キャンピングカー【I68:Sunlight(サンライト)】レビュー


I68Sunlight(サンライト)が製作する、フィアット デュカトをベース車にしたフル・コンバージョンモーターホーム。サンライトはDethleffs(デスレフ)の翼下のビルダーで、デスレフに対しワンクラス下の価格帯のモデルをラインアップしている。
なお、日本へは東和モータースが輸入/販売している。

欧州のビルダーは系列化が進んでおり、デスレフに対するサンライトのようなセカンドブランドは、Adoria Mobil(アドリアモービルではSunLiving(サンリビング)がある。このようなセカンドブランドのモデルはメインブランドのデスレフやアドリアと部品を共通化しながらも、「廉価版」的な位置付けになっている。
なお、セカンドブランドでは今までフルコンは無かったが、今回初めてサンライトがラインアップに加えた。本国のサンライトではフルコンモデルを「A-Class」とカテゴライズしており、現在では4モデルがラインアップされている。日本へはその中でI68のみが輸入されている。i67SI69Sは7mを切るので、日本ではこれらの方が使いやすいかもしれない。

 I68のインテリア

エクステリア:フルコンなのでデュカトの面影はなく、欧州のフルコンスタイルを踏襲している。エンジンは130HPバージョンで150HPにアップグレードできる。ちなみにデスレフブランドのフルコンは177HPバージョンが標準となっている。
カラーはホワイトが標準で、ビデオの展示車のチタンシルバーがオプション設定されている。ハンドルは右が標準装備される。

インテリア:欧州車に共通するナチュラルトーンでまとめられている。シート地は2種類から選択できるが、木部は選択できない。

レイアウト:前部にダイネット、後部に縦置きツインベッドルーム、中央にギャレー、トイレルーム、シャワールームを配置する。また、ダイネットの上にはプルダウンベッドも用意されている。後部のツインベッドで大人2名、プルダウンベッドでも大人2名が就寝でき、ダイネットも4~5名がゆったり着座できるので、ファミリーに適している。

 運転席、助手席が回転してダイネットシートになる

ダイネット:2列目に前向き二人掛けシート、サイドに2人掛けシート、そしてデュカトモデル特有の回転して後ろ向きダイネットチェアとして使える運転席、助手席でテーブルを囲む。

 後部ベッドルームのツインベッド

ベッド:後部のツインベッドは、2100x80mmと2150x80mmの大きさ。幅80mmというと家庭用シングルベッド(970mm)に満たないので、多少狭く感じるかもしれない。オプションで中央を埋めるマットも用意されているが、長さが足元までなく、これを付けてもダブルベッドにならない。その点プルダウンベッドは2000x1500mmなので、家庭用のワイドダブルベッドの大きさがある。

 ダイネット上のプルダウンベッド

なお、プルダウンベッドは手動式。手動式が悪いわけではなく、無駄に電気を使うことなく、またそれほど力が要らないなら、手動式でも全く問題ない。なお、プルダウンベッドを下ろすと、ダイネットが使えなくなることにも注意しておきたい。(運転席、助手席以外のシートは使えるがベッドが目の前にあると落ち着けない)即ち、子供がプルダウンベッドで寝た後で、大人がダイネットで寛ぐことはできない。

 3口コンロを持つギャレー

ギャレー:ギャレーコンソールは中央左側に配置されている。3口バーナーを持つコンロと、大きな独立したシンクがビルトインされている。L字型なので、多少スペースに余裕があるが、跳ね上げ式の調理台があるともっと使いやすかっただろう。
冷蔵庫は標準ではシングルドア(容量不明)のものが与えられているが、オプションで2ドア(167/29L)に変更できる。展示車もこれが付いていたが、本国では2ドアが標準装備となっている。なお冷蔵庫は3Way(AC/DC12V/LPガス)。
また電子レンジはオプションで用意されている。

 シャワールームが独立したサニタリールーム

サニタリールーム:トイレルームとシャワールームが独立している。広い室内なのでできる芸当だが、シャワー時に便器が濡れるといったことはない。なおボイラーはTruma Combi6が標準装備されており、10Lの湯が沸かせる。これを122Lの給水タンクの水と混合して適温にする。従って、水の温度にもよるが、人数が多い場合は何度も沸かす必要がある。

収納:ダイネット上、ギャレー上、そしてベッドルームにオーバーヘッド収納が用意されている。ベッドルームのオーバーヘッド収納は左右で一部蓋のない棚になっている。デスレフのPULSE I7051EB(記事はこちら)でもそうなっているが、やはり扉のある収納の方が使い勝手は良いだろう。

空調:Truma Combi6がFFヒーターとしても機能する。冷房は、家庭用エアコンがディーラーオプションで装着できる。e-comfortシステムなので室外機はルーフ上に配置する。

電装系:標準では95Ahのサブバッテリーが1個搭載されており、走行充電と外部100V入力による充電が標準装備される。ただ、常に外部電源が取れる環境に停泊するなら良いが、そうでないならリチウムイオンバッテリーの搭載をお勧めする。200Ahと400Ahがオプションで選択できる。高価なオプションだが、エアコンや電子レンジを実用的に使うなら、少なくとも200Ahのサブバッテリーは必要だ。
なお、ソーラーシステムもオプション設定されている。

価格:サンライトI68の車両本体価格は990万円~(税別)。デスレフブランドならI 7051 EB(1280万円~:同)に相当するので、300万円ほど安価だ。ただし1000万円を切るといっても車両本体価格なので、エアコンなどのオプションを装着すると数百万の追加になる。必要なオプションは、デスレフモデルでも同じ。
輸入モデルは豪華で洗練されたインテリアが魅力で、また7mを超える全長を持つ国産モデルはほとんど存在しないので、国産モデルと比較するのはあまり意味がないだろう。
比較するなら、上記のI 7051 EBか、価格的にはフルコンではなくキャブコンだがサンリビングのS75SL(876万円~:同)(S65SLの記事はこちら)となる。また、アドリアブランドでは、SONIC PLUS 700 SL(1128万円~:同)もある。

モデル I68 PULSE
I7051 EB
S75SL
ビルダー サンライト デスレフ サンリビング
販売 東和モータース デルタリンク
一般      
ナンバー区分 8 8 8
乗車人数 4 5 5
前向き乗車人数 4 4 4
就寝人数 4 4 4
ベース車(デュカト) 2.3L 130HP
2.3L 177HP 2.3L 150HP
ハンドル 左/右
種別 フルコン フルコン キャブコン
レイアウト      
ダイネット形態 2列目前向き2名
横置き2名
運転席
/助手席回転
L型シート
横置き単座
運転席
/助手席回転
2列目前向き2名
横置き2名
運転席
/助手席回転
常設ベッド (mm)
ツイン
(2100/2150 x800)
ツイン
(2000/2100x800)
ツイン
(2100/2100x750)
プルダウンベッド 手動
2000x1500
手動
1950x1500
手動
1900x1250
ダイネット展開ベッド 2100x650 - 2100x950~700
ギャレー      
コンロ ○(3口)
シンク
給水タンク ○(122L) ○(116L) ○(110L)
排水タンク ○(92L) ○(90L) ○(85L)
冷蔵庫 ○(3way 1ドア ?L)
OP(2ドア167/29L:\96,000)
○(3way 2ドア 142L) ○(3way 2ドア 142L)
電子レンジ OP(\42,000) OP(\38,000)
空調      
FFヒーター ○(Truma Combi6) ○(Truma Combi4)
床暖房 - OP(\58,000)
家庭用エアコン OP(e-confort:
\500,000)
OP(\348,000)
サニタリールーム      
独立シャワールーム
カセットトイレ
電装系      
サブバッテリー ○(95Ah x1) ○(?Ah)
リチウムバッテリー OP(200Ah:\385,000
/400Ah:\685,000)
OP(200Ah:\545,000
/400Ah:\87,6000)1500Wインバーター付き
走行充電システム
外部100V入力/充電
インバーター OP(1500W:
\138,000)
OP(1500W:
\150,000)
ソーラーシステム OP(@100W:
\120,000)
OP(@100W:
\100,000)
発電機 OP(Gストリーム:
\1,200,000)
OP(トラベラー2500:
\584,000)
ナビ/テレビ      
ナビシステム OP
テレビ OP
サイズ      
全長(mm) 7,410 7,400 7,420
全幅(mm) 2,320 2,330 2,320
全高(mm) 2,930 3,000 2,870
価格      
価格(税別) 990万円~ 1280万円~ 876万円~

2019年12月現在  (○は標準装備/OPはオプション)
価格は千円台切り上げ(税別)

動画はこちら

2019.12.30