コンパクト スライドアウト SLSはスロベニアのコーチビルダー、アドリア モービルが製作する輸入キャブコンで、日本へはデルタリンクが輸入販売している。
コンパクトシリーズは、アドリアのラインアップではその名の通り最も小型のカテゴリーで、レイアウトによるが、6m前後の車長を持つモデルで構成されている。
コンパクトシリーズは、本国ではコンパクトプラスとコンパクトアクセスシリーズがあるが、日本へは従来よりプラスの2種のレイアウトが輸入されている。(下図)
コンパクトスライドアウトは、このラインアップに2017に追加されたモデルで、後部がスライドアウトするのが特徴。
スライドアウトすることにより、車長方向にツインベッドを置きながら、車長が6mを切った。
コンパクトスライドアウトのレイアウト
スライドアウトを持たないコンパクトプラスSPでは、横置きダブルベッドだったし、縦置きツインベッドを持つコンパクトプラスSLでは、車長が6620mmとどうしても長くなってしまった。
ただ、コンパクトプラスSPの横置きダブルベッドでも、サイズは1980x1370mmあるので、サイズ的には全く問題ないのだが、やはり6m以下でツインベッドを実現したところに意義があるようだ。
なお、スライドアウトで注意しなければならないのは、当然のことだが、後ろに伸びるということ。
即ち、そのスペースが無いと、スライドアウトが出せない。
スライドアウトが出せないと、就寝できないことになる。
道の駅などでは、後ろの状況をよく考えて駐車する必要がある。
レイアウトは、前部にダイネット、後部にベッドルームの他、中央にギャレーとサニタリールームを配置する。
ダイネットは、欧州車お決まりのフロントシートを回転する仕様で、単座シートも用意されているので5名がテーブルを囲める。
ベッドルームはSLSが縦置きツインベッドだが、もうひとつ用意されているSCSは両側に通路があるセンターダブルベッドを持つ。
ただし、SCSは車長が6,250mmと、6mを大きく超える。
ギャレーは、3口バーナーを持つコンロとシンクがビルトインされるが、特筆できるのはコンロの前に調理スペースが設けてあり、料理がし易いこと。
引き出し収納や、オーバーヘッド収納も充実しており、キッチン周りは使いやすい。
冷蔵庫は100リッターのものが標準装備されるが、電子レンジはオプション。
空調は、FFヒーターとセパレートエアコンがオプション設定されている。
電装系は、100Ahのサブバッテリーが1個標準装備されるが、リチウムバッテリーがオプション設定されている。
200Ahと400Ahが選択できるので、これを装備しておけば電気の心配は解消する。
さて、コンパクトスライドアウトSLSは車両本体価格が842万円(税別)だ。
一方コンパクトプラスSPは798万円(税別)なので、スライドアウトは44万円ということになる。
これで、縦置きツインベッド(ダブルベッドにもなる)が手に入ることになるが、先に書いたようなスライドアウトの注意点もある。
また、ベッドルームのオーバーヘッド収納も、スライドアウト機能のため割愛されている。
従って、ツインベッドに魅力を感じ、かつ6m以下の車長を求めるならスライドアウトの選択もあるが、そうでないならコンパクトプラスSPのほうが扱いやすいだろう。