マイクロバスのトヨタコースターがモデルチェンジし、それに応じて各キャンピングカービルダーから新型バスコンが登場することが予想されるが、その先陣を切ったのがトイファクトリーのビッグバン620。
2月のジャパンキャンピングカーショーでは外観のみ展示されたが、7月の東京キャンピングカーショーでは内部も含め参考出品された。
最終版でないとはいえ、完成度の高い出来栄えになっている。
ベース車はコースタービッグバンで、ベース車の名前がそのまま付けられている。
コースターには人を乗せる用途の「バス」と荷物用の「バン」があり、ビッグバンはバンの総称。
ボディ長が6,990mmのロングボディと、6,255mmの標準ボディがあるが、ビッグバン620は標準ボディを採用している。
バスコンの弱点は、広い窓面積のため断熱が十分にできないこと。しかしこのビッグバン620では断熱にこだわる同社だけに、内装を見るとしっかり窓も断熱化されていることが分かる。
レイアウトは前部に対座ダイネット、後部にハイマウントダブルベッド、中央にギャレーとユーティリティールームの構成。
レイアウト的にはオーソドックスなものだが、さすがバスコンだけあって、内部はゆったりしている。
このモデルのユニークな点は、上下するハイマウントベッド。
ベッドの高さを手動で上下することができ、下の収納スペースに自転車等の背の高いものも積み込めるようにしている。
もちろん荷物が少ないときはベッドを下の方にしておくと、ベッドへの昇り降りが楽だ。
欧州のモデルには同様のコンセプトで電動式のものもあるが、頻繁に動かすものではないので手動でも全く問題ないだろう。
ダイネットは対座式で、展開すればフロアベッドになる。
従ってファミリーでも使えるのだが、このクラスでベッド展開するのはあまり面白いものではない。
従って、2人で優雅に使用するのがお勧めの使い方だろう。
その場合には、対座ダイネットではなく、ソファダイネットの方が良いかもしれない
さて、このモデルで最も不可解な点がギャレーコンソール。
シンクはビルトインされているが、コンロはビルトインではなく、カセットコンロを置く方式。
しかも上蓋式冷蔵庫を採用しており、その上に置くことになる。
これではコンロを使用中は冷蔵庫を開けることができない。
ハイエースクラスのバンコンでも多くのモデルは横開き式冷蔵庫を採用しているので、バスコンで上蓋式冷蔵庫はちょっとがっかりする。
最近では調理しないというユーザーも多いが、やはりこのクラスなら少なくともコンロをビルトインして欲しいし、多少大きめの横開き冷蔵庫も欲しい。
反対側にはユーティリティールームがあるが、トイレが標準装備されるかは不明。
カセットトイレは当然設置可能と思われるが、温水シャワーまで選べるかは分からない。
家庭用エアコンに関しても最終版は分からないが、この参考出品モデルには装備されていない。
エアコンも最近では普通に装備されるので、是非標準装備して欲しいところだ。
ビッグバン620は参考出品ということもあり、まだ最終仕様は分からないが、廉価版のバスコンという位置付けに見える。
従って、各所に装備のシンプルさが出ているのは仕方ないところかもしれないし、セブンシーズほどの豪華さは必要ないが、バンコンにも劣る部分は、バスコンオーナーとしては不満が残ろところだろう。