Mid RooF V（ミッドルーフV）はオートショップアズマが製作するマツダボンゴバンベースのバンコンキャンピングカー。
これにFRP製のハイルーフを架装している。
車名はミッドルーフだが室内高は十分高く、圧迫感の無い室内で、ルーフベッドも展開できる。

このモデルの特徴は、コンパクトなボディながらハイルーフでストレスのない室内を実現している他、ボンゴベースなので価格的にも有利なこと。動力性能で言えばハイエース標準ボディにハイルーフを架装したモデルに及ばないが、室内の解放感は大きく変わらない。

レイアウトは2列目にマルチモードシートを採用、前向き着座もできる。後ろ向きにすると、テーブルを挟んで対座ダイネットとなる。ただし、対面の前向き着座はベッドボードに腰掛ける。

ベッドは、2列目シートをフラットにし、テーブルを外してベッドボードを並べるとフロアベッドとなる。足元は両側に収納家具があるので多少狭くなるが、窮屈と言うほどではないだろう。フロアベッド用のベッドボードは右側ギャレーコンソールの前方にギャレーコンソールから連続する形の収納スペースに収納することができる。

また、ハイルーフを利用してルーフベッドの設置もできる。ルーフベッドのベッドボードは前部キャブ上に収納されており、これを並べてベッドにする。高さが十分あるわけではないが、大人2名が就寝できる値がさと幅がある。

ルーフベッドはボードを全て収納してしまうと寝具を置いておくスペースは無いので、ベッドボードを半分程度収納し、残ったボード上に寝具を置いておく、という使い方ができるかもしれない。ふとん派の方はそのあたりのことも確認すると良いだろう。

ギャレーは、右側にギャレーコンソールが配置され、シンクが埋め込まれている。実用的な大きさで、小さ目の鍋や皿も洗える。ガスコンロは卓上式のカセットガスコンロを置く。ガスコンロを置いても調理スペースは十分残されているので、ちょっとした料理もし易い。シンクの下には各10リッターの給排水タンクが収納される。なお、冷蔵庫はオプション。
電子レンジ用のスペースは特に設けてないが、スペース的に余地がありそうなので、必要に応じて設置の可否を相談すると良いだろう。

収納はオーバーヘッド収納が両サイドと後部に用意されている。ただ、扉があるのは後部だけで、両サイドのものには無い。また、全体的に奥行きが不足しており、カップなどの小さな食器も置けない。特に両サイドのものは扉が無いため、収納スペースとしての実用性は極めて低い。せめてもう少しの奥行きと扉が欲しい。

電装系は105Ahのバッテリーが1個標準装備され、走行充電、外部100V入力も標準装備される。
空調はFFヒーターがオプション設定される。

MiｄRoof Vの特長はコンパクトな車体で取り回しが良く、かつハイルーフでストレスの少ない室内であること。加えて価格的にもリーズナブルなことが上げられる。
コンパクトながら4名が就寝できるので、小さな子供がいるファミリーで日常使用もするならお勧めできる。

ボンゴバンにハイルーフを架装したモデルは少なく、このMid Roof V以外ではロータスRV販売のE-Liteしかない。動力性能に優れるハイエース標準ボディハイルーフが同程度の価格で存在するので、そちらを選ぶユーザーが多いのかもしれないが、Mid Roof Vのハイルーフはそれ以上に天井高が高く、ルーフベッドが設置できるという大きなアドバンテージがある。