられていない。オプションでも設定されていないが、同社のMOC IIのようなミニギャレーがオプションで設定されても良いのではないだろうか。
また冷蔵庫や電子レンジのオプション設定も無い。冷蔵庫はポータブル冷蔵庫を持ち込むことを想定していると思われるが、特に置き場所が設けられているわけではない。就寝時などではかなり邪魔になるかもしれない。
収納
同社の軽キャンパーは収納が良く考えられているが、N-CAMも同様だ。まずベッド下は広い空間になっており、かなりの荷物が詰める。衣類を入れた大きめのバッグも入るだろう。また、いちいち車外に出なくてもアクセスできるので、雨の日でも濡れることはない。

ベッド下の収納スペース
後部にも収納スペースが用意されている。秀逸なのは最後部のキャビネット。使わないときは折りたたんでサイドキャビネットに収納できる。これにより、最後部に背の高い荷物を積むこともできる。
更に、ベッドマットはサイドキャビネットに収納することができる。ベッドマットは大きな1枚ものではなく分割されているので、取り扱いも楽だ。

ベッドマットは収納できる
空調
FFヒーターは恐らく取り付け可能と思われるが、オプションリストには記載されていない。冬はもちろん、秋口や春先に出かける場合が多いなら、設置するとよいだろう。
なお、エアコンのソリューションはない。
電装系
105Ahサブバッテリー、外部電源入力/充電、インバーター(500W、1500W)はオプション。即ち、標準では電装系は装備されていない。車中泊をするならサブバッテリーは必需品なので、そのような場合は追加設定する。
価格
N-VAN FANセンシングCVTベースが2,171,000円(税別)。ホンダN-VAN同クラスが1,174,000円(同)なので、その差約100万円が架装費ということになる。更にサブバッテリーなど電装系やFFヒーターなどを装備すると50万円くらいの追加になるだろう。標準の架装だけでもクルマ本体の価格にも届きそうな費用なので高価だが、架装は高品質な出来ではある。